約 222,810 件
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3867.html
照と洋榎はプロにいる設定です 須賀京太郎、3年生の夏 京太郎「っしゃー!!来たぜ東京!!」 咲「ちょっと京ちゃん!はしゃぎすぎだよ!」 和「もう、そもそも何回も来てるじゃないですか」 京太郎「お前らと違うんだよ。やっと自分の力で県大会も勝ち抜いて、全国に来れたと思うと嬉しくてな」 咲「そっか。今まで私達の付添だったもんね」 京太郎「ああ。だけど今年は違うぜ!俺は自分の力でここに来たんだー!」 和「だから静かにしましょうって。後輩たちも見てるんですよ」 優希「しょうがないじぇ。京太郎の念願だったし、好きにさせてやるのがいいじぇ」 咲「うん。京ちゃん本当に嬉しそうだしね」 京太郎「ああ。嬉しくって出場が決まった時はいろんな人に言っちまったよ」 和「はい?」 京太郎「はしゃぎすぎだったかな。みんな一度は来てるのにな」 優希「お、おい。そのいろんな人っていうのは…」 京太郎「ああ、今まで麻雀で知り合った人達だな」 衣「トーカ!東京行くぞ東京!」 透華「ええ、もちろんですわ!ハギヨシ、準備なさい。理由?京太郎くんの応援に決まってますわ!」 桃子「あ、蒲原元部長っすか?モモっす。ちょっと東京に応援に行きたいんでまたお願いできないかと……鶴賀全員で?いいっすね!!」 いちご「東京?そんなん考慮しとらんけど……行かんとね」 姫子「ぶちょ、じゃなくて哩さん!早く行きましょう!」 哩「待て待て。私らは応援に行くとやけんな?忘れ物とかなかか?鎖と首輪入れたか?」 初美「はい?姫様と六女仙全員も行く?私だけじゃないんですかー?私一人で応援したかったですー」 洋榎「今度の試合は東京?ええでー!ちゃんと応援する時間はあるんやろな?誰のって?姫松と京太郎に決まっとるやん!!」 淡「ごめーん、ちょっと行ってくるねー!え?清澄だよ?敵?男子だからだいじょーぶ!!」 照「はい、今度のインターハイは私としても注目している選手が多いのでスケジュールを調整して会場まで見に行きたいと思っています」 照「最後に一言?……京ちゃん、応援してるから頑張ってね!」 その年のインターハイ男子個人戦には、やけに多くのプロやインターハイ出場経験者が応援に来ていたとか 京太郎「なんか人多いな……誰か有名な人でもいんのか?」 咲「……京ちゃんだよ」 カンッ!!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3341.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1388485491/ 咲「…」(読書中) 京太郎(さっきからパンツがチラチラ見えてる…) 京太郎(今日は白か) 京太郎(というかこいつ男の前でミニスカ体育座りとかしやがって…防御力低すぎだろ…) 京太郎「なあ咲」 咲「なに?京ちゃん」 京太郎「パンツ見えてるぞ」 咲「ふぇっ!?」 咲「きょ、京ちゃんのエッチ!変態!」 京太郎「いやもう何とも思わん。見慣れてるし」 咲「見慣れてるの!?」 京太郎「お前無用心だから結構見た」 咲「も、もう私帰る!バイバイ!」 京太郎「おいそんな焦ったら…」 咲「あっ!?」 京太郎「やっぱつまずいたか」 咲「いたた…」 京太郎「大丈夫か?あと言いにくいけど…」 咲「どうしたの?」 京太郎「転んだ拍子にスカートめくれてる」 咲「み、見ないで変態京ちゃん!」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「う~こたつぬくいなあ」 シロ「京太郎」 京太郎「……」 シロ「……京太郎」 京太郎「……何ですか?」 シロ「飲み物持っ」 京太郎「嫌です」ズバシ シロ「……」 京太郎「そんな目してもムダですよ。大晦日の俺は省エネ京太郎ですから」 京太郎「年越しそばなら、どん兵衛とポットがもう用意されてますからね」 シロ「この目は元から……ん~」 京太郎(……なんか考えてる) シロ「京太郎、リモコン取ってくれる?」 京太郎「リモコン? すみません、何処にあるかちょっと……」 シロ「こたつの中かも」 京太郎「入れたっけな」ゴソゴソ 京太郎「!?」ガタッ 京太郎(そう言えばシロさん今日スカートだった……あと少しで見えそう……) シロ「……」クイッ 京太郎(!? シロさんの白さんが!!) シロ「……」 京太郎(うおお……何だかこたつのヒーターの橙色の光に照らされ、神々しく見え……あっ、熱、あれ今何秒経って)ジリジリ シロ「京太郎、リモコン」 京太郎「あひゃい!? って痛ぁっ!」ガツン シロ「頭打った?」 京太郎「だ、大丈夫です、リモコンは……」 シロ「ごめん、こっちにあった」 京太郎「あっ、そっすか」 シロ「……ところでさ、京太郎……長いこと、こたつの中で何を探してたの?」 京太郎「えっ、いや、その、あの……」カアァ シロ「飲み物欲しいな」ボソッ 京太郎「今持ってきまっしゅ!!」ダッ シロ「……」 シロ「……流石に、ちょっと恥ずかしかったな」ゴロン カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「パンチラっていいよな」 優希「は?」 京太郎「なんだよ、そのお前は何言ってんだって目は」 優希「京太郎、お前私が前にパンチラした時いらねーで一蹴したよな?」 京太郎「あれはパンチラじゃねぇ、ただの痴女だ。俺がいいと思うのは不意に見えるパンチラなんだよ」 優希「理解出来ないじぇ……」 京太郎「まっ、お子様のお前にはわからん世界ってこった」 優希「なんでそんなに偉そうなんだじぇ……」 京太郎「はぁ……」 優希「……」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 淡「んーっ! んーっ!!」ピョンピョン 京太郎「何跳び跳ねてんだ淡」 淡「あ、きょーたろー。あのねー、たかみーが転んだら眼鏡がすぽーんって本棚の上に入っちゃったの」 尭深「見えない……」 京太郎「そげな漫画みちょーな……怪我はないっすか?」 尭深「うん、大丈夫」 淡「たかみー、きょーたろーはこっちだよ」 京太郎「本気で見えないんすね」 尭深「私、目が悪いから……」 淡「たかみー、それ湯呑みじゃなくてケトルだよ……」 京太郎「おお、もう……とりあえずじっとしといて下さい。俺と淡で眼鏡取りますんで」 尭深「うん。ごめんね?」 京太郎「いえいえ」 淡「で、どーするの? 結構高いとこだけど」 京太郎「俺でも微妙に届かねーな……なんか椅子でも」 淡「あっ、閃いた!」 京太郎「うん?」 淡「きょーたろー、しゃがんでしゃがんで!」 京太郎「おう」スッ 淡「とーっ!」ピョコンッ 京太郎「うおっと! なんだ、なるほど肩車か」 淡「そそ。ほらほら立って立って」ペチペチ 京太郎「叩くなこら。よっと」スクッ 淡「おーっ! あはは、高い高い!」 京太郎「あんまはしゃぐなって。眼鏡見えるか?」 淡「うん。結構奥の方みたい」 京太郎「落ちないように気を付けろよ」 淡「まっかせてー! んー……ん! 取った!」 京太郎「よし、んじゃ下ろs」 淡「とうっ!」ピョンッ 京太郎「ちょ、ばっ!」 淡「ほっ……わあっ!」トッ ズデンッ!! 京太郎「おい大丈──ぶふっ!?」 京太郎(じゅ、純白!?) 淡「いったぁー……、あわ?」 淡「…………」 淡「あわっ」ボフンッ 京太郎(あ、爆発した) 淡「わ、わー! わー! わー!!」ポイポイポイポイッ コッ コーンッ カンッ パリーンッ 京太郎「ちょっ! 淡落ち着けテキトーに物投げんな!? ──ぐはっ!」ゴンッ!! 京太郎「ゆ、湯呑みは鈍器だろ……」ドサッ 淡「はーっ! はーっ!! うぅぅ……パンツ見られた……」シクシク 尭深「あの、淡ちゃん……眼鏡は……」 淡「あ」 京太郎「いつつ……ん?」 眼鏡だったもの「」チーン 京淡「「ああっ!?」」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 絹恵「あー昨日のサッカー凄かったな!特に終盤のあのシュートとか!」シュ 京太郎「先輩スカートでシュートのマネ止めてくださいよ」 末原「なんや須賀はパンツ見て恥ずかしがっとんのか?」 末原「ならいくらでも見てええで」ピラッ 京太郎「や、止めてくださいよ」 末原「何てな。スパッツはいとるから平気やで」ピラッピラッ 絹恵「あ」 漫「あ」 代行「末原ちゃんスパッツはきわすれとるで~」 末原「へ?」 京太郎「///」 末原「ア……アホーーーー!!!!」パンチ 京太郎「ありがとうございます!」バキッ カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「奈良の大仏見ようと思い立って勢いで奈良まで来てしまった…」 京太郎「携帯の地図頼りにしてたけどこんなときに電池切れだし」 京太郎「さてどうしようか…」オロオロ 憧「あの人…なにしてるんだろ」 京太郎「すいませーん」 憧「あ、なんでしょうか」 京太郎「この辺の娘かなぁ…ちょっと奈良の大仏までの道が知りたいんだけど聞いてもいいか?」 憧「大丈夫ですよ。良かったら私案内しましょうか?」 京太郎「え、大丈夫?予定とかは…」 憧「はい。私の目的地もそこら辺なんでついでにってことで」 憧(…それにこの人結構カッコいいし) 京太郎「じゃあ…お願いしちゃおっかな」 憧「じゃあ行きましょ」 ーーー 憧「そうなんだぁ須賀君も麻雀部の……」 京太郎「って言っても初心者も初心者。全国大会が終わるまで専門書読んでネトマやるぐらいしかしてなかったけどな」 憧「雀荘は?近くにないの?」 京太郎「あぁ部活の先輩がRoofTopって雀荘のオーナーの一人娘でな」 京太郎「割と気軽に顔出せはするんだけどこれが見事に鴨られるんだわ」 憧「はぁそういうレベルなわけね」 憧「っと、見えてきたわよ、あれが奈良の大仏」 京太郎「おお!ありがとな。俺にこの試作品のタコスをもらってくれ」 憧「いやいやなんでタコスなんか持ち歩いてんのよ」 京太郎「知り合いにな。三度の飯よりタコスってほどのタコスジャンキーがいてな逐一備蓄しとく癖がついちまったんだ」 憧「清澄。恐ろしい所…和も染まってなきゃいいけど」 京太郎「へ、今和っt」 「憧ー!!」 ドーン 憧「きゃっ」 京太郎「ぶっ」 京太郎(黒とピンクのレース…見た目おしゃれな娘だったけど下着にまで拘ってるのか…ごちそうさまです) 憧「いたたた。もぉなにすんのよシズ」 穏乃「なにじゃないよー約束の時間になっても一向に来ないから心配してたんだよ」 穏乃「そしたら男の人と仲よさそうに談笑しちゃってて」 憧「あーごめんごめん。道を聞かれたからここにくるついでに案内してたんだけど同じ麻雀部だっていうから話しこんじゃってさ」 穏乃「麻雀部?そうなの?」 京太郎「あぁまだヒヨッコだけどな」 穏乃「じゃあこれから部の皆で麻雀するから混ざらない?」 京太郎「お!いいな。でも部の皆って当然女子ばっかだよな。俺も混ざって大丈夫か?」 穏乃「全然平気!」 穏乃「憧!」 憧「なによ」 穏乃「そういうことだから!」 憧「はぁまぁいいけどね。じゃあ須賀君一緒に行こうよ。ついでに私もできる限り教えてあげる」 京太郎「あざーっす」 穏乃「じゃあしゅっぱーつ!」クルッ 京太郎「……」 京太郎(吐いてない)(確信) 憧「じゃ、行きましょっか」 京太郎「よろしく頼むよ」 京太郎(片や黒とピンクレース、片やノーパン……か) 京太郎(永住しよ) カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 哩「京太郎、私と姫子の能力はリザベーションばい」 京太郎「哩さんの和了が姫子の和了と連動する能力ですよね」 哩「そう」 哩「そしてそれは麻雀に限らんと」 京太郎「え」 哩「そい、パンチラ//」リザベーションクリアー 京太郎「うわっ!?女の子がそんなことしちゃいけません!」 哩「これで京太郎は明日姫子のパンチラを二回見ることになると」 京太郎「なにそれこわい」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「うーっす」 まこ「京太郎、あんた何でジャージなんじゃ」 京太郎「ああ、これ。体育長引いて、そのまま着てきたんですよ」 まこ「はや着替えんさい」 京太郎「だって楽じゃないですか、ジャージ」 和「もっとしゃんとした方がいいと思いますよ」 京太郎「そ、そう? あはは、手厳しいな……」 和「そうですよ……ん?」 京太郎「でも染谷先輩も―――」ペラペラ 和(……ちゃんとシャツを入れてないから、須賀君のズボンから、その、青いのが覗いて……) 和(やっぱり、言った方がいいんですかね……でも、それは恥ずかしいような……) 和(……須賀君ってああいうの穿くんですね。確かに須賀君のイメージに合ってるような……って、私は何を考えて!?) 咲「和ちゃん?」 和「ひうっ!?」ビクン 咲「どうしたの、和ちゃん?」 和「えっ? い、いえ、あの、す、すがく……」 咲「京ちゃん?」 京太郎「おっ、咲来てたのか」 咲「もう、京ちゃんまだジャージのままなの? だらしないなあ。ほら、パンツ見えてるよ」 京太郎「えっ、そう? あはは、ご愛嬌ご愛嬌」 和「……流石咲さん」ホッ カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 穏乃「京太郎ー!お昼一緒に屋上で食べよう!」 京太郎「おう。いいぜ」 ~屋上~ 京太郎「よし、じゃあ食べようぜ」 穏乃「ここでクイズです。今日の私のお昼ご飯はなんでしょうか?」 京太郎「パンだろ」 穏乃「え!?なんで分かったの?」 京太郎「お前の後ろにあるコンビニの袋からパンがチラ見してる」 穏乃「しまった」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 久「別にタイツだからって恥ずかしくない訳じゃないのよ?」 京太郎「はあ」 久「生じゃなくても、それなりに恥ずかしいわけ。分かる?」 京太郎「何をおっしゃりたいのかが分かりません」 久「つまり、タイツは恥じらいが無いからダメ、なんて言うのは止めなさいってこと!」 京太郎「俺そんなこと言ってませんから!」 京太郎「じゃあ部長はタイツを履いていても、風かなんかでスカートがまくれあがったりしたらそれなりに恥ずかしいってわけですね?」 久「そういうことになるわね」 京太郎「でもさすがにノータイツで捲れるほど恥ずかしくはないと」 久「うん」 京太郎「ならそーい!」ペラリンチョ 久「………………」 久「どーん!」ドカッ 京太郎「なにするんですか。痛いじゃないですか」 久「私の心はもっと痛んでるわよ。須賀君ならそういうことしないと思ってこういう話してたのにひどい裏切りよ」 京太郎「タイツ履いてるから恥ずかしくないんでしょ?」 久「さっきの話をもう忘れてしまったのこのニワトリ脳は」 京太郎「そんなに見られたくないなら今度からタイツでなくジーパンでも履いてくるんですね」 久「怒った。久もう怒った」 久「反省のない。須賀君にはお仕置きね」 京太郎「うわあああああああああああああああああああ」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「俺実はおっぱいよりパンチラが好きなんですよ」 「そんな俺にとって、清澄麻雀部はとても過酷な環境でした」 「事あるごとにパンツを見せつけようとする優希、やめてくれ俺が見たいのはパンツじゃないパンチラなんだ」 「鉄壁のガードを誇る和、膝丈スカートもさることながら」 「何より胸部に搭載した防衛機構OO(ダブルオー)は視線を吸い上げて数少ないパンチラ目撃のチャンスを奪ってしまう」 「そして部長と咲!!」 「初めての出会いから今までずっとそのポンコツっぷりでいつもパンチラを楽しませてくれた咲」 「それなのにパンチラを見られたくないからってパンツ履かないってどんだけポンコツなんだよ!!」 「ポンコツぶりは変わらないんだから色々見ちゃいけないものが見えちゃうんだよ!」 「部長に関しては…思い出すだけでも恐ろしい…」 「パンスト越しのパンツ、そんな最上級のパンチラを期待していつも目を凝らしていました」 「そしてやっと見えたと思ったそのとき目に飛び込んだのは…」 「パ ン ス ト 越 し の 茂 み だ っ た …」 「まさかのノーパンパンストに呆けている俺に気づいた部長は妖しくも魅惑的な笑みを浮かべながら俺をロッカーへ…」 「あぁ思い出しただけでもう…」 「本当、この状況どう思います?染谷先輩!!」 まこ「爆発して死ねばええんじゃね?」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 部室にて 京太郎「こんにちはー」 玄「うへへ~、待つのです二人とも~」ダダダダダッ 憧「待つわけないでしょ!」 穏乃「玄さん、やめてくださいよ!」 京太郎「はあ……部活前だからか、皆元気が有り余ってるな」 玄「大人しくおもちを揉ませるのです!」 憧「誰がそんなことを許すか!」 穏乃「私たち、宥さんと違って大きくないですよ!」 玄「大きさは問題じゃないですのだ~」 京太郎(こういう時に女子との見えない壁を感じるよな) 玄「捕まえたのです!」ガシッ 憧「あっ、こら! シズ、助けなさいよ!」 穏乃「ごめん、憧。玄さんに捕まったら抜け出すのが難しくて…」 憧「ちゃっかり距離とってんじゃないわよ!」 玄「ぐへへへ~、さあて、おもちをご賞味させていただきますのだ~」ワシワシ 憧「こんのぉ…、いい加減にしろ!」ドンッ 玄「あっ!」ガシャンッ 憧「ちょっ、大丈夫!?」 玄「じゃ、雀卓にぶつかってしまったのです」 憧「ごめん……でも、玄も悪いんだからね。いつまでもしつこくおもちを揉ませろだのわけわからない言うから」 玄「面目ないのです」シュンッ 憧「うっ、急にしょげられるとツラいわね。まあお互い様ってことで…」 玄「う、うん……」 京太郎「……」 京太郎(……見えた) 京太郎(はっきりと全部は見えなかったけど) 京太郎(雀卓に体をぶつけた時の衝撃で、ちらっとのぞかせるような感じだった) 京太郎(パ、パンツも玄さんらしく、かわいく柔らかそうで…) 京太郎(じゃなくて!) 京太郎(今のはなかったことにした方がいいよな…) 京太郎(「パンツ見えましたよ」なんて言われて嬉しい人なんていないだろ) 京太郎(というか玄さんだけにパンツも……) 玄「……」チラッ 京太郎(おっ、目が合った) 玄「///」サッ 京太郎(頬が赤い……やっぱり俺の目を気にしてるんだよな) 憧「本当に大丈夫なの、玄?」 玄「ひゃっ、はい!」 憧「そろそろ部活の準備するわよ。手伝って」 玄「はい!おまかせひゃれ!」 憧「大丈夫じゃないでしょ、あんた」 玄「あうぅ…///」 京太郎(焦って縮こまってる玄さんもかわいい……) 京太郎(ちげえよ! そうじゃないって) 京太郎(本人も恥ずかしがってるんだし、やっぱりここは黙っておこう) 憧「あんたはね、高校生にもなってあんなことばっかしてるから…」 玄「は、はぃ…」モジモジ 京太郎(黙ってるのが優しい男だよな。さて、俺も準備を…) 穏乃「……」ジーッ 京太郎(げっ!) 京太郎(そういや穏乃も俺のそばにいたから見えてたよな) 穏乃「……」ジーッ 京太郎(玄さんを食い入るようにじっと見てる。やっぱりお前も気になったか……) 穏乃「……」チラッ 京太郎(こっち見た!なんかすげえ言い出しちゃいそうな雰囲気) 京太郎(でもダメだ!もの申したい気持ちもわかるけど、玄さんにもメンツがある。たぶん) 京太郎(こいつ、空気の読めないところがあるし、釘を刺しておいた方が…) 穏乃「玄さん」 玄「な、なに?」ギクッ 穏乃「玄さんは」 京太郎(言うな!) 穏乃「クマさんが好きなんですか?」 灼「悪くないとおも…」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 晴絵「きょ、京太郎~」オズオズ 京太郎「あ、晴絵さん年越し蕎麦はどれくらい食べられま――って、その格好…」 晴絵「い、いやね…大掃除してたら阿知賀の頃の制服が出てきてさ…ど、どうかな?」 京太郎「どうって…」 晴絵「あ………そ、そうだよね!さすがに似合わないよね、今着替えてく「待ってください」…京太郎?」 京太郎「その…いきなりで驚きましたけど、に、似合ってますよ」 晴絵「ほんと…?『こいつ歳考えろよ…』とか考えてるんじゃ?」オソルオソル 京太郎「そんなことないですって。晴絵さんは綺麗ですから今でも全然似合いますし……」 京太郎「そ、その、こ、恋人のそういう姿が見れるって凄く嬉しいですよ…」ポリポリ 晴絵「あ、あはは…そ、そうかな」テレテレ 京太郎「ええ、それに俺が見ることができなかった昔の晴絵さんが見れてよかったです」 晴絵「そっか、よかった………あ~なんだか安心したらお腹空いたな!」クルクルッ 京太郎「ああもう、埃立つから食事前に部屋の中d――ぶっ!?」 晴絵「ん?どうしたの京太郎?」 京太郎「え、え~と…その…」 晴絵「なあに~言いたい事があるなら言いなさいよ~うりうり」ダキツキ 京太郎「その…さっき晴絵さんが回ったときにス、スカートが捲れてその…」 晴絵「スカートって…あ///……もしかして、見えちゃった?」 京太郎「はい…」 晴絵「………どうだった?」 京太郎「その、大人っぽい黒で…」 晴絵「ふんふむ」 京太郎「………サイコーでした」 晴絵「ふ~ん、普段からそれ以上の物見てるくせに?」 京太郎「それとこれとは別です」キリッ 晴絵「な~に真面目な顔して言ってるのよこの」ハナフニ 京太郎「はにふるんでふか」 晴絵「さ、お蕎麦伸びないうちに食べようか」 京太郎「ほうでふね」 晴絵「ほら拗ねない。あとでこの格好のまま膝枕してあげるから、ね?」ギュ 京太郎「…あい」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「ああ……いい天気だ」 京太郎「部活での先輩からのしごきも、癒やされていく……」 京太郎「屋上開放してる高校なんて、なかなか無いよな……ん? 上の方から何か音が」 ??「……」バッ 京太郎「え!?」 ??「な!?」ドスッ 京太郎(階段室の上から人間が、正確には女の子が舞い降りてきた。舞い降りてきて……墜落した、俺の上に) 京太郎「ぐえあ」バタン ??「す、すまん。大丈夫か」 京太郎「お、俺は大丈夫ですけど……」 京太郎(綺麗な人だ……長く艶のある黒髪、きりっとした目元、それになかなかのおもち) 京太郎(その女の子は、寝転がった俺にのしかかった体勢になっており……こちらからは下着が伺えた) 京太郎「……いちごパンツ」ボソッ ??「へっ? ……きゃぁッ!!」バチコン 京太郎「ふもげ!!」 京太郎「それで今日は遅れてしまった訳で」 ダヴァン「オー、ジャパニーズエロゲ?」ズルル 京太郎「違います」 ダヴァン「ヘンタイ?」 京太郎「違いますって!」 ダヴァン「それデ……そのストロベリーパンティーの子ニ……」 京太郎「一目惚れをしまして」キリッ ダヴァン「パンティーニ?」 京太郎「違いますよ!いやもちろん、いちごパンツも重要な要素です」 京太郎「清楚で綺麗な女性が、いちごパンツを穿いているというギャップに俺は猛烈に―――」 智葉「楽しそうだな」 京太郎「ひっ!? 先輩!?」ビクッ ダヴァン「折檻は止めてあげた方がいいデスヨー」 智葉「ああ、怪我をしているみたいだしな」 京太郎「気がついたら保健室にいたんですよね。あの、今日はご覧の通り体の調子が悪いので……」 智葉「外傷と麻雀は関係ないだろ? さあ来い、みっちりしごいてやる」 京太郎「ひいいぃ……」 智葉(……決して、知られる訳にはいかないな) カンッ! >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「……部長、俺の精液には雀力を上げる効果があるらしいです」 久「須賀君、頭打った?」 京太郎「……すみません、俺どうかしてたみたいです」 久「そんなことより、パンチラをゲットしに行きなさい。そうすると雀力上がるらしいわよ」 京太郎「はい、分かりました!」 来年へ続く >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「こんな真夜中なのに、人がいるもんだな」 咲「そうだね」 京太郎「はぐれないようにしろよ?」 咲「もう、また子供扱いするんだから!」 京太郎「咲がすぐはぐれるのは事実だろ?」 咲「それはそうかもしれないけど……ほらっ」 京太郎「ん?」 咲「手、つないでるから大丈夫、でしょ?」 京太郎「ははっ、それもそうだな」 咲「願い事、どうしようかなあ」 京太郎「何でもいいだろ、優勝でも、新入部員でも」 咲「……」 チャリーン 咲(なんて言ったけど、願い事は決まってる) 咲(京ちゃんと今年も、いやずぅーっと一緒にいられますように) 咲(京ちゃんは、何を願ってるのかな? 私と同じ? それとも……) 京太郎(パンチラパンチラパンチラパンチラパンチラパンチラパンチラパンチラパンチラパンチラ) 咲「ねーえ京ちゃん、何お願いした?」 京太郎「バカ、願い事は秘密にしないといけないんだぞ」 咲「えへへ、そうだよね。私も秘密だもん」 京太郎「なんだ? そう言われると気になるな」 咲「だから秘密だってばー」 カァーンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 洋榎「脱衣麻雀や」 京太郎「どうしてこうなった?」 京太郎「姫松に転校して数ヶ月・・・だいぶ麻雀強くなった気がする」 洋榎「そやな、京太郎中々上手くなったやん、まぁうちにはおよ」 京太郎「そーでしょ?いやぁそろそろ洋榎先輩にも勝ってしまったりして」 洋榎「ほぅ?・・・じゃあ勝負するか?ついでやしなんか賭けようか?」 京太郎「賭けですか?」 洋榎「そうや、金以外なら何でもいいで?物でもいいし何か命令してもええ?負けたら何でも言うこと聞いたる」 京太郎「何でも・・・」ゴクリ 洋榎「おっ!今なんかエロいこと考えたやろ?なんや?脱衣麻雀でもするか?」 京太郎「そ、そんな!俺が勝ったらとんでもない事になっちゃうじゃないですかぁー」 洋榎「うちは負けるつもりで卓につくことはない・・・それより京太郎本気でうちに勝てる気でおるんか?」 洋榎「・・・ええやろ脱衣麻雀で勝負したる!さらに負けた方は勝者の言うことを聞く!やるで」 京太郎「ええぇ~」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 霞「手伝ってくれてありがとう、京太郎君」 京太郎「神社って色々大変なんですね……」フゥ 霞「まあ行事の時はそうね。普段もそれなりにすることはあるけれど」 霞「休みましょうか。夜食にお蕎麦でもどう?」 京太郎「はい、ありがたくいただきます」 初美(霞ちゃん、大人の女性っぽい余裕を醸し出してますねー。ここははっちゃんの出番ですよー) 初美「……」ソローリソローリ 霞「姫様とも仲良くしてくれてありがとうね」 京太郎「いえ、そんな……ん? あれは」 初美「シィーッ」 霞「? どうしたの?」 京太郎「いえ、その……」 初美「隙あり! 袴取ったり、ですよー! 」バッ 霞「えっ、きゃぁあーっ!!」ヒラー 京太郎「なああっ!?」 霞「ちょ、ちょっとはっちゃん!」シャガミ 京太郎「ま、まる、みえ……」 初美「うっかりすべっちゃいましたよー」 霞「絶対嘘でしょ、もう!」 京太郎「か、霞さん、とりあえず俺のコートで隠して……」ササッ 霞「あ、ありがと……」 初美「良かったですね、霞ちゃーん」タタッ 霞「もう……」 京太郎「霞さん、これ袴。どこかで着て……」 霞「そ、そうね……」 京太郎「霞さん……」 霞「な、何?」 京太郎「確かにその色なら、袴に擬態して」 霞「もう忘れて!!」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「あー、あっちぃー」 京太郎(なんでこんな炎天下で買い出しとか行かせるんだよ部長のバカー) 京太郎(どっかで休みたいなぁ……あ、あんなところにベンチ) 京太郎(……と汗だくの女の人だ) 京太郎(日陰になってるベンチに横になって……いいなぁ) えり(暑い……) えり(例年よりも暑い夏って何年言い続けてるんでしょうかこの街は) えり(日陰が気持ちいい……って早く会場に戻らないと休憩が終わってしまう!)ガバッ 京太郎「あっ」 えり「へっ」 えり「君……一体何を……」 京太郎「べ、別に怪しい者ではないですよ!金髪ですけどこれ地毛です!」 京太郎「ゴミを拾うふりをしてお姉さんのパンツを見ようなんてこれっぽっちも微塵も全然全く思ってませんから!」 えり「好きな色は?」 京太郎「水色が好きになりました!」 京太郎「……はっ!」 京太郎「通報はしないでくださいご勘弁ください!俺が連行されると咲たちの夢が壊れてしまうんですお願いします!」 京太郎「つい!ついふと魔が差したんです!」 えり「そんなに謝らなくてもいいですよ」 えり「今回はこんなところで寝ていた私も悪かったですし、同じ金髪が地毛で悪いようにみられてしまう者同士ということで」 京太郎「ぁぁぁありがとうございます!」 えり「その代わり、私のパンツを見た罰としてペットボトル一本を請求します」 京太郎「そのくらいお安い御用であります!今すぐ買って参ることも可能ですがいかがいたしましょう!」 えり「どうしてそんなに堅い言葉を……君は清澄高校の生徒ですよね?」 京太郎「えっ、どうしてそんなことを知っているんですか?」 えり「男子部員含めて6名の急造チーム、清澄高校」 えり「内訳は三年女子部員1、二年女子部員2、一年女子部員3、一年男子部員1」 えり「Bブロックの試合が開始される直前で一年生の男子部員が買い出しに行かされる部活環境」 えり「このことから、清澄高校の唯一の男子部員かな……と」 えり「近隣で麻雀以外の競技大会が行われていることもなかったのでそれも加味しました」 京太郎「……なるほど、そんな情報まで知ってるってことはお姉さんは大会の関係者とかでいらっしゃったりいらっしゃらなかったり?」 えり「針生えり、職業はアナウンサーです」 京太郎「え……あ……一昨日くらいに夜の報道番組で見たような……すみません、わからなかったです」 えり「いえ、気にしてないですよ」 京太郎「俺は須賀京太郎です、須賀はお茶っぽいやつで京太郎は西村です」 えり「何となくわかるような……わからないような」 えり「とにかく、自己紹介も終わったところで、早く会場へ向かいましょうか」 えり「エスコートお願いしますね、須賀君」ニコッ 京太郎「は……はいっ!」 カン! >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 照「……」ピラッ 京太郎「……」 照「どう、パンチラ? 嬉しい?」 京太郎「うーん、嬉しいか嬉しくないかで言えば、どう反応していいか分からない、です」 照「嬉し過ぎて?」 京太郎「Noです」 照「どうして? 淡はこれで喜ぶと言ってたのに」 京太郎「あんな子の言うことを信じるんじゃありません。あのですね、3つ、問題点があります」 京太郎「まず、恥じらいがありません。露出狂が現れて、喜ぶ人がどこにいますか?」 照「でも瑞原プロが水着姿で現れたら?」 京太郎「それはもうさいこ……ってそれはともかく!」 京太郎「次に、下着は見慣れてます」 照「京ちゃん、いつの間にそんな性豪に……」 京太郎「照さん、あなたの下着ですよ。まあ下宿してる身ですから、何でもしますけどね」 京太郎「それにしてももう見慣れ過ぎて、今の照さんの下着のサイズ、メーカー、洗い方も暗唱できるレベルです」 照「……京ちゃんのえっち」 京太郎「違いますよ!? 違いますからね!」 京太郎「えー、それと最後になりますが……」 照「やっぱり♭な私じゃ……」 京太郎「違いますよ。……そんなことしなくても、もう好きですから。余計だってことです」 照「ほんとに?」 京太郎「本当です! だから、もうそんな風にピラピラめくったりしないで下さいね」 照「うん、分かった。その代わり」 京太郎「その代わり?」 照「家に帰ったら、京ちゃんにめくらせてあげるね」ニコッ 京太郎「……えっ」プシュー カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「パンテラって良いよな」ボソッ 咲和タコま久「「「「「!!」」」」」ピクッ 咲和タコまこ久「「「「「包茎! 包茎! 包茎! 包茎の人~!!! 」」」」」 京太郎「!?」 京太郎「ほ、ほ、ほ、ほ、包茎ちゃうわ!しかも皆パンテラファンかよ!」 カンっ! >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「パンチラってさ、良いよな」 咲「京ちゃん、今日はどうしたの? お薬飲む? 私持ってるよ」 京太郎「別に病気じゃないけど」 咲「はいこれ」スッ 京太郎「でも、ありがとう」 京太郎「……」 京太郎「咲、これ抗鬱剤って書いてあるけど」 咲「うん。京ちゃんの為にいつも持ち歩いてるんだ」 京太郎「なるほど」 京太郎「咲は将来良い嫁さんになるな」 咲「えへへ、そうかな///」テレテレ 京太郎「で、パンチラの話なんだけど」 咲「あ、やっぱりそこに帰結するんだ」 京太郎「こう、翻ったスカートの隙間から僅かに垣間見えるその奥は如何に?」 京太郎「清楚な白? 大胆な黒? パンチラ。ああ、なんと甘美な響き」 咲「そっか……じゃあ」ゴソゴソ 咲「恥ずかしいけど、京ちゃんが喜ぶなら見せてあげてもいいよ?///」スルスル 京太郎「」 京太郎「はっ!? あ、こら。スカートをたくし上げようとするんじゃない!」 京太郎「咲、咲おい! いいから、そんなことしなくていいから」 咲「もう! 見たいって言ったりいいって言ったりどっちなの!?」 咲「私はどうすればいいの? どうすることが正解なの?」プンプン 京太郎「え? ご、ごめんなさい……」 京太郎「なんで俺が謝ってるんだ?」 京太郎「違うんだ。そうじゃないんだ」 京太郎「確かにパンツが見たいけど、でもそんな安易に見えちゃダメと言うか……」 咲「見たいけど見えちゃダメなの? それっておかしくない? 語義矛盾だと思うけど」 京太郎「う~ん、なんて言えばいいんだろうな?」 京太郎「実は今だから言うけど、お前、前よく川の土手のとことかでよく本読んでただろ」 咲「うん」 京太郎「あん時とかたまにチラチラ見えてたんだよ」 咲「ええっ!? まさか京ちゃん見てたの?」 京太郎「御恥ずかしながら」 咲「き、京ちゃんのえっち…………///」 京太郎(かわいい)ホッコリ 咲「もしかして他の人とかにも……」 京太郎「いや、誰か来そうになったら俺がすかさず学食に誘ってたから俺の知る限りでは他人には見られてないと思う」 京太郎「咲のパンツを外のヤローなんかに見せてなんてやれねぇからな」 咲「そうなんだ。ありがとう京ちゃん♪」 京太郎「任しといて」 京太郎「だが、ある時を境に咲のパンチラを見れなくなってしまったんだよ」 咲「そうなの?」 京太郎「それはインターハイの開会式と抽選会の日。咲は染谷先輩の丈の長いスカートをはいていた」 咲「え、もしかして似合ってなかった……?」 京太郎「いや、ぜんぜん」 京太郎「むしろバッチ来いだったけど」 咲「そっか///」 京太郎「しかしその日以降、咲のパンチラを拝むことは出来なくなってしまった……」 京太郎「その抑圧された感情が……」 京太郎「……」 京太郎「なぁ咲、もしかしてお前」 咲「なぁに?」 京太郎「俺のこと嫌いか?」 咲「そんなことないよ? 大好きだよ」 京太郎「そうか。俺も咲が大好きだ」 京太郎「と、言うわけで」 京太郎「パンツ見せてください」平身低頭覇! 咲「もう! しょうがないなぁ京ちゃんは///」 カン! >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「ハオさんの家って豪華ですね」 ハオ「父が幹部だから」 京太郎「あれ、この部屋は……」 ハオ「っ!?」バタン 京太郎「あの、今白と黒の生き物が何頭も……チラリと……」 ハオ「……京太郎君、生きて帰りたいよね?」 京太郎「あっ、はい」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「……」 衣「ほう、ネリイはグルジヤから来たのか!」ヒラリ ネリー「うん、そうだよ」ズリッ 一「グルジアって……何処だったっけ」ピラピラ 初美「ヨーロッパの東側だったような気がしますー」ポロッ 京太郎「あの……暖房、少し気温下げません?」 一「ん、暑かった? でも今日特別寒いからね」 京太郎「皆さんあれですよね、軽装ですよね」 初美「鹿児島は温かいので、薄着でも平気なのですよー」 京太郎「もう少し厚着した方がね、色々とよろしいんじゃないかと」 衣「ハギヨシと同じことを言うのだな、キョータロー」 ネリー「私のこれは、民俗衣装だから」 京太郎(着方だよ、問題は!!) カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 尭深「…今日は売り子よろしくお願いします」 京太郎「おう、任しといてくれ」 尭深「あ…くれぐれも本の中は見ない様に」 京太郎「え?あー…何か知らんけどそう言うなら見ない様にするわ」 尭深(流石にハギ×京本作ってるとは言えない…) 京太郎(これ何か誰かに似てる気がするんだけどなー) 京太郎(しかし…) 尭深「どうぞ見ていってください」 京太郎(改めて見ると尭深って良い体してるよなー) 尭深「ありがとうございました」ペコッ ピラッ 京太郎「うぉっ!?」 尭深「?どうかしました?」 京太郎「い、いや…何でもない」 尭深「あ、京太郎さん、本の在庫ダンボールから出してください」 京太郎「お、おう」ゴソゴソ 京太郎(今確実に見えたよな…)チラッ 尭深「……」ピラッ 京太郎「うぉっ!!」 尭深「?何か…」 京太郎「いや、何でもない、何でもないぞ」 京太郎(ヤバい、スカートが短いからしゃがんだらモロ見えじゃないか…) 尭深「~~」 京太郎「……」チラッ 尭深「~~」 京太郎「……」チラッチラッ 尭深「……あの」 京太郎「ふぁい!?」ビクッ 尭深「気付いてますからね?」 京太郎「な、何の事だかさっぱり…」 尭深「……」ジトー 尭深(まったく…この人は…)ハァ 尭深「…帰ってからならいくらでもしてあげますから」ヒソッ 京太郎「!!」 尭深「…だから今は真面目にお願いします」 京太郎「お、おう!」 京太郎(ふ、不覚にも勃っちまった…) 京太郎(これどうしよう…)ビンビン カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「だから、恥じらいが無ければいけないんだ」 淡「そうなの? 同じじゃない?」 京太郎「違う! 例えば清楚な尭深さんなら、きっとパンチラで顔を赤らめるはず、その恥ずかしがり方こそ至宝なんだ!」 淡「恥ずかしがるとも限らないけどね。意外と自分から見せてきたりして」 京太郎「そんなことはないだろ、尭深さんならきっと恥ずかしがってくれるはず」ウンウン 淡「じゃあ逆に恥ずかしがらない人は……」 京太郎「照さんとか菫さんじゃないか? あの人達いつもクールだし」 淡「うーん、それじゃ試してみよっか」 京太郎「えっ」 菫「ん? 二人だけか」ガラガラ 淡「菫せんぱーい♪」ダッ 京太郎「ちょ、ちょっと淡……!」 菫「ん?」 淡「えいっ!」ガバァッ 菫「んなっ!?」ピラァ 京太郎「」 菫「あ、あわ、あわ淡、何するんだ! ちょっ、離せ、離してくれぇ!」ジタバタ 淡「あれっ、菫先輩普通の下着ですね。菫だけにバイオレットとかじゃ」 京太郎(下着。それは白の下着だった。部長の潔白さ、純潔を証明するかのような) 京太郎(スカートは茶巾とまではいかないが、へそを露出するほどにはまくられていた) 京太郎(部長の白い脚と、柔らかくそれでいて引き締まったお腹が露わになっている) 京太郎(部長は必死に抵抗していた。だがこういう時の淡を止められる者は―――) 菫「あわっ、あわ、京太郎! こいつを離せ! 京太郎!」 京太郎「……はっ! はいぃ!! ただ今!」ダッ 淡「あわわっ、今離すから!」バッ 菫「……ハァ」ドサッ 京太郎「ぶ、部長、大丈夫ですか?」 菫「……京太郎、見た?」プルプル 京太郎「あっ、いえあの……はい」 淡「ちょ、ちょっとやりすぎちゃったかな?」 菫「うぅぅ……見られ、ちゃった……」グスッ 京淡「!?」 京太郎「ごめんなさい部長! 俺頑張って記憶無くしますから!」 淡「す、菫先輩ごめんなさい! ほら、元気出して!」ヨシヨーシ 菫「……ううぅ」 亦野「なんかエラいことになってる……」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「……どうしたものやら」 灼「京太郎、頭抱えてどうしたの?」 京太郎「あ、部長、いやちょっと悩み事がありまして」 灼「悩み事? 最近玄が男の胸筋にも目覚めて京太郎の胸をよく見てるけどそれ?」 京太郎「……今知ったことで玄さんも悩みの種になりましたけど、さっきまで悩んでたのは穏乃のことです」 灼「ああ、そういえば最近穏乃が九九を七の段から言えないって判明したね」 京太郎「……すみません、このまま会話を続けると知らなければよかった事実が増えて行きそうなんで推測を言わないでくれませんか?」 灼「ん、わかった」 京太郎「ありがとうございます。それで話を続けますけど、穏乃ってジャージの上しか着てないじゃないですか」 灼「たまに普通の格好もするけど殆どそうだね」 京太郎「そのせいで色々と、その、見えてはいけないものが見えるんですよ」 京太郎「この前の休日一緒に山を登った時なんかは木を飛び移ってたんで完全に丸見えで」 京太郎「目のやり場に困ってずっと下向いてたら崖から落ちそうになっちゃいまして」 京太郎「せめてパンツくらいは穿いて欲しいんですけど、ってどうしたんですか部長、いきなり不機嫌そうな顔になって」 灼「……なんでもない、京太郎が穏乃とデートに行ったことなんてどうでもいいし」 京太郎「別にデートじゃないですよ、一緒に遊んだだけで」 京太郎「それで最近穏乃と居るのがちょっと気不味くてですね、どうにかしたいなー、と」 灼「なら、私にいい考えがある」 京太郎「本当ですか! 良かったー今週末は穏乃と、ってなんでいきなり脱いでるんです部長!?」 灼「要は、京太郎が女の子の裸に慣れればいいんだよね」 京太郎「いや、その解決方法は絶対に間違って、んぐっ」 灼「……ぷはっ、大丈夫だよ京太郎、もう穏乃のことなんて視界にも入らないようにしてあげる」 この後京太郎を盗られてガン曇りする穏乃が見られますが無害です >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 一「えっ?トモキーのパンツみたいの?」 京太郎「お願いします!」 一「驚くと思うよ?ほら」ピラッ 智紀「・・・。」 京太郎「こっ!これは!!オムツ!?」 智紀「廃人はshortsなど履かぬッ!!」 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「至高のパンチラとは……」ブツブツ 咲「きょーうちゃんっ」ポンッ 京太郎「ん? 何だ咲か」 咲「京ちゃんってば、またそんな変なこと考えてるの?」 京太郎「変じゃない、男の浪漫だよ」 咲「そんなことばっか言ってるから、京ちゃんモテないんだよ」 京太郎「……痛いところ突いてくるじゃないか、咲の癖に」 咲「……黙ってればイケメンなのに」 京太郎「イケメン? 俺が?」 咲「どっちかって言うとね。どっちかって言うと」 京太郎「俺がイケメンねえ」 咲「だからもっと言動をそれらしく……」 京太郎「咲」キリッ 咲「な、何?」 京太郎「パンツ、見せてくれ」イケメンスマイル 咲「バカじゃないの!」バシンッ 京太郎「いてえ!?」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「おおっ、美幸先輩着物ですか」 美幸「そうだよ。どう?」 京太郎「似合ってますよ。うんうん」 美幸「嬉しいかもー」 友香「私も着付け手伝ったんでー」 京太郎「へえ、友香が。……それって、大丈夫なんですか?」 美幸「大丈夫だよ。色々上達したんだよ、友香ちゃんもー。ほら、この通り」ピョンピョン 美幸「……って、あれ?」ズルッ 京太郎「ちょっ、先輩! 帯が、裾が!」 美幸「いやあっ!! やだこれもー!」ズルズル 友香「すみませんでー!」 京太郎(下着も和風で……よろしゅうございました) 美幸「うう……京太郎君見た? 見たよね?」 京太郎「……正直にもーせば、見ました」 美幸「こんなはずじゃなかったのにもー……」 京太郎「いや、でも、下着も似合ってましたし……って俺は何を!」 美幸「ほ、ほんと?」 京太郎「本当です!」 美幸「それなら、もー少し見せてあげてもいいかもー」 京太郎「え、それって……」 友香「めでたしめでたしでー」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 穏乃「京太郎~」ドタバタ 玄「京太郎く~ん」ジタバタ 京太郎「部室で走り回るなって穏乃。玄さんも年長者なんだから落ち着いてください」 穏乃・玄「「は~い」」 憧「ハルエより先生っぽいわね」ジャラジャラ 灼「先生って言うより…お兄ちゃん?」ジャラジャラ 宥「ふふ…あったかいね~」ジャラジャラ 晴絵「………………」ジャラジャラ 帰宅 京太郎「ただいまーっと。それじゃあ夕飯出来るまでテレビでも見て待っててくださいね」 晴絵「………ねぇ、京太郎」 京太郎「ん、なんですか晴絵さん?」カチャカチャ 晴絵「今日さ…玄たちがはしゃいでたよね?」 京太郎「そうですね、麻雀でずっと座ってるから体動かしたくなる気持ちも分かりますけど部室では勘弁して欲しいですよね」アハハ 晴絵「うん、それでさ………その時に京太郎、玄のスカートの中見てたっしょ?」 京太郎「ぶふっ!?な、なんで・・・」クルッ 晴絵「憧たちは気付いてなかったけど私からは見える位置だったからね」 京太郎「そ、それは…」 晴絵「別に怒る気はないよ。でもさ、そんなに玄の下着が見たかった?」ジー 京太郎「い、いえ、別に玄さんのが見たいとかじゃなく、そこにおもちや下着があるなら見るのが男の本能と言うか…」 京太郎「あ、だからと言って別に玄さんに魅力がないってわけじゃなく…」アセアセ 晴絵「なるほどね…」フーン 京太郎「えっと…晴絵さん?」 晴絵「ああ、だから怒ってないよ。たださ…それって私でも?」 京太郎「え…?そ、そりゃ勿論ですよ」 晴絵「そっか………よし!それじゃあ見るがいいさ!」ヌギバサッ 京太郎「おお!………って、ズボン脱いだパンモロはちっがーーーーーーーーーーーーーーう!!!!!!!!!!!!」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「急に呼び出してどうしたんです?年始ぐらいゆっくりしたかったんですけど…」 揺杏「ごめんってばー、いいもんみせてあげるからさー」 京太郎「はぁ…で、いったい何なんです?」 揺杏「まーあわてなさんなって…いやー君は幸運だよ、うん」 揺杏「なんせこの岩館さんフル監修のパーフェクトユキが見れるんだからね!」ドヤッ 京太郎「なにそれ詳しく」ガタッ 揺杏「お、乗り気だね少年?もう少し微調整があるから…まー大体五分くらいかかるけどさ、期待しててよね!」バタンッ 京太郎「新年由暉子かー…」 京太郎(振袖…いや一応ここミッション系っぽいしそれはないか…) 京太郎(いやいやでも…はっまさかエロい修道服とか!?あ゛あ゛あ゛気になるぅぅ!!)モンモンモンモン …五分後 オーイジュンビデキタヨーカクゴハイーカイ? ムシロカクゴヲキメルベキナノハコチラナノデハ? コマケーコトキニシナイノ 京太郎「来たか…!」ガタッ 京太郎「んんっ…どうぞお入りください」 揺杏「おっ、いい声だねぇ…じゃあ、お披露目たーいむ!」ガチャッ 由暉子「…どうも」(最新刊裏表紙はやりスタイル) 京太郎「これは…!」 京太郎(新年に着るような振袖やらはたまた修道服を期待していた分肩透かしな部分があることも否めない) 京太郎(しかし!この服もなかなかどうして…!) 京太郎(おっぱいを強調、そしてパンツが見えそうで見えない申し訳程度のぎりぎりのライン…!) 京太郎「揺杏さん、揺杏さんちょっと」クイクイ 揺杏「ん、なんだね?ちょっとごめんねユキ」トテトテトテ 由暉子「えぇ、構いませんが…」 …… 京太郎「これは…これはけしからんですよマジに!」ヒソヒソ 揺杏「まあねー。はやりんがあれを着たとなればユキも着るべきだと思ったんだよ。なんせ打倒はやりだし!」 京太郎「はやりさんもあれを…何と言いますか、熱くなっちゃいますね…」 揺杏「股間が?」 京太郎「下ネタかっ!」 揺杏「えー、違うのー?」 京太郎「そりゃ違っ…わなくはなくもないですけどもだ!揺杏さんがそれを言ってはいけませんよ!」 揺杏「まぁいいさ、とりあえず君は『エロ可愛い』ってことでいいんだね?」 京太郎「くれぐれもそれ直接伝えないでくださいよ?せめてすごく似合ってるぐらいまで濁してくれると…」 揺杏「おっけーおっけー…ユキー!京太郎がめちゃくちゃエロ可愛いってさー!」 京太郎「アイエエエエ!?」 由暉子「可愛い、ですか…そう言われるとこの服を着た甲斐がありましたね…」モジモジ 京太郎「なにこの子めちゃくちゃ可愛いんだけど」 揺杏「実はこれだけじゃないんだぜ…?ユキ、その場でターン!」 由暉子「はぁ…わかりました」クルン ピラッ 京太郎「パン…チラ…!?」 由暉子「…!」バッ 京太郎「あっやべっ、声に!?」 揺杏「うん、まーそんな短いの着てたらそりゃあ見えるよねー」ウンウン 由暉子「…揺杏さん、まさか…」 揺杏「知っててやらせたに決まってんだろ!いいパンチラだったぜ!」グッ 由暉子「…」ゴゴゴゴ 揺杏「あ、やべ。逃げろー!」ダダダダ 由暉子「ふ、ふふふ…」スタスタ 京太郎(い、今のうちに…)コソコソ「京太郎くん」「ハヒィ!?」 由暉子「後で…お話ししましょうね?」ニッコリ 京太郎「アイエエエエ…」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 清澄高校 旧校舎 廊下 京太郎「お前もさ、スカートを買い換えたらいいじゃねえか? 部長たちくらいの長さならパンチラもなくなるだろ」 咲「なんで京ちゃんの目を気にしてスカートを買い換えなきゃならないの…」 京太郎「お前がパンチラを気にしないなら別にいいんだけどさ」 咲「気にするよ!すっごく気にするよ!」 京太郎「だったらロングにすりゃいいじゃん。前から思ってたけど、咲にはロングの方が似合うって」 咲「ええー、じゃあどうしようかなぁ。うーん、迷っちゃうなぁ…」 京太郎「……なんか嬉しそうだな、お前」 咲「ぜんぜん嬉しくなんかないよ!何を言ってるのかな!」 咲「……あっ、そうだ」 京太郎「?」 咲「ごめん京ちゃん、先行っててくれる?私、頼まれごとがあったの忘れてた」 京太郎「そっか、じゃあ先に部室行ってるわ」 咲「ごめんねー、すぐ行くから」 咲「~♪」 京太郎「やっぱり嬉しそうだな……スキップしてるし」 ガチャッ 京太郎「こんにちはー」 京太郎「って、誰もいない。少し待つとするか」 京太郎「おっ、ちょうど優希から連絡が……優希と和も遅くなる、か」 京太郎「こうして一人だと、この部室もだいぶ広く感じるなー」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「天気も穏やかだ」 京太郎「ふぅ、こうゆったりとした時間になると、眠くなってくるな」 京太郎「へへへ、たまには俺もベッドとか使わせてもらえたらいいんだけどな」 京太郎「……ちょっとくらい横になるのもアリだよな」 京太郎「じゃあ失礼して」 久「……」クゥ~w 京太郎「……」 京太郎「まったく、この人も本当に自由だよな、生徒会長なのに」 久「学生議会長よぉ…」 京太郎「うわっ、起きてた」 久「うぅーん、ムニャムニャ…」 京太郎「寝言か……。ベタすぎる気もするけど」 京太郎「そういや部長もロングスカートが似合うよな。大人の女っぽい感じが様になってるし」 久「……zZZ」 京太郎「なんとなく部長の寝顔を見てると自然とにやけてきちゃうな」 京太郎「一緒に狭いところに入りたくなるというか」 久「……zZZ」 京太郎「……喋ってたら起こしちゃうな」 京太郎「さて、じゃあ俺はお茶でも…」 久「んっ……」クルンッ 京太郎「あっ、ふとん蹴飛ばさないでくださ…」 京太郎「!!」 久「……zZZ」 京太郎「おぉ……」 京太郎(今まではふとんで隠れて見えなかったけど) 京太郎(部長のロングスカートが普通じゃありえないほど、めくれあがって) 京太郎(太もものあたりまで丸見えじゃないか!) 京太郎(普段は足を露出させないからこそ) 京太郎(すげえそそる!) 久「んんっ…」 京太郎(しかもシチュエーションがレアだ) 京太郎(あの部長が寝息を立てている) 京太郎(綺麗な片足だけをむき出しにしてるのもまたいい) 京太郎(これはひょっとして…) 京太郎(すごくおいしい状況にいるのでは!) 京太郎「いや、だめだ」 京太郎(いくらパンチラを愛する俺でも) 京太郎(いくら部長のパンチラが拝めるといっても) 京太郎(これ以上先に踏み込んだらダメだ) 京太郎(ここは涙を呑んで、ふとんをかけ直してやるのが正義) 久「……」クルッ 京太郎(あっ!) 京太郎(寝転がった拍子にまたスカートが…) 京太郎「あと少し、あと少しなんだ……!」 京太郎「もう足の付け根辺りまで見えている」 京太郎「ここで俺が少しでも部長のスカートに手をかけたら…」 京太郎「いやっ、でも待て! それはパンチラとは言えないだろ!」 京太郎「なんていうか、それは、恣意的で、作為的で、介入行為は、パンチラの定義に当てはまらないっていう感じで…」 京太郎「やっぱり俺は…!」 久「……んっ」ゴロッ 京太郎「……!!」 京太郎(また寝転がった) 京太郎(仰向けで無防備な体勢) 京太郎(これは……) 京太郎(……) 京太郎(……) 京太郎(……) 京太郎「小指だ…」 京太郎「俺は寝入っている部長のスカートを戻してあげようとした」 京太郎「しかし偶然にも小指がスカートの端にひっかかってしまった」 京太郎「めくりあがるスカートを戻そうとしたが、目に焼き付いた光景は消えずに留まる」 京太郎「実に不運な出来事だった」 京太郎「……」 京太郎「よし!」 京太郎「通らばリーチだ!」ガバッ 咲「通るわけないでしょ!」ドンッ 京太郎「ぐえっ!」 咲「何をやってるのっ、京ちゃん!」 京太郎「いやだから、部長のスカートを戻そうとして…」 咲「そんなの嘘に決まってるでしょ!さっきからずっと声に出てたよ!」 京太郎「えっ!マジかよ…」 咲「人がせっかくいい気分でやって来たっていうのに…なんでそれを台無しにしようとするかな!」 京太郎「やっぱりお前嬉しかったんじゃ…」 咲「うるさいよ!ほら早く来てよ!」グイッ 京太郎「おい、どこに連れて行く気だよ!」 咲「いいから黙ってついてきて!」 バタンッ アッ サキチャン キイテクレ ノドチャンガワザトパンチラーヲー シテマセン フカコウリョクデス! 久「……」 久「……」 久「…………///」 久「~~~~!!!」バタバタバタ まこ「で、どのあたりから起きとったんじゃ?」 久「どこにいたのよ!?」ガバッ カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎(み、見てしまった…憧のパンツを…) 俺、須賀京太郎は国内留学で奈良吉野の山奥にある阿智賀にやってきた。 通う学校は阿智賀女子学院。そう、女子高だ。 まさか男の俺が女子高に通える日が来るなんて夢にも思っていなかったぜ。 憧「おっ、京太郎じゃん。一緒に帰ろうよ」 京太郎「おぉ、憧か。別にかまわないけど…」 この娘は新子憧。同じ阿智賀女子学院に通っている俺と同じ1年生だ。 見た目は小悪魔的なのだが、かなり知的で、県内偏差値トップクラスの高校も狙えたほどらしい。 実は麻雀部で、たまにだが相手をしてもらっている。 京太郎「ぜーはーぜーはー、それにしても、ここの坂道は辛いなぁ」 憧「あははは…だらしないなぁ。あたしにとっちゃこんな坂、全然たいしたことないよ~。てか、長野もけっこう坂あるんじゃないの?」 京太郎「同じ内陸部だからって、長野を田舎だと馬鹿にするなよ。まぁ、否定は出来ないんだが…」 阿智賀の坂道は急ではないが長く続いていて、普段から運動をしていない俺にとっては過酷な道であった。 汗だくの俺とは違って、憧は汗1つかかず俺の前を進んで行く。なんという体力だ。 京太郎(はぁはぁ、憧のやつすげぇな。息切れもしてないとは。こんな道毎日歩いてるんだから、相当足を鍛えられているんだろうな) 京太郎(でも見るからにそこまで筋肉質な足じゃないんだよな~。すらりとして綺麗で、太股はいい感じにぷっくらしてるし…) 京太郎(にしてもやっぱスカート短いなぁ。普段から短いけど、坂道だとなおさらだな。あれじゃ中が見え―――――っ!!!) その時、俺に電流が走った。 一瞬だった… 憧が調子良く坂道を歩いている最中、彼女のスカートがなびき、すらりと伸びる2本の両太股の間に"白いモノ"がチラッと見えたのだ。 京太郎(おい、さっきのって…パ、パンツじゃね?まじかよ、へへへ、ラ、ラッキ~~~☆) 憧「ん…どうしたの~京太郎?」 京太郎「えっ、あっ、いやっ、なんでもないよ。ハハハハ……はは…」 憧「?」 京太郎(憧のやつ全く気付いてないな。上手くいったらまだまだ憧のパンツを見れるんじゃないだろうか?) 京太郎( 都合よく坂道まだ続くし。よし、これは狙ってみる価値があるぜっ!) この時、さっきまでヘトヘトだった俺の体だったが不思議なことに異様な回復を果たし、 あれほど苦であった坂道がどうにも感じなくなっていた。 恐るべしパンチラパワーというべきなのだろうか。 憧は何事もなかったの様に再び坂道を昇りだした。それに連れて憧の後を追う俺。 憧がこちらを向かないよう、当たり障りのない会話を心掛けつつ、何度も姿勢を低くしスカートの中を覗いてみる。 その度に白い布切れがチラチラと姿を現した。 京太郎(間違いない、あれはパンツだ!素材からしてサテンだな…いわするテカパンってやつか~、憧らしいな) 京太郎(本人に気付かれずに見れるパンツ。まさにチラリズムの醍醐味だな~。ありがたや~、ありがたや~) 思わず憧に向かって手を拝む。 京太郎(そういや、直にテカパンを見たのは初めてだな。全体的にはどうなってるんだろうか?) 京太郎(……見たい。あぁ、見たい。憧のならなお更見たい!まだチャンスはあるっ!チャンスがあるなら高い点、狙ってみるかぁ!) 欲望と探求を胸に秘め、憧のパンツの全貌を解明すべく、俺は憧に向かって前進した。 全体的にパンツを見るためには、出来る限り近くでスカートの中を覗き込むしかない。しかも超低姿勢、這いつくばってだ。 勝負は一瞬で決めないとならないだろう。這いつくばってしまえば足音がなくなり、 憧に不審に思われ振り向かれてしまう確率が高いのだ。 京太郎(よしっ、いくぞっ!) 両頬をパンッと叩き、気を引き締めて憧に近づく。 憧「おっ、急に元気になったじゃ~ん」 京太郎「ま、まぁな」 憧「うむ、よろしいよろしい。ほれほれ、頑張れ~~~~」 さっきまでへたっていた俺に励ましの声を掛けてくれる憧。そんな優しい憧のスカートの中を、俺はこれから覗こうとしている。 彼女の心を踏みにじる最低な行為だ――――――だが、見たいのだ。パンツを・・・新子憧のパンツを。 坂道は尚も続く。 昇り始めた頃は5mほどあった憧との距離であったが、気付けばもうそこまで迫っていた。 そしてとうとう辿り着く!憧との距離、およそ50cm。 あとは覗くだけだ・・・這いつくばって、愚かに、情けなく、欲望をむき出しにし、上を見上げ、パンツを覗くのみ! 京太郎(やばい、心臓がドキドキする。手足も震えてきた・・・はぁはぁ。憧、ごめん。お前のパンツ、見せてくれ!) 憧の良い匂いが鼻をくすぐる中、俺はその場に這いつくばろうと、膝を曲げ、瞬時に姿勢を低くする! ―――――がっ!!! ・・・最悪の事態が起こった。 さっきまで何事もなく歩き続けていた憧が、俺の行動を見計ったかのようにピタッと立ち止まったのだ。 京太郎(っ!ヤバいっ!!!) 俺は後ろへと蛙が飛び跳ねるようにジャンプし、すぐさま体勢を立て直した。 明らかに不自然な行動。が、憧はこちらに振り向いてはいない。どうやら不審がられてはいないみたいだ。ふぅと胸をなでおろす。 京太郎「ど、どうしたの、憧?」 明後日の方向に目を向け、俺は恐る恐る憧に話しかけた。 憧「え?いや、あそにコンビニあるでしょ。何か甘いもの食べたいな~って」 京太郎「あ、ああ、そう。そうなんだ、ははは・・・」 京太郎(コ、コンビニかよ。助かった~) 憧「ん~、何食べよっかな~?」 そう言うと、憧はその場に立ちすくみ、悩みだした。 京太郎(くっそ~ビックリさせやがって~。寿命が縮んだぜ~・・・ん?立ち止まってる・・・ビックチャンスと~ら~い!) 京太郎(よ~し、憧、そのままずっと考えてろよ~。それ、今だっ!) 俺は再び憧の後ろに近づくと、彼女の足元で堂々と這いつくばり、そして彼女のスカートの中を見上げた。 京太郎(うおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!) 見上げた先・・・それは絶景。 ピンクのスカートの中、ぷっくらとしたすべすべしていそうな白い太股。その先にはプリッとした形のいい尻。 そして、その尻を包み込む白のサテンのパンツが俺の目に飛び込んできた。 京太郎(こ、これが憧のパンツ!はぁはぁ・・・) 俺はこの光景を脳裏に焼き付けるため、食い入るように憧のパンツを覗き続けた。 憧はというと、今の状況に全く気が付いていない様子だ。 京太郎(白のサテン地に・・・うおおっ、淵は黒のレース!ぶほぁっ、しかもサイドは黒のヒモじゃないかっ!) 京太郎(な、なんてエロい下着を穿いてるんだ、憧は!) 憧「京太郎、アイス買ってよ。バニラ」 京太郎「バ、バニラ?バニラ・・・白・・・あぁそうだね白はいいね。く、黒のレース、やべぇ~(ボソボソ)」 憧「え、黒?あぁ、チョコクッキーか~。いいね、チョコクッキー入りのバニラアイス。買ってくれる?」 京太郎「い、いいよ。チョコクッキー入りのバニラパンツ、いやバニラアイス。買ってあげる」 憧「やった~!」 俺は憧のパンツを存分に堪能し、何事もなくその場を立ち上がった。もちろん俺の股間も立ち上がっているわけだが・・・ 憧「へへ~、京太郎ありがとう」 チョコクッキー入りのバニラアイスを片手に満面の笑みで俺に感謝する憧に対し、俺も彼女にお礼を言った。 京太郎「いえいえ、こちらこそいいものありがとう」 憧「?」 こうして俺は見てしまったのだ、憧のパンツを。 その晩、京太郎は脳裏に焼き付けたあの光景をを再生し、オカズにしたことは言うまでもないだろう。 だがしかし、数日後、京太郎が憧のスカートの中を覗いていたことが町内で噂になったとか・・・ -カン- >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「怜さん、パンツ見せてくれませんか」 竜華「京ちゃんあんた何言い出すのん…ほら、ちゃんと怜も断らんと」「ええよー」「怜ーーーー!?」 怜「なんや竜華、うっさいなあ…なんかえーことあったん?」 竜華「いやえーこともなんも何言うてんのん!?」 怜「えー…別にパンツなんて…処女と違うていくらでもあるやん」 竜華「しょっ…!?…とーーきーー…!」 京太郎「ていうか今の流れってことはみせてくれるんですか!?やっ「ただし条件がある」たー…ってえ?」 怜「条件。これやらんと見せられへんで?」 京太郎「なる程…してその条件とは?」 怜「」チョイチョイ 京太郎「」トテトテトテ 怜『あんな?監督含めて千里山全員のパンツを見せてくれたら私のも見せたるで?』 京太郎『それなんて無理ゲーですか』 怜『ヘーキヘーキ、いけるって。うちも協力したるし』 京太郎『協力って…例えば?』 怜『そうやなぁ…ちょっと離れてみ?』 京太郎『はぁ…わかりました』 京太郎「」トテトテトテ 怜「おっ、そんくらいそんくらい。そんでこっち向いて」 京太郎「はい」クルッ 怜「とー」バサッ 竜華「ひゃあっ!?」ピラッ 京太郎「なんとぉー!?」 京太郎(黒の…レースパンツだと…!?大人しい竜華さんからは想像できないほどの大胆さ…だかそれがいい!)グッ 怜「」グッ 竜華「あ・ん・た・らー…!」ゴゴゴゴ 京太郎「これは…」 怜「せやな」コクリ 「「逃げろー」」ダバダバダバ 竜華「こらーー!!」 ……… 京太郎「いやー、竜華さんは強敵でしたね」 怜「ほんまやなぁ。まさか走ってすぐ転ぶ→パンツ見えるのコンボかましてくるとは…萌えはなんたるかをわかっとる」ウンウン 京太郎「しかもフィニッシュとして真っ赤になりながら『…見た?』でしたからね…あれは悶えざるを得ません」 怜「さて…お次は誰に行こうか」 京太郎「迷いますねぇ…」 カンッ? >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ??「あんた、いろんな女の子のパンツを見てまわってるんだって?」 京太郎「い、いえ…そんなことは…」 ??「見てないって言うのかい?」 京太郎「いえ、見てない訳じゃないんですが…」 トシ「だったら遠慮する事はないさ♪私のも見たいんだろ?」 京太郎「勘弁してください…」 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「漏れる漏れる!」ガチャ 京太郎(ん?先客か、あの人は…) 大沼「あー…」ガチャガチャ 京太郎(あれは確か…大沼プロ!ベルトを外そうとしてるのか…あっ!)スルスルスル…パサッ 京太郎「Oh…」 大沼「あー…」ジョボボボボ…ブンブン 大沼「ふぅ…お先に」ガチャ 京太郎「ちょっと!ズボンあげ忘れてますよ!!」 京太郎(まさか大沼プロが金のTバックを履いているとは…) >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 菫「な、なあ京太郎。お前に関して妙な噂を聞いたんだが……」 京太郎「げっ、菫先輩!」 菫「その様子を見ると、本当みたいだな」 京太郎「……先輩。俺は―――」 菫「大丈夫だ。た、確かに風紀の乱れを生じさせるかもしれないが、だからと言って止めさせるようなことはしない」 京太郎「菫先輩……ありがとうございます」 菫「そ、それでだな。早速……」 京太郎「うーん、そうですね」 京太郎(菫先輩にはどのようなパンチラが似合うだろうか……風に吹かれてか、後ろを向いてか、それとも……)カチャカチャ 京太郎「って何俺のベルトいじってんですか!?」ビクッ 菫「こ、この中に雀力の上がるせ、せ、精液があるんだろ……」ハァハァ 京太郎「何ですかそれ!? そんな訳ないじゃないですか!」ガビーン 菫「じゃ、雀力を上げるためだからな。は、恥ずかしいけど仕方ない……!」ズルッ 京太郎「マズいですよ先輩!!」 菫「暴れるな、暴れるなよ京太郎……すぐ済むから、すぐ済むから、な?」パクッ 京太郎「あひぃん」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 智紀「……」カタカタ 京太郎「……」ジー 智紀「……」カタカタカタカタ 京太郎「……」ジーッ 智紀「……」カタカタッターンッ 智紀「…つまらなくない?」 京太郎「いや、全然そんな事ないですよ」 智紀「…そう」カタカタ 京太郎(しかし…)ジー 智紀「……」カタカタ 京太郎(普段と違って部屋着ラフだよなー) 智紀「……」チラッ 京太郎(ただでさえスタイル良いのにこれは反則だよなー) 智紀「……」チラッ 京太郎(普通に見えそうだよなー…気にしてないのかなー)ジローッ 智紀「……///」 京太郎(角度変えたら見えないか?)ソーッ 智紀「……」 智紀「…見たい?」 京太郎「!?」ビクッ 京太郎「い、いやそんな」 智紀「…バレバレ」クスッ 京太郎「ゴメンナサイ」 智紀「…いいよ?」スルッ 京太郎「え?ちょ!?」 智紀「……」スルスル 京太郎「……」ゴクリ 京太郎(黒か…) 智紀「…どう?」 京太郎「い、いや、凄い良いですけどこんなんされるとヤバいと言うか我慢できなくなるというか」 智紀「……うん///」コクッ 京太郎「あ…」 京太郎「……いいん…ですよね?」 智紀「…これ…結構恥ずかしいから…///」 京太郎「…智紀」 智紀「あ…///」 …… 智紀「…とまぁ、初めてはそんな感じだった」 佳織「はわわわ///」 未春「沢村さん意外と大胆ですね…///」 まこ「アンタらもやるこたぁやっとるんじゃのぉ」 佳織「で、でもそれ失敗したら立ち直れないですよね!?」 まこ「魅力ないって言われる様なもんじゃからのぉ」 未春「よく思い切りましたよねー」 智紀「…恥ずかしかったけど」 智紀「…多分、女が本気で誘惑したら堕ちない人はいないと思う」 佳織「ほえー///」 未春「…チッ」 まこ「…チッ」 智紀「?」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「お待たせ、とよねえ」 豊音「ううん、全然待ってないよー」 京太郎「本当は?」 豊音「……三時間前から玄関で待ってたよー」 京太郎「いやいや待ちすぎですって。せめて温かくして待って下さいよ」 豊音「大丈夫! ストーブ玄関に持って来てたからー!」 京太郎「ええー、そこまで……。まあとりあえず、行きましょうか」 豊音「うんっ!」 ビュオオォ 京太郎「うっ、寒!」 豊音「あはは、京太郎くんには岩手の冬はちょっと……ちょー寒いよー」プルプル 京太郎「岩手育ちだからって、皮膚が厚くなる訳じゃないでしょうに。……いや、寒いほど体が大きくなるって説があったな」 豊音「それ、ちょっと失礼かもー」ムー 京太郎「ああ、いや、ごめんごめん」 豊音「ふーんだ」 京太郎「あーと、ほら、とよねえ! 手をつなぎましょう手を!」スッ 豊音「手?」 京太郎「そうすれば、少しは温かくなるかと……」 豊音「うん、つなごっ。それじゃ手袋外して」スルッ 京太郎「えっ、手袋? ……そう言えば、手袋したままじゃ手つないでも意味ないか」 豊音「ほらっ、京太郎くん!」 京太郎「はい、とよねえ」ギュッ 豊音「ここが神社かな?」 京太郎「年越しだから、こんな夜中なのに人がいますね」 豊音「桂明神?」 京太郎「はい。昔々飢えた少年達のいる村に、ご飯を散らしてあげたことから、飯散ら神として崇められたそうです」 豊音「へー」 京太郎「他にも矢吹神社、河下神社もあるんですが、ここが一番近かったので……」 豊音「京太郎くん、詳しいんだねー」 京太郎「何でもは知りませんよ、飯散らのことだけ……」 豊音「あっ、京太郎くん、お蕎麦! お蕎麦あるよ!」 京太郎「えっ、そば? 本当だ、あれ売ってるのかな」 豊音「食べよう、ねっ」グイグイ 京太郎「ちょっ、行くから、行くから引っ張らないで下さいって!」 豊音「お蕎麦ちっちゃかったねー」アハハ 京太郎「ただで配ってましたからね。それじゃ、お参りしましょうか」 ガランガラン パンッパンッ 豊音「……」ムー 京太郎(……とよねえは何を祈ってるんだろう。いや、とよねえのことだ。考えなくても分かる) 京太郎(ずっとみんなと一緒にいたい) 京太郎(そう願ってるんだろう。だが……そんな願いは叶わない、叶うはずもない。俺達はやがて、バラバラになってしまう) 京太郎(俺はとよねえのように優しくはなれない。だから俺はこう願った) 京太郎(とよねえと一緒にいられますように、と―――) 豊音「じゃあ帰ろうか、京太郎くん」 京太郎「とよねえ、とよねえは何を願いました?」 豊音「えー? 願い事は人に言うと叶わないんだよー?」 京太郎「あはは、そうでしたね」 豊音「うーん、でも……」 京太郎「どうしました?」 豊音「神様が叶えてくれなくても」ギュッ 京太郎「と、とよねえ、そんな体寄せて……」 豊音「私が自分で叶えてみせるから、大丈夫だよー」ギュギュッ カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「パンチラ……うっ、頭が」 咲「なあに、パンチラって?」 京太郎「いや、頭の中に突然浮かんできたんだ、パンチラって言葉が」 咲「変な京ちゃん」 京太郎「ん、咲、今日はズボンがやけに長いな」 咲「これ? うん、ズボン汚しちゃって。洗ってる間染谷先輩に借りてるんだ」 京太郎「へえ」 咲「どう、似合うかな?」 京太郎「あー、かわいいかわいい」 咲「もうっ、適当に答えないでよ!」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 憧「じゃあ今日はこれくらいにしとこっか」 京太郎「ふぃ~ありがとうございましたー」 憧「ございました~」 憧「京太郎もようやく初心者に毛が生えたね」 京太郎「えーまだそんなレベルかよー」 憧「ふふ、ローマは一日にして成らずってやつよ。みんな子どもころからやってるんだから」 京太郎「いまから追い付きたかったら人の何十倍も努力しろってことな、先は長ぇぜ」 憧「まぁまぁ、いくらでも付き合ってあげるからさ」 京太郎「今後とも宜しくお願いします憧先生」 憧「先生、先生か・・・チョットイイカモ」 京太郎「ん?おーい憧ー?どしたー?」 憧「ふぇ!?あ、ごめん、ちょっとトリップしてた」 京太郎「疲れたか?もうこんな時間だし」 憧「ん~ん、全然ヘーキだから。ごめんね」 憧「そーだ!こないだ部活のみんなと遊びに行ったときの写真があるんだー」 京太郎「あ、見たい見たい!」 憧「ちょっと待ってね、いまそっち送るから」 京太郎「おぉ来た来た。かわいいかわいい愛しの憧ちゃん最新画像を見せてもらいましょうかねーっと」 憧「な、なななに言ってんのよ!」 京太郎「照れてる憧ちゃんちょーかわいい」 憧「うっさい!バカ!変なコト言ってないでさっさと写真見なさいよ!」 京太郎「本心なんだけどなぁ、まぁいいや。どれどれっと」 京太郎「おぉ・・・!!これはなかなかのなかなかだな・・・」 憧「・・・・・・京太郎、いま玄か宥姉のこと見てるでしょ」 京太郎「い?なんでわかった?」 憧「・・・やらしい顔してる」ジトー 京太郎「oh・・・」 憧「サイテー」 京太郎「すみませんでしたー」フカブカー 憧「かわいいとか愛しいとか言っといてなによもう」ブツブツ 京太郎「おーい、あこーあいしてるーお前に夢中だー」 憧「ふんッ」 京太郎「悪かったよ。ごめんな、わりぃ、すまね・・・ん?」 京太郎「おい、憧」 憧「なによ」 京太郎「これ、誰かに見せたか?」 憧「京太郎が初めてだけど、なんなのよ?」 京太郎「写ってる」 憧「はぁ?なにが・・・」 京太郎「ばっちり写ってる・・・」 憧「だからなに・・・もしかして心霊写真、とか?」 京太郎「憧のパンツ」 憧「は?」 京太郎「淡いピンクの・・・・」 憧「はあああああああああああああああ!!????????????」 憧「ちょっと!なに!どれ!?何枚目よ!!??」 京太郎「6枚目の高鴨さんと二人で写ってるやつ」 憧「6枚目って・・・げ」 京太郎「な?見事に見えてるだろ?」 憧「き、京太郎これ」 京太郎「わかってるって」 憧「うん、お願いね?」 京太郎「ちゃんと保存しとくから!」 憧「ちがーーーーーーう!!」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「よいしょ、と」フゥ 由子「また雑用?」 京太郎「由子先輩。ええ、まあそんなところです」 由子「代行も人使い荒いのよー。手伝ってあげよか?」 京太郎「いいんですか? 助かります」 ガサゴソ 由子「~♪」 京太郎「由子先輩って優しいですよねー」 由子「え~? そんなことあらへんのよー」 京太郎「いや、そうですって。優しくて、穏やかで」 由子「おだてても何も出えへんのよー」 京太郎「いや、そういうつもりじゃなくて」 由子「京太郎くんはいっつも……って、うわわわ」バサバサッ 京太郎「あー、資料が……」スタッ 由子「あ、ありがと。手伝ってるはずやのに、余計な手間増やしちゃったのよー」パシパシ 京太郎「いえいえそんな……ん?」パシパシ 京太郎「あ、あの、由子先輩、その……」 由子「ん? どしたん?」 京太郎「そういう風にしゃがまれるとですね、その、スカートが……」 由子「へ? うわわっ、み、見んといてー!」パサッ 京太郎「見てません、見てませんよ!!」 由子「うー……」 京太郎「さ、さっさと拾いましょうか」 由子「……京太郎くん、いつもあんなの穿いてる訳じゃないのよー」 京太郎「だから、見てませんってば」 由子「代行の差し金なのよー」 京太郎「えっ、あれ代行の何ですか!? あんな穴空い」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「ふわぁ~、今日も疲れた~。明日も学校行かなきゃいけないのか~」 京太郎(ん?あそこにいるのは・・・玄先輩と宥先輩だ。2人とも両手にレジ袋・・・学校の帰りついでにスーパーに寄ったのかな?) 京太郎(結構重そうだな。よし、ここは俺が代わりにあのレジ袋を持って、2人にかっこいいところを見せるチャンスだな、へへっ!) 京太郎(あ、結構急な階段を上がり始めたぞ。あんなところでバランスを崩したら大変だ。急いで手伝わないと) 京太郎「おーい、せんぱ~い。玄せんぱ~い、宥せんぱ~い。あれ、聞こえないのかな?もう少し側に行かないとダメか」 京太郎(よし、階段の手前まで来たからら流石に聞こえるだろう) 京太郎「せんぱ~い、重そうですね~。よければこの僕がお持ち――――――っ!?」 京太郎(うおっ、玄先輩のミニスカートと黒のニーハイソックス、そしてその2つの間に存在する神秘的空間、絶対領域!) 京太郎(いや、そんなものよりも・・・ここからだとみ、見えそうだっ!玄先輩、その制服姿で階段は流石にヤバイですよ~。ごくり) 玄「お姉ちゃん、重そうだけど大丈夫?」 宥「大丈夫だよ玄ちゃん。これくらい平気。私はお姉ちゃんなんだから、しっかりしないとね!」 京太郎(うわ~、平気とか言ってるけど辛そうだぞ~。あぁ~、どうする?すぐに助けるか?) 京太郎(それともこのまま黙視して玄先輩のパンツを見るべきなのか~)オロオロ 京太郎(くそっ、何を迷ってるんだ!ここは2人のか弱い女の子を助けるべきだろ!) 京太郎(そうだよ、俺は漢だ。漢の中の漢、須賀京太郎だぁ!キリッ) 京太郎「先輩っ、その荷物、僕が―――ぼふぅおっ!!!」 京太郎(あ、あああ・・・し、白・・・あ、あぅ・・・ムチムチのお尻に・・・く、食い込んで・・・)鼻血ブー 京太郎(お、落ち着け俺。わざと見たわけじゃないんだ。もう見えてしまったんだ、仕方がないんだ!) 京太郎(く、玄先輩の純白パンツ・・・ごくり。お尻に食い込んで割れ目がはっきりとわかるじゃないか) 京太郎(はぁはぁ・・・階段を1段1段上るにつれてパンツがよじれてっ!)鼻血再ブー 京太郎(だ、ダメだ!このまま見続けると玄先輩に失礼だ。見ちゃだめだ、見ちゃだめだ!でも・・・見てしまうんだぁ~~~!)ニヤ~ 宥「京太郎・・・君?」 ビクッ 京太郎(あぁっ、宥先輩に気付かれた!) 京太郎「こ、こんにちは。先輩、荷物重そうですね」 玄「あわわ・・・京太郎君、こんにちはなのです」 京太郎「・・・・・・・・・」 玄&宥「?」 京太郎(―――玄先輩・・・両手塞がったままでこっちに向いちゃダメですよ) 京太郎(無防備すぎて・・・前からパンツが・・・丸見えです。フロント部分が、クロッチが・・・反則っす!)鼻血再々ブー バタンッ 宥「きゃっ、京太郎君!?」 玄「え?京太郎君、大丈夫?大丈夫ですかっ?」 須賀京太郎、大量出血。が、松実姉妹の迅速な救護により、その一命を取留めることができた。 だがしかし、数日後、京太郎が松実玄のスカートの中を覗いていたことが町内で噂になったとか・・・ -カン- >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「はぁ…」 怜「んー?どないしたんや京太郎?ため息なんかついて」 京太郎「怜さん…千里山のみんなのパンチラを見続けてきたわけなんですが…」 怜「割と最低やな」 京太郎「手伝ってたくせに何言ってんすか…まあ、とりあえず…なんかこう、足りない気がするんすよ…」 怜「んー…見たんて誰やったっけ?」 京太郎「えーっと…まず竜華さんでしょ?」 怜「うん」 京太郎「セーラさんに船久保さん…あと泉に…」 怜「うんうん」 京太郎「…あっ!そう言えば怜さんのパ「あー、あーあーあー!監督の分ちゃうかなー!」 京太郎「いや怜さんの「監督のやなー監督の分だけ見てないんやなー!」 京太郎「…確かに監督の分はまだ見てませんでしたね」 怜「せやろ?まだ見とらんやろ?」 京太郎「そうするにしても…どうやって見ましょうか…?」 怜「まあ確かになー…緩そうな顔してるくせに割とそういうとこ鉄壁やしなー」 京太郎「やっぱり怜さんの方から見た方がはや「京太郎よ…男はなぜ山に登るんや…?」 京太郎「それは…」 怜「そこに…山があるからやろ…? 京太郎「…!!」 怜「難しいことに挑んでこそ男なんや!手近なとこで済まそうとしたらあかんねんや!」 京太郎「怜さん…!俺…間違ってました…!」 京太郎「俺…やります!そして…監督のパンツを…絶対に見ます!」 怜「よう言うた!それでこそ日本男児や!」 京太郎「はい!」 怜(ふぃー、京太郎が単純で助かったわー) 怜「それで作戦なんやけどな…」 京太郎「ふむふむ…ほうほう…なるほど!」 怜「どや、いけそうやろ?」 京太郎「確かに!いける気がしてきました!」 怜「合い言葉は…」 京太郎「愛(パンツ)のために!」 怜「よっしゃ!オペレーション・アンダーウェアの開始や!」 京太郎「イエス・マム!」ピシッ ……… …… … 雅枝「ん?部室の明かりが…まだ誰か残っとんのか…?」 …… ガラッ 雅枝「おい、誰が残っとんのや?」 京太郎「あ、監督。お疲れさまです」 雅枝「須賀か…そろそろ下校時間や。キリの良いとこまでいったら帰るんやぞ?」 京太郎「うす。帰る準備ができたとこなんでもう出まーす」スタスタ 雅枝「お疲れさん」 ー怜「いくら鉄壁やゆうたかて少ないながら隙は当然ある。今回はその隙が出来る状況を作り出してパンツを見るんや」 ー怜「ええか?作戦はこうや。明かりがついてたら監督なら誰が残ってるか確認するはずや」 ー怜「残ってるのが京太郎一人で、かつ帰るとこっていう情報を与える」 ー怜「帰るところ。ここが情報で一番大事なところや」 ー怜「帰るところっていうことは部屋を出てすぐ閉めるわけやろ?」 ー怜「普通そういう状況なら窓全部閉まってたり電気も消えてたりせなあかんわけや」 ー怜「まあまだ出てないから明かりは除外するとして…入り口からでも窓の鍵は見えるから自然とそこに意識がいくやろ?だから…」 京太郎「お疲れ様でーす」トコトコ 雅枝「おー」キョロキョロ ー怜「その隙を…狙う」グッ …… 怜「足払いじゃー!」ズシャー 京太郎「ぬわーー!」ステーン 雅枝「!?」 ー怜「そしてもう一つの重要ポイント。うちが唐突に出現して」 ー怜「京太郎に足払いをかける」 ー京太郎「いや、それさすがに意味不明過ぎません」 ー怜「あほ。意味不明なんが重要なんや」 ー怜「人間、予期してへんことが重なったら一つ一つを理解するまでのラグが出来んねん」 ー怜「いきなり予期してへん人物が出てきて、意味分からん行動したら止まってまうやろ?」 ー怜「まして監督は窓の戸締まり確認の方に意識いっとるからな。隙だらけや」 ー怜「足払いのタイミングはうちがダブルで確かめて最適のところでやったる。京太郎は覚悟だけしといたらええ」 ー京太郎「ダブルって…!?そんなことしたら怜さんが!」 ー怜「京太郎…男には、どんな犠牲を払ってでもやりたいことがあるやろ?」ニコッ ー京太郎「怜、さん…!」 ー怜「京太郎…」 ーうちの屍を… 越えていき…? …… 京太郎(俺が…俺が見なきゃ…!) ー俺が見なきゃ… 誰が見る…! 怜(まあそんな下らんことに使ってられるかって話やけどなー。タイミングはテキトーや) 京太郎(俺の決意台無しィ!) 怜(こいつ直接脳内に…!?) スッ…テェェェェン… 京太郎(何はともあれ監督のパンツパンツパンツゥ!はてさていったいどんなパンツをば…) チラッ… ラッ… ッ… 京太郎(なん…だと…!?) 京太郎「黒…+ガーター…?」 雅枝「…っ!!」サッ 俺の言葉を理解した監督はさすがと言うべきかすぐに両足を閉じて隠した。 だがそんなことをしてももう遅い。 なぜならもう俺の網膜に焼き付いているのだから。 シンプルな黒のパンツ。そしてガーターベルト。極めつけは厳密にはパンツではないがタイツ。 この三つのアイテムから連想されるものは一つ。女教師だ。 女教師のイケナイ個人授業。男子高校生ならば一度は夢見るシチュエーションである。 しかもこの衣服の着用者は眼鏡も装備している。まさに完璧。 ザ・女教師という出で立ちだ。正直、ピッタリ似合いすぎてて興奮を隠せない。 なあ、雅枝さん。知ってるか?あンた、100回は俺にヤられてるぜ…? もちろん、俺の妄想の中でだがな。正直、自分の妄想力が恐ろしいね。あっという間にシチュが思い浮かんだんだからな。 京太郎(ま…これを堪能出来たしあとはこのまま帰るだ)ドゴォ「げはぁ!?」 京太郎(こ、この京太郎が吐き気催すだと…眩暈もだ!) 雅枝「…」ゴゴゴ 京太郎(あ、当然ですね。むしろ今までこんな反応無かった方がおかしいですよね) 京太郎「か、監督…不可抗力です…すみませんでし」「死ね!」ゲシッ「ぶべらっ!」 京太郎「」ドサァ 怜「」ソソクサ 雅枝「園城寺ィ…!」ゴゴゴ 怜「ひぃっ!」ビクーン 雅枝「見たところ…あんたも関わってるみたいやなぁ…」ゴゴゴ 怜「あ、あははー…うち、病弱やし何のことかわからんなーって」フイッ 雅枝「ほぉ…」ギリギリギリ 怜「いだだだ関わってましたごめんなさいごめんなさいだからこれは勘弁してててて」ミシミシミシ 雅枝「なるほどな…」パッ 怜「ぉぉぉ…脳が…頭蓋骨が…」 京太郎「」チーン 雅枝「ま…罰の続きは明日やな…お前等今日はとっとと帰れ」 怜「え…京太郎気絶しとるんやけど…」「じゃーなー」 怜「えー…どないしよ…まぁとりあえず引っ張ってこか…」 京太郎「」チーン 怜「よいっしょお!」グイー「おっもーい!これ校門まで無理ー!ここに捨ててこかなーもー!」 京太郎「」チーン ……… …… … 泉「えーっと…」 セーラ「なんなんこれ…?」 竜華「まぁ…罰にはちょうどええんちゃうかな…?」 怜「あ゛ー足がしびれるー」セイザ[私はパンツ覗きに荷担しました]←フリップ 京太郎「監督ゥ!これ…なんかこれェ!めっちゃ恥ずかしいんですけど!」セイザ[私はパンツを覗きました]←フリップ 雅枝「当たり前やボケどもが」フン 浩子「ま、おもろい写真ごちそうさんです」パシャパシャ 「「撮るなー!」」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「こんちわーっす」 雅枝「おっ、早いな」 京太郎「HR終わってすぐに駆け付けましたんで」 雅枝「そこまでしなくてもええのに」 京太郎「いえ、監督の為にご奉仕する肉体ですから」キリッ 雅枝「あはは、そうなん? ありがとな、京太郎」 京太郎「いえいえ」 雅枝「とりあえず今日はこの資料をやな……っとっと」バサバサッ 京太郎「だ、大丈夫ですか?」 雅枝「だ、大丈夫。一人で拾えるわ」ヒョイ 京太郎「それなら……って!?」 京太郎(向こう向いて、しゃがまずに立ったまま拾ってるから、スカートの中が……) 京太郎(なまめかしく光るタイツが透けて、その中の白い、白い……) 浩子「おばちゃん、パンツ見えてんで」ヒョコッ 京太郎「うわーっ!!??」 雅枝「えっ、ほんま?」 浩子「ほんまほんま、須賀君も困っとるわ」 京太郎「い、いえいえそんな……」 浩子「須賀君も、言ってあげんとあかんで」ニヤリ 京太郎「ソ、ソッスネ……」 雅枝「ごめんな京太郎、変なもん見せて」 京太郎「そんなこと無いですから、大丈夫ですから」 雅枝「あはは、そか」 浩子「言うてもおばちゃんのパンツやからな、男子高校生にはちょっとキツ……」 京太郎「そんなこと無いです! 眼福でしたから!! 人妻パンツ最高ぉ!!!!!!」ガタッ 雅枝「……そ、そうなん? あ、ありがとな」 浩子「愛やね」 京太郎「うわぁぁあああぁ!!!! 今のナシ、今のナシでお願いします!」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 美穂子「あの……相談があります」 京太郎「はぁ、俺っすか?」 美穂子「う、上埜さんのパンツ写真一枚一万円で買います!お願いします、撮って来て下さい」 京太郎「ええっ……俺が?」 美穂子「お願いします、お願いします……」ポロポロ 京太郎「うーん」 京太郎「女の涙には弱いんだよなぁ」 京太郎「あの人、携帯のカメラ使おうとしたら爆発したらしい。困ったもんだ」 部室 久「……」ペラッ 京太郎「ちーす」 久「あら、おはよう。須賀君。早いわね」 京太郎「そうっすか?早めに起きたんで……」 京太郎(さて携帯のカメラを起動して……。後はチャンスを待つのみ) 久「須賀君と二人きりなんて緊張するわ~」 京太郎「何を今更」 久「もちろん嘘よ。須賀君は掃除でもしてなさい」 京太郎「たまには手伝って下さいよ。いい加減、バチが当たりますよ?」 久「そうねぇ……たまにはしましょうか」 京太郎「部長は窓を拭いて下さい」 久「ええ、わかったわ。そう言えば一年の時は私しか居なかったから掃除大変だったの」 久「年末なんか掃除してるだけで一日が終わったりしてね」 京太郎「その大変さわかってるのに俺に押し付けますか!」 久「……てへっ」 京太郎「俺、ゴミ捨てて来ますからね。ちゃんとやっといて下さいよ」 久「わかってるわよ」 久「よし、窓を拭くわよ」 フキフキ……フキフキフキフキ…… 久「流石に一番、上までは届かないわ。須賀君の身長なら……って無理か」 久「椅子、椅子っと」ガタッ 久「んっ~~~~~、ぎ、ギリギリかも」プルプル 京太郎「……」ジーーーー 久「くっ……つま先立ちすれば……、ええぃ」プルプル ササッ 京太郎(チャンス到来だぜ) 京太郎(俺は気配を消す事が出来る。部長は俺が部室に戻って来た事に気付いてないみたいだ) 京太郎(このまま後ろから近付いて……撮る) 京太郎「そおっと…そおっと……」ソロリソロリ 久「も、もう少し」プルプル カシャッ!グラッ…… 久「きゃっ!」 京太郎「危ねぇ!?」 ドンガラガッシャーン!!!! 久「いたた……ってあれ?痛くない」 京太郎「ぶちょー、重いでーす」 久「須賀君!?私を庇ってくれたの!」 京太郎「へへっ、部長がバランス崩してとっさに体が動きましたよ」 久「須賀君……あなたって子は……」ジーン 久「よっと。さぁ、私の手に掴まって」 京太郎「はい」ギュッ 京太郎を起こす久 京太郎(上手く撮れたかな) 久「須賀君、怪我はない?」ポンポン 京太郎「あーケツが痛いかもっす」 久「ごめんね。私がドジしちゃったばっかりに」サスリサスリ 京太郎「もっと右っす。あーそこそこ」 夜、須賀の家 京太郎「上手く撮れてっかな」 京太郎「おーばっちり。パンツは黒か!流石、久姉たまんねぇ」 京太郎「とりあえず抜いとくか」シコシコ 後日 美穂子「あのぉ……上手く行きましたか?」 京太郎「家庭用のプリンターなんで画質悪いですけど……、これ」スッ 美穂子「きゃあ///く、黒ですか///」 京太郎「黒っすね」 美穂子「上埜さん、こんな下着で学校に///や、やだなぁ///」 京太郎「福路さんは黒のパンツ持ってないんですか?」 美穂子「私は水色とか白が好きだから……って!?」 京太郎「水色と白ね。ふむふむ」キリッ 美穂子「……///」プシュー 京太郎(この人、スカート覗いても怒らなそうだよなぁ) 美穂子「こ、これお代です。失礼します」ピューーーーン 京太郎「くれぐれも部長のパンチラ写真悪用しないで下さいよー!」 美穂子「了解です~」 京太郎「福路美穂子さんの美乳揉みたいぜ……」 カン >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> ガチャ 京太郎「こんちゃーっす」 咲「あ、京ちゃん」 京太郎「ん? なんだ咲だけか?」 咲「うん。まだ誰も来てないよ」 京太郎「そっか。だから一人で本読んでたんだな」 咲「えへへ、まぁね」 京太郎「寂しい奴め」ニヤニヤ 咲「むぅ。いいじゃん、別に。騒がしいのは好きじゃないの」 京太郎「左様で。なんか飲むか?」 咲「ん~。うん」 京太郎「紅茶でいいよな」 咲「うん。ありがとう」 咲「……」ペラ 京太郎「……」 咲「……」ペラ 京太郎「ん……」ジー 京太郎「ぶふぅ!?」 咲「えぇ!? ど、どうしたの京ちゃん?」 京太郎「いや、いい。大丈夫、咽ただから」 咲「ホントぅ? 背中擦ってあげようか」 京太郎「大丈夫大丈夫。騒ぎ立てて悪かった」 咲「う、うん。次からは気を付け飲んでね?」 京太郎「おう」 京太郎(突然だが状況を説明しよう) 京太郎(咲は今、部室に置かれた仮眠用のベッドに座って本を読んでいる) 京太郎(そこまではまだ良い。問題はその座り方だ) 京太郎(咲は所謂体操座りの姿勢でヘッドボード側を背凭れにして読書に耽っている) 京太郎(これらの意味するところは) 京太郎「白…………か」 咲「ん? 京ちゃん、なにか言った?」 京太郎「いや、なんでもない」 京太郎(咲よ。そんな無防備だとおにーさんちょっと心配になるぞ?) 京太郎(ふむ、しかし……これは) 京太郎(決して豊満とはいえない華奢な体躯。だがそれでも女性らしい丸みのある肉付き良さそうな太もも) 京太郎(その白磁器のような美しく滑らかな両脚の付け根から僅かに覗く尻) 京太郎(そして中央に位置する魅惑の逆三角形) 京太郎「……」 京太郎(やべ、自分の解説で勃起してきた)ギンギン 京太郎(もしかして……咲は俺を誘ってるんではなかろうか?) 京太郎「咲~……」ボソ 咲「ん~、なぁに?」 京太郎「いや、ただ呼んだだけ」 咲「ふふ、さっきから変な京ちゃん」クスッ 京太郎(あ、これ完全に誘ってますわ) 京太郎「……」スタスタ 咲「? 今度はどうしたの?」 京太郎「咲、お前さっきからずっとパンツ見えてたぞ」ボソ 咲「ふぇ? き、きゃあ!?///」バッ 咲「もしかして京ちゃんずっと見てたの?」 京太郎「まぁ、な」 咲「う~、京ちゃんのえっち///」 京太郎「なぁ、咲」 咲「な、なに?」 京太郎「俺、咲がほしいよ」ガシ 咲「え、なっ!? だ、ダメだよ! こんなところでみんな来ちゃうよ」 京太郎「しょうがないだろ咲のパンツ見てたら我慢できなくなったんだ」 咲「私の所為にして自分を正当化しないで、あ……」チラ 京太郎「……」ギンギン 咲「っ……///」フイッ 京太郎「なぁ咲。愛してる」 咲「昼間の学校で下半身目一杯腫らした人にそんな真剣に言われても……」 京太郎「咲、愛し合う2人にも性生活には変化が必要なんだよ」 咲「変化っていうか、変態っぽい気がするけどなぁ~……」 京太郎「咲」 咲「……」フイッ 京太郎(無言で視線を逸らすのはOKのサイン。いちいち可愛い奴だよな) 京太郎「咲」 咲「京ちゃ、ん……ちゅ、んん……」 コンコン 京咲「え……」 久「あーこほん。あなた達、今日は部活休みでいいからもうホテルでもどこでも行きなさい」アキレ 京咲「」 ――――― ――― ― まこ「なんじゃ、今日は咲と京太郎は休みか」 久「知らなーい」 カン! >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「はい。分かりました、伝えておきます。……えっ、いやそれは……あ、愛してるよ。うん、それじゃ」ピッ 姫子「……どうしたと?」 京太郎「あ、ああ、哩さんは今日は用事があるって」 姫子「それは知っとーと。私が言っとるのは最後の言葉ばい」 京太郎「最後の言葉って……! いや、それはその」タジタジ 姫子「ふふっ、冗談たい。二人がそういう関係なのはよく分かっとるけん」 京太郎「からかうのは止めてくれよ……」 姫子「ごめんごめん。……まだ誰も来ないみたいやね」クイッ 京太郎「そうだな。……そんな短いスカートで脚組み替えたら、見えちゃうぞ」 姫子「えっ、見えたと?」 京太郎「見てない。見えたかは知らないけど」 姫子「そ? ぶちょーに操立ててるんやね」 京太郎「そういうのじゃないけど……」 姫子「いけんね。ぶちょーの彼氏たぶらかしちゃ」クスッ 京太郎「たぶらかすってそんな……」 姫子「ほら」ピラッ 京太郎「な、何してるんだよ姫子!!」 姫子「あっ、赤くなっとる。いけん子やね、ぶちょー以外の女の子のパンツ見よるなんて」クスクス 京太郎「……お前、マジでそういうこと止めろよ。俺の心臓がもたないよ」ハァー 姫子「んー、京太郎君って反応が可愛いけん。ついいじめたくなっちゃうとよ」 京太郎「哩さんに報告しとくよ。部内でいじめ問題が起きてるって」 姫子「ごめんごめん、あっ、お詫びにポッキーあげるけん」ガサゴソ 京太郎「いりませーん」 姫子「まあまあ遠慮せんと。はい……って、おっとっと!?」スタスタ、コケッ ドサッ 京太郎「なっ!?(椅子に座ってる俺の上に、姫子がこちら向きで……というか今……)」 姫子「あ、あはは……京太郎君の上に乗っかっちゃったばい」 京太郎「姫子、今わざと転ばなかったか?」ジトッ 姫子「えっ、そ、そんなことなかとよ?」 京太郎「転んだんなら、そんな綺麗に開脚できる訳ないだろ!」 姫子「か、開脚だなんて京太郎君、えっちいばい……」 京太郎「そこに反応!? と、とにかく、早く降りて……」 姫子「うん……京太郎君、そう言えばこの体勢って」 京太郎「言うな言うな言わないでお願」 姫子「対面座位……やね?」 京太郎「……俺の操返して」 姫子「でもこれくらい、親子でもやるけん」 京太郎「……俺達親子だったのか」 姫子「親愛の証ってこと」 京太郎「親愛ねえ……まず哩さんとこうなりたかったけど」 姫子「ぶちょーと、ね」 京太郎「とりあえず早く降りて下さい。もうそろそろ……」 姫子「ね、京太郎君」 京太郎「な、なんだ?」 姫子「ぶちょーだけで足りてる?」 京太郎「……何を言ってるかよく」 姫子「ねえ、京太郎君」ピラァ 京太郎「ちょ、姫子―――」 姫子「ぶちょーで物足りんくなったら、いつでも待っとるけん」 姫子「予約しといても、ええばい」 カンッ >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 京太郎「穏乃……いい加減にしてくれよ」 穏乃「え?」 京太郎「なんでみんなのSS投下を邪魔するんだ?」 穏乃「え?え?な、何言ってるの京太郎?」 京太郎「とぼけるな!みんな一生懸命書いてるんだぞ!!どういうつもりなんだよ!?」 穏乃「いや、そう言われても本当に何を言ってるのか……」 京太郎「このっ……!いい加減にしろっ!!」ドカッ! 穏乃「きゃ!!」 京太郎「今日という今日は許さないからな!」ヌガシヌガシ 穏乃「や、やだ。やめてったら京太郎!」 穏乃(み、見られてる。京太郎に私のお尻見られちゃってるよぉ///) 京太郎「この格好もそうだ。いつもこんなふざけた格好で尻もパイパンのアソコもチラチラ見せつけてきて……どういうつもりだよ?」 穏乃「だ、だってこの格好涼しくて気持ちいいから……そんな事よりもうやめてよ、京太郎。私が何か悪い事したならあやま…」 京太郎「なるほどな、この……ド変態が!」バチーン! 穏乃「ムキャッ!?」 京太郎「このっ!露出狂!山猿!」バチーン!バチーン!バチーン! 穏乃「やめっ!お尻痛っ!キャウッ!」 京太郎「ん?なんだ?股間からなんかポタポタ垂れてるぞ?……まさか叩かれて感じてるのか?」 穏乃「グスッ…お尻が……お尻がぁ……」 京太郎「返事し……ろっ!」バチーン! 穏乃「キャン!はいっ!!はいぃ!お尻叩かれて気持ちよくなってましたぁ!!ごめんなさい!ごめんなさい!」 京太郎「謝る相手は俺じゃないだろ?お前にSS投下を邪魔されたみんなだろ?」バチーン! 穏乃「はっ、はいっ!ごめんなさい、皆さん!ド変態の山猿がSS投下邪魔してごめんなさいっ!」 バチーン!バチーン! 穏乃「ごっ、ごめんなさい!ごめんなさいぃ!!」 ……… 京太郎「ふぅ、これくらいでいいかな」 穏乃「……」ブツブツ 京太郎「じゃあな、穏乃。もうこんな事はするなよ?」 穏乃「…なさい……SS投下の邪魔してごめんなさい……SS投下の…」ブツブツ 穏乃ちゃんも反省してくれたようです。これで安心してSS投下出来るね! カンッ! >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 塞「で、この人が例の、不思議な能力を持ってるっていう……?」 トシ「そうだよ。ほら須賀君」 京太郎「須賀京太郎って言います。よろしくお願いします」 塞「私は臼沢塞。よろしく。それで、この人の能力って……」 トシ「うーん、実際に見てもらった方がいいかもね。ほら、上がりなさい」 塞「お邪魔しまーす」 京太郎「……」 トシ「須賀君、そんな離れてないで」 京太郎「いや、でも……」 トシ「大丈夫だよ。それに須賀君から来なくても、じきに塞の方から来るから」 塞「私? まあとりあえず二階に上がるね……って、うわぁ!?」タンタン、ズルッ 京太郎「危なっ、むぐぅ!?」ドシーン トシ「早っ」 塞「いたた……って、きょ、京太郎君!?」 京太郎「パ、パ、パ……」 トシ「顔に塞のお尻を押し付けられ……うーん、清々しいまでのラキスケだねえ」 塞「き、きゃぁあああ!?」 京太郎「ぷはぁっ! い、息が……」 塞「ハッ! ご、ごめんなさい京太郎君! こんな……お、お尻ぶつけちゃって」 京太郎「いえ、これくらい……」 トシ「ボリューミーだったかい?」 京太郎「それはもう、まんまるで肉厚で……」 塞「……」ジィー 京太郎「じゃなくて、すみませんでした! 信じられないかもしれませんが、これが俺の能力みたいなんです」 塞「ど、どれが? 何が君の能力なの?」 京太郎「えーっとその、何と言いますか……ToLoveると言うか、ラッキースケベと言うか」 塞「ラッキースケベ?」 京太郎「それは……偶然、乳やらお尻を目撃したり、触ったり、押し潰されてしまうってことです!!」 塞「……何それ?」 トシ「ともかくそういうことなの」 京太郎「トシさん、肝心な時に喋りませんね」 塞「それで、それを塞ぎたいの?」 京太郎「はい、切に」 塞「まあ、トシさんの頼みだし、危険性は垣間見れたし」ジトッ 京太郎「うっ」 塞「それじゃ、私が能力を……って、一時的に塞いでも意味無いよね?」 トシ「そうだね。だから、一週間かけて能力を完全に塞いでもらおうと思ってね。生活費は用意するから」 塞「えっ、それって……」 トシ「それじゃ、共同生活頑張って」 京塞「ええええええええええええ!!??」 塞「って、君も聞いてないんだ……」 トシ「まあ続かないけどね」 カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/547.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342928340/ 久「ええっ!誰に!?」 京太郎「…く、暗かったので顔も見てないんです」グスグス まこ「げ、元気をだすんじゃ」 和「須賀君…」 優希「た、タコス食うか…?」 京太郎「…皆、ありがとう」グスグス 咲「…なきゃ」 久「?」 咲「消毒しなきゃ!何処の誰かも分からない人に犯されて放って置けないよ!」ガタン 優希「!!」 京太郎「え?」 久「…」スタスタ カチャリ 京太郎「ぶ、部長?」ガタッ 優希「…座ってるんだじぇ、京太郎」ガシッ 京太郎「…ひっ」ガクガク 咲「ちゅっ…れろ…」 京太郎「うっ…」ブルブル 咲「えへへ、京ちゃん気持ちいい?」 京太郎「も、もうやめてくれ咲…」 咲「そっかぁ…もっと頑張るね」 京太郎「さ、咲…」 久「あら、なかなか上手じゃない」 咲「そ、そうですか?えへへ」レロレロ 京太郎「ううっ」 京太郎「のどかっ…これをほどいてくれ…!」ハッ 和「…」ポー 京太郎「発熱してる…むぐっ(息がっ…)」ムググ 和「須賀君…」ギュゥゥ 京太郎(誰か…)ムググ 京太郎「もう誰も信用できない…」ヨロヨロ 京太郎「あんなところ、やめてやる…」 京太郎「…」ヨロヨロ 京太郎「うう…腰が痛い…」 京太郎「もうだめだ…歩けない」ガクッ ハギー「おや?どうなさいました?」 京太郎「…?」 ハギー「歩けないようですね、どうぞこちらへ」ガシッ 京太郎「す、すみません…」ヨロヨロ ハギー「…」 京太郎「…もうだめだ」 京太郎「車で何か飲まされた上に知らないところにつれてこられた…」ズルッズルッ 京太郎「あと、お尻が痛い…」ズルッズルッ 京太郎「這ってでも逃げないと」ズルッズルッ 透華「あら?」 京太郎「!」ビクン 一「き、君!どうしたのそんなところで!」 純「行き倒れか…?ほれ、手を貸してやるよ」グッ 京太郎「す、すみま…」ボッキーン 純「なっ…お前!」 京太郎「!!こ、これは違うんです…へんな薬を飲まされて…」 智紀「こんな男を野放しにしておいては衣が危ない、出せるだけ出しておくべき」 京太郎「誤解なんです!違うんです」 透華「往生際が悪いですわ!」ガシッ 一「ごめんねー、でも衣に万が一があっても嫌だしね」ズルズル 京太郎「うっ…」ローン 透華「またですの?ほんとに一の指使いは一流ですわね」 一「これでも手品師だからね」 智紀「いまので6回目」 純「結構出したな」 京太郎「…じゃ、じゃあこれで…」ズリッズリッ 純「まあ待てよ」ガシッズルズル 京太郎(力強っ!)ズルズル 純「羽交い絞めにしとけばいいのか?」ガシッ 透華「抑えててくださいまし…んあっ」リーチ 透華「じっくりたっぷりねぶるように味わわせていただきますわ」グイグイ 京太郎「も、もう許して…下さっ…ううっ」ローン 透華「あら?もう何も出ませんわね」 純「おいおい俺たちまで回ってくるのか?」 京太郎「この辺は危ない…」ヨタヨタ 京太郎「出来るだけ遠くへ行かないと…」 智美「おーい、そこのー」ブロロロ 京太郎「…?」 佳織(眼が虚ろです…) ゆみ「何処へ行くか知らないがそんな状態では満足に歩けないだろう」 ブロロロ 智美「で…なんであんな事になってたんだー?」ワハハ 京太郎「その…かくかくしかじかで…」 智美「…そ、そうなのかー」ムラムラ もも「た、大変だったっすね…」ムラッ 睦月「う、うむ…」 ブロロロ キキッ 京太郎「…?…ここ、どこですか?」 智美「山」ワハハ ゆみ「…ふぅっ、なかなかよかったぞ」 モモ「こ、これが加治木先輩の中に…」ゴクリ モモ「つ、次私がやるっす!」 京太郎「む、無理です!」ガララ 京太郎「だれか助けてください!」ダダッ モモ「ああっ、だめっすよ」ガシッ 京太郎「だ、だれk…ムゥ」 佳織「す、すみません静かにしてください…」マタガリ 智美「まあこんな山奥だ、誰もこないだろうけどなー」ワハハ モモ「ああっ、先輩に入ったのが私にも入ってるっす!」ヘコヘコ 京太郎「ンー…ンー…」ローン 佳織(息が…当たって…)グリグリビクビク 智美「なかなか回ってこないなー」ワハハ 睦月「うむ」 智美「じゃあ学生証と携帯も控えたし、"またなー"」ブロロ 京太郎「」ピクピク 美穂子「…あら?」 京太郎「…!」 美穂子「よかった…眼が覚めて…」 未春「半日は寝てましたもんね」 華菜「なにがあったか話すし!」 京太郎(この人たちはいい人そうだ…) 京太郎「じ、実は…」 美穂子「…///」モジモジ 華菜「キャプテン照れてるし」 未春「し、しかたないよ女子高なんだし…///」 京太郎「す、すみません…こんな話を…」 華菜「いいし!話すことで楽になることもあるし!」 未春「そういった話に疎いからなんとも言えないけどね…」 華菜「初心だし!」 美穂子「そ、そんなことないわ!私もう高三よ!」 華菜「にゃっ!?キャプテンは経験があるし!?」 美穂子「そ、それは…知識だけなら…多少…」モジモジ 華菜「じゃあ試してみるし!」ガシッ 京太郎「…え?」ビクッ 未春「…」ガシッ 美穂子「…ご、ごめんね?」 京太郎「ひっ」ブルブル 華菜「脱ぐし!」バッ 美穂子「きゃっ…」 未春「これが…男の人の…」 京太郎「も、もういいでしょう?帰してください…」 美穂子「…」サワサワ 京太郎「っ…福路さん…」ピクク 美穂子「…(かわいい)」サワサワ 京太郎「ううっ…」 美穂子「…(確かこうすれば)」コスコス 京太郎「うあっ」ローン 美穂子「きゃっ」ベトッ 華菜「キャプテン!」 美穂子「…(不思議な味)」ドキドキ 美穂子「…」トローン 京太郎「じゃ、じゃあ俺はコレで…」 美穂子「まって」ギュッ 美穂子「もっと、くれるわよね」ハムッレロレロ 京太郎「うあっ…」 華菜「キャプテンばっかりずるいし!華菜ちゃんも舐めるし!」チュゥ 京太郎「ちょっ、離してくださ…」 未春「わ、私も…」レロォ 京太郎「うああっ…」ローン 美穂子「!」ピチャピチャ 華菜「かわった味だし!」 未春「も、もう一回お願い(あんまり飲めなかったや)」 京太郎「そ、そんな…」 ピチャピチャ 京太郎「長野は…だめだ…」 京太郎「あらゆる意味でダメだ…魔界だ…」 京太郎「むこう3年は帰りたくない…ところでここは…」 穏乃「どうかしましたかー?」 京太郎「ひっ…いえ…」 穏乃「もしかして道に迷いましたか?」 京太郎「ま、まあそんなところです」 穏乃「じゃあついてきてください!」 京太郎「は、はあ…」 京太郎(どうしてこんな山奥に人が…) 穏乃「~というわけで迷ってたんだ」 玄「ふぅーむなるほどなるほど」 宥「…」ブルブル 灼「なんにせよよろしく」 レジェ(…この匂い)クンクン レジェ「ねえ君、もしかして~~」 京太郎「え、ま…まあそうですね…それで逃げてきたところです…」 憧「何それ犯罪じゃない!」 レジェ「それは違うわ、須賀君だっけ?あなた気付かなかったの?」 京太郎「…?」 レジェ「ただでさえ女だらけのこの作品で数少ない男キャラ」 レジェ「しかも他の男は完璧超人執事とおじいさん(あとモブ)」 レジェ「貴方は知らず知らずの内に、作品内での男女比率が均等になるようなフェロモンを発していたのよ!」 京太郎「そ、そんな!?じゃあ出来るだけ人から離れないと…」 京太郎「…」ハッ 京太郎「し、失礼しま…ひぃっ」グッ レジェ「まあまあ、その前にやってくことがあるでしょ?」 宥「あったかーい」ギュッ スリスリ 京太郎「や、やめてくださ…」 玄「ふぅーむなるほどこれは見事な…」ヌガシヌガシ 玄「…んっ…れろっ」ジュルジュル 宥「…暖かい」ギュー 穏乃「サンドイッチだね」 憧「なーんか手出しづらいわね」 灼「…」スタスタ 京太郎「ちょっ…離してくださっ…」チュゥー 灼「ん…」チュゥー 憧「…やるじゃん」 穏乃「…」ウズウズ 憧「じゃー空いてる手でも借りよっかな」パシッ 憧「ほら揉んだもんだー」 穏乃「わ、私も!」パシッ ワサワサチュパレロヌルスバラッ レジェ「彼が見えなくなってしまったわ…」ヤレヤレ 照「…ツモ」 照「…ツモ」 淡「最近トルネードツモしなくなりましたね」 照「ああ、出せなくなった」 淡「ええ!?」 照「…」 照(あの日から何故かトルネードが出せない) 照(あれをきっかけに能力が京ちゃんに移ってしまったのだろうか) 照(幸い照魔境は残っているが・・・) 照(京ちゃんから発するなんかいい匂いが風で撒き散らされると大変なことになる) 照(止めないと…でもまずはあと4回ほど咲ニーしておこう) 照(いや…) 照(あと5…6回だな…)キリッ 淡(かっこいい…) 宥「あったかいのもっときてぇー」グリグリ 玄「お、おねえちゃんばっかりずるいよー」フニフニ 京太郎「ウッ…も、もうムリデス…ムググ」 憧「ちょっと手が動いてないわよー」ギュムギュム 京太郎(俺は死ぬんだ…) バターム 「待ちや!!」 阿知賀「!?」 「そのままやったらソイツ死んでまうで…」 レジェ「あ、貴方は…」 穏乃「どうしてここに…」 「きまっとるやろ…うちは未来が見えるねん!」ドーン 京太郎「…た、助けが…きたのか」 怜「そや、辛かったな何回も出さされて、もう安心しい」 京太郎「や、やっと解放される…」 怜「何言うてんねん」 京太郎「…え?」 怜「要は出さんかったらええだけの話や」 怜「うちの力を使えば延々寸止めも可能やで」(マジキチスマイル) 京太郎「…」ダッ 怜「逃げたで!」 穏乃「…」バッ 京太郎「…うわぁっ」ドターン 怜「なかなかタフやな…でもこのすばら印の筋肉弛緩剤(錠剤)を飲ませとけば」スッ 京太郎「ひぃぃ」ガクガク 怜「皆口開けさせえ!」 京太郎「うわあああやめろおお」ドッタンバッタン 京太郎「うあっ…」ローン 怜「まーた放銃かい」 怜「ほな8本場いきましょか」グリグリ 京太郎「待っ…ああっ…」ビックンビックン 怜「ははは、流石に5人がかりで押さえつけられたら何もできへんな」 玄「お任せあれ」 怜「こっちは竜華に毎晩鍛えられとるからな」グリグリ 京太郎「うああ」ローン 怜「早いとこうちをイかせへんとミイラになってまうで」グリグリグリ 京太郎「」ローン 怜「お?」 京太郎「」 怜「…誰か水もってきてー」 レジェ(ほんとに病弱なのかしら) 咲「ここに京ちゃんが…」 久「信用できるのね?」 智美「おー、須賀君の携帯はここを示しているぞー」ワハハ もも「一応GPSアプリ勝手に入れておいてよかったっすね」 ゆみ「さすがモモだ」 透華「まったく、リムジンではなくヘリを手配するべきでしたわ」 池田「でもまあ無事についたし!」 純「ほれ行くぞー」ガチャッ 美穂子「だ、ダメよ勝手に開けちゃあ…」 ゾロゾロゾロ わらわらわら まこ「…」 睦月「…」 まこ「見えんな」 睦月「うむ」 怜「またハコった(気絶)」 煌「このすばら印の気付け薬を使うのですばらっ」 まこ「…」 睦月「…」 まこ「まるで女体の海じゃの」 睦月「うむァ」 咲「カン、カン」グリグリ 咲「もいっこカン」 京太郎「」リンシャンカイホー 京太郎「な、何とか逃げてこれた…」フラフラ 京太郎「痛い…体中べとべとだし…」フラフラ 照「…あれは」 京太郎「…」フラフラ 照(丁度よかった…能力を返してもらおう)ゴスッ 京太郎「…がっ」バタン 京太郎「…うっ」 照「これが…咲の中に…っ!」ズッズッ 京太郎(誰だ…暗くて…見えない…) 京太郎(ダメだ…また意識が…) ~~~ 京太郎「…はっ」ムクッ 京太郎「ここは…旧校舎前…」 京太郎(…何も思い出せない) 京太郎「と、とにかく部室に行かないと」 久「昨日までの記憶がない?」 咲「…」 京太郎「はい…なにがなんやら…」 優希「…」 まこ「その頭のコブはどうしたんじゃ」 京太郎「え…あ…」ズキン 京太郎「そうだ…昨日俺は誰かに殴られて…」 京太郎「…あ」 和「そ、それで…」 京太郎「レイプされた…」 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3468.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ ガラス製の丸テーブルの上にはアップルパイにチョコレートケーキ、エクルズケーキ、シュークリーム、マカロン、クッキー、 スコーンとその添え物の生クリームとストロベリージャムが所狭しと並び、それから人数分のミルクティーが置かれている。 咲「わぁすごいね」 京太郎「まぁな。ちょっといろいろ奮発してみた」 半分は買ってきたものだが、もう半分は俺の手作りだ。 京太郎「照さんも遠慮せずにたくさん食べてくださ、……」 照「……」サクサクサクサクサクサクサク 言う前から、すでにマカロンやクッキーを頬張っていた。はえぇよ。 ちょっと用意しすぎたかとも思ったが杞憂だったようだ。 咲「お姉ちゃん……」 京太郎「あ、はは……まぁ咲も遠慮せずに食べてくれよ」 咲「えっと、京ちゃんが作ったのはどれかな?」 京太郎「ん~っと、アップルパイとシュークリームとクッキーかな。後そのイチゴジャムは俺の自作」 咲「じゃあシュークリームを」 そういって咲がシュークリームに手を伸ばそうとした瞬間、まるで小動物を強襲する猛禽類のような速度で照さんの手が翻る。 一瞬早く、照さんが菓子を掻っ攫っていく。 双眸には猛獣の眼光。 咲「……」 京太郎「てい」 指先で照さんの額を弾く。 照「あう」 京太郎「まったく。大人気ないことしおって」 京太郎「ほら、咲」 咲「あ、うん。ありがと京ちゃん」 照「京ちゃん。酷い……」サスサス 京太郎「あんたが悪い」 用意したお菓子の半分が照さんの手によって消費された頃、ようやく一息つく。 咲「美味しかったよありがと京ちゃん」 京太郎「どっちが?」 咲「どっちも、と言いたいところだけど、身内贔屓で京ちゃんかな」 京太郎「花を持たせてもらったって感じがするけどまぁ良いか。俺も久々に思いっきり料理が出来て楽しかった、ありがとな」 咲「うん」 照「……」サクサク 京太郎「照さんは……うん、まぁ作り甲斐があってよかったです。うん」 照「?」 照「ふぅ……」 ようやく照さんも一息。 咲「なんだか久し振りだね。この雰囲気」 京太郎「3人で集まったのはインハイの決勝の後だったっけ?」 咲「そうだけど、なんかそれよりももっと長く感じる」 京太郎「まぁ実際そうだしな」 照「……」ジー 京太郎「? どうかしました? 照さん」 こちらをジッと見ている照さんを疑問に思いつつミルクティーの注がれたカップに口をつける。 照「京ちゃんは、今好きな人っているの?」 京太郎「ぶふぅっ!?」 吹いた。盛大に。 咲「ちょ! おおおお、お姉ちゃん、いきなりなに聞いてるの!?」 京太郎「ゴホッ、ゴホッ!」 いかん、気管支に入った。苦しくて涙が滲む。 咲「京ちゃん、大丈夫?」サスサス 京太郎「ゴホッ、ああ、うん。すまん咲、ありがとう。ゴホッ」 咲に背中をなでてもらってなんとか持ち直す。 京太郎「あ、えー照さん?」 照「なに?」 京太郎「なんでいきなりそんな話に?」 照「京ちゃんは清澄の人たちはもちろん、うちや阿知賀のみんなと仲が良い。だからどうなのかなって」 もしかしてこの人この間ずっとそのこと考えてたのか? 京太郎「それ答えないとダメなの?」 照「ダメ」 京太郎「言い切ったな」 京太郎「大体なんでこんな話を、咲からもなんか言ってやってく、」 咲「……」モジモジ わーお。君もそっち側なの? 咲は俺と目を合わせないように、けどチラチラこちらを伺いながら早く話せと無言で続きを催促してくる。 京太郎「好きな人ねぇ。好きな人……いません」 照「京ちゃんは私たちのこと嫌いなんだって咲」メソメソ 咲「ええ!? そうなの京ちゃん!」 京太郎「なんでそうなった!? どんな飛躍だよ!」 照「じゃあ好き?」 咲「///」 京太郎「はぁ……究極の二択ですね。もちろん好きですよ」 照「だって、やったね咲」 咲「わ、私は別に……///」 京太郎「あの、ゆっときますけどそんな深刻な意味じゃないですよ?」 照「にやり」 京太郎「おい、その『してやったり』みたいな顔やめろ」 照「でも今好きって言った」 京太郎「いいよそういう言葉のマジック!」 照「京ちゃん、うちの淡や阿知賀の玄ちゃんとも仲いいよね」 咲「!」ピク 京太郎「あの、もうちょっと会話の前後の繋がり重視してもらっていいですか?」 京太郎「そりゃまぁいいですけど、別にそんな、そういうアレじゃないですよ」 照「付き合いたいとか、そういった考えはないの?」 京太郎「俺だって別にそういった願望がないわけじゃないですよ。たとえばその2人に限らずに」 京太郎「ただ、俺のポンコツ許容量は君ら2人で本体、予備、緊急用、来世の前借分までいっぱいなんでそういった隙がないだけです」 ポンコツの姉とポンコツの妹、両方面倒を見なくちゃいけないのが中間管理職の辛いところだ。 咲「ホッ」 照「よかった」 照「好きな人がいないなら、じゃあ好きなタイプとかは?」 京太郎「好きなタイプ~?」 照「たとえば年上と年下ならどっち?」 京太郎「俺、どっちかって言うと同い年か年下がいいんだけど」 咲「ホント!?」ガタッ 京太郎「お、おう?」タジ 照「ちなみにどうして?」 京太郎「俺が主導権を握りたいから……」 京太郎「っと最近まで思っていたんだけどどうも俺は年齢に関わらず女性に頭が上がらない気質らしく、正直これはどっちでも良くなった」 照「じゃあ次の質問」 京太郎「あ、これ続くのね」 照「家事は出来るほうがいい?」 京太郎「家事ねぇ、別にどっちでも。最初は出来なくてもやってくうちに上手くなるだろうし」 京太郎「最悪、俺が自分でやるし」 咲「京ちゃん……」ホロリ 照「では最後の質問です」 京太郎「へぇ」 照「胸は小さいほうがいいよね?」 京太郎「なにその質問」 京太郎「おも、胸は大きいほうが……いや待て今のは無しだ。なんで幼馴染の女の子2人に俺の性癖暴露せにゃならんのだ」 照「そもそも京ちゃんのその趣向はおかしい」ズビシ 京太郎「ほう、言ったな。一席打つか?」 照「たとえば人の価値観って育ってきた環境に影響さえたりするよね」 照「たとえば、お金持ちの人から見たら価値のないものでも、貧しい人から見たら価値があるとか」 京太郎「はぁ」 照「京ちゃんは、私たちの一緒に育ってきたんだから、私や咲みたいなポンコツで胸の無い娘を好きになるはず」 京太郎「いやむしろその環境にあったが故のというか。後、自分で言ってて悲しくありません?」 照「少し」 咲「私! 私はまだこれから大きくなるよね! 牛乳だって飲んでるし」 照「……」 京太郎「……」 咲「お姉ちゃん!? 京ちゃん!?」 京太郎「なぁ咲、遺伝学的に考えてこの先そんなことが起こりうると本気で思ってるのか?」 咲「それは……」チラッ 照「」テルーン 咲「ふえぇぇぇぇぇぇ、京ちゃぁぁぁぁん!」 こうまで科学的な証拠を提示されてはさしもの咲も納得せざるを得ない。 咲は止め処もなく、失意の涙を滂沱と流した。 照「2人とも失礼」ムゥー 咲「やっぱり京ちゃんは胸が大きいほうがいいんだ!」 咲「だから和ちゃんとか渋谷さんとか松実さんのお姉さんとかには対応が妙に優しいんだ!」 京太郎「ん? ん、まぁそうだけど」 けどそれ宗教上の理由であって、いやまあ可愛いと思うしぶっちゃけ結婚するならああいった人たちがいいけど。 京太郎「それがすべてじゃないから、な? なんで泣いてるかわかんないけど泣き止めよ。お前が泣いてると俺も悲しい」 照「咲を泣かせるなんてダメだぞ。京ちゃん。お姉ちゃんは憤慨します」 京太郎「あの、ちょっと黙っててもらっていいですか?」 照「胸なんて飾りです! 京ちゃんにはそれがわからんのです!」 咲「そうだ! そうだ! 胸はなくても人権はあるぞ!」 京太郎「ちょっと落ち着け! っていうかなんか会話の方向性おかしくない? 後、俺ばっか質問されてて釈然としない」 京太郎「逆に聞きたいんだけど、2人はどうなの? 好きな人とかいるの?」 照「黙秘権を行使します」 咲「お、同じく……」 京太郎「まぁ絶対そういうと思ってたけどね!」 この俺ルールっぷり。これについては我々はもう熟知してるのでね、最早なんの感慨もないですが。 京太郎「淡はいるかあああああああっ!!!」バーン! 白糸台の面々が泊まっている部屋の戸を盛大にブチ開ける。 何故俺がこんなに怒り心頭なのか。昼飯の後サロンのソファーで昼寝をしていた俺は、 目を覚ましてから洗面所で顔を洗おうとして鏡を覗き込んで驚愕した。 それはもうなんか、なんかすごいとんでもなく面白い顔になっていた。噴飯ものである。 根拠はないがこんなことをするのはきっと淡だ。俺の本能がそう言っている! 菫「!?」 部屋にいたのは弘世先輩だけ。突然の不躾な訪問に驚いているようだ。そういえばノックするのを忘れていた。 普段、礼節を重んじる俺だがそんな精神的余裕は存在しなかった。 菫「す、おま、……!?//////」 京太郎「?」 真っ赤になりながら口をパクパク開閉させる。弘世先輩。 よく見れば服の胸元が肌蹴ている。微かな違和感。 一瞬で状況把握。 はっはっはっ。な~んだ、今日は俺の命日だったのか。…………っておいぃぃ!? 京太郎「すんませんっした!? さーせんっした!!」 即座に土下座した。有史以来最も美しい形だったと自分でも思う。 菫「いいからさっさと出ていってくれ!」 曰く至言。 俺は速攻で回れ右をし、部屋を出て行こうとする。 パタパタパタ 響いたのは足音、しかも複数。おそらくこの部屋に向かってきているらしい。 京太郎「」 ちょっと待て、この状況はすごくまずいんじゃないか? 菫「くっ! 来い!」 弘世先輩に襟首を掴まれ、次の瞬間世界が回転。 暗闇の中に放り込まれる。背中には柔らかな感触を感じ、 次いで身体の前面にも背中に感じるものとは違う柔らかくまた仄かに温かななにか。 ガラッ 淡「あれー? スミレいないねー」 誠子「どこかに出かけたのかな」 尭深「別の場所も探してみよう?」 パタパタパタ 声と足音が遠ざかっていく。っていうかちょっと待て! そこにいるのは世界の根源悪である淡か! ちくしょう! そこを動くな! 菫「おい須賀! モゾモゾ動くな!」ボソボソ かなり近い位置から弘世先輩のこれが聞こえる。 まさかこのあったかくて柔らかいものは……。 京太郎「弘世、先輩……だと」モゾリ 菫「こらだから動くなと、あ、ん……」 なにか手のひらに一際やわっこいものが掠めた。 一瞬だが弘世先輩の声に色が混じった。 これはもしや……おもち!? 玄さん、俺やりましたよ。初めておもちに触れました。今晩は赤飯だな。 ようやく理解できた。 ここはどうやら備え付けの押入れの中で、布団やその他の雑多なものに紛れて俺と、 俺に抱えられるようにして弘世先輩が押し込まれているようだ。 菫「くっ、いいか須賀。とりあえずいったんここから出るぞ。貴様を尋問するのはその後だ」 そういって身を捩るが完全にはまり込んでしまっており俺達は抜け出せない。 菫「どういうことだ? 無理矢理とは言え入れたなら出れるはずだろう!?」 京太郎「……」 菫「そんな短時間で人間の体積が大きくなるわけ……」 暗闇に慣れてきた目に弘世先輩の顔が薄ぼんやりと映る。その顔には極大の嫌悪感。 菫「おい、この腰の辺りに当たる硬いものはなんだ?」 京太郎「えっと、その……リー棒とか、じゃないでしょうか?」 菫「こんな大きなリー棒があるか!?」 京太郎「いやいや、わかりませんよ? 大判トランプとかありますし、それにほら悪魔の証明ってあるでしょう?」 京太郎「まずは存在しないことを証明しないと」 京太郎「案外、大きなリー棒とかジョークで作られたりとかも痛たたたったたたっい!?」 弘世先輩が遮二無二にでも出ていこうとして俺の下半身に凄まじい荷重が加わる。 菫「うるさい! こんな不愉快な状況1秒たりとも我慢できるか」 京太郎「ちょっ! ホント、ホントに痛いんですって! 悪魔? 悪魔は実在したの!? 弘世先輩自身が悪魔なの!?」 俺は這い出そうとする弘世先輩の身体をガッチリ抱きしめる。 菫「あ、こら! なにを抱きついている! 離さないか!」 京太郎「いや、もうホント勘弁してください。ホント、マジで」 菫「じゃあこの状況をどうしてくれるんだ?」 京太郎「少しだけ時間をくれませんか? 時間が、そう優しい時の流れだけが僕らを癒してくれるんです」 菫「よし、わかった。君を気絶させよう。そうすればその超局部的体積膨張も解消され、ここから抜け出せる。そこから改めて君を処刑しようか」 京太郎「ひぃ!? なんでそんな実力行使なんですか!?」 菫「心配するな、これでも私は武道の心得があるし人体急所もきちんと把握している。顎を出せ、一瞬で昇天させてやろう」 京太郎「死にますよね!? それ死んでますよね!?」 菫「いいから早くしろ。私はあまり気が長いほうではない」 京太郎「あの、えっと……そうだ! そもそも弘世先まで一緒にここ入る必要なかったですよね!? 必死に捻り出した俺の疑問をぶつけると、押し入れ内に充満していた凄まじいまでの怒気が収まっていく。逸らせたか!? 菫「須賀。貴様、私の胸に触れたな。どう思った?」 京太郎「すみませんだした! お願い殺さないで! 俺まだ命が惜しい……」 菫「いいから答えろ」 京太郎「えっと、なんていうか。やんごとなき手触りで。いやすいません、正直思ってたより小さいというか」 菫「そうか……」 先輩の声には落胆。 京太郎「弘世先輩?」 菫「実は普段のあれはパットだ」 京太郎「」 最初に感じた違和感の正体はこれか。 ってかマジかよ。世界は嘘と欺瞞に満ちていた。もう、もう俺は誰も信じない。世界なんて信じない。 菫「……」 京太郎「あの……じゃあここに一緒に入ったのはそれを他に人にバレないようにってことですか?」 菫「……」コクン 京太郎「隠すくらいならなんでそんなこと……」 菫「元からこうだったわけではないんだ。ある日突然、朝目が覚めたら小さくなっていて……」 京太郎「」 どゆこったい。 アレか? 世界の修正力か? いや知らんけど。 玄さんがいっていたのはこれか。さすがおもちソムリエ、その審美眼に一点の曇りなし。 京太郎「だからってそんな隠さなくても」 菫「だって……」 京太郎「だって?」 菫「恥ずかしいじゃないか///」 京太郎「」キュン 可愛いなぁもう! 菫「だから須賀、できればこのことは他言無用で」 京太郎「わかりました。誰にも言いません」ナデナデ 菫「お、おい//////」 気付けば俺は弘世先輩の頭を撫でていた。 京太郎「は!? すみませんつい」 菫「いや、いい……ちょっとビックリしただけだ」 京太郎「そ、そうですか……」 菫「その、続けてもいぞ……?」 京太郎「え?」 菫「だから、頭、撫でてもいいぞ///」 京太郎「クスッ、はい」 なんだか腕の中に納まる弘世先輩の身体が一回りだけ小さく感じられた。 おおよそ四半刻が経ったころ。ようやく俺達は狭苦しい押入れから抜け出した。 菫「い、いいぞ」 背中越しに声。肌蹴ていたブラウスを正した弘世先輩に向き直る。 京太郎「あの、いろいろすみませんでした」 そしてありがとうございました。 菫「いや、いい。もう……///」 いつもハキハキとした弘世先輩にしては歯切れが悪い。 京太郎「そうですか? けどそれじゃあ俺の気が済みません。いずれこのお詫びは必ず」 菫「君の気が済むのなら、じゃあそれで」 京太郎「はい!」 菫「いいか、念を押しておくがこの件は絶対に他言無用だぞ」 京太郎「はい! 2人だけの秘密ですね」 菫「2人だけ、そうか2人だけの秘密か。ふふ」 京太郎「?」 なにやら嬉しそうだ。ぶっちゃけ玄さんにもバレてたし、案外知ってる人いそうだけども。 菫「頼むぞ京太郎」 京太郎「!? はい! 菫先輩」 いろいろあったが少しだけ弘世、いや菫先輩と仲良くなれた気がした。 ――――― ――― ― 淡「そういえばスミレって胸小さくなったよねー」アハハハ 照「知ってた」テルーン 菫「貴様らあああああああああ!!!」 それはそれは凄まじい折檻だったという。 京太郎「ってなんで俺まで!?」 菫「連帯責任だ!」 京太郎「理不尽だ!?」 みんな忘れてると思うけど、この合宿はインターハイ後の8月中旬から下旬にかけての期間に行われている。 8月といえば我々学生は夏休みの真っ最中なわけだが、っとくれば日本全国の学生諸君の大敵である、 そう夏休みの宿題も当然あるわけである。 優希「うあ~なんでこんな遠出してまで宿題なんてやらないといけないんだじぇ~」 京太郎「そら、お前がぜんぜんやってないからだろ」 優希「こちとらインハイ優勝チームなのに!」 和「たとえそうでも学生の本分は勉学ですよゆーき」 京太郎「事実そうなんだけど、ちょっとその意見には同意しかねる」 京太郎「そっちも悪いね。付き合わせちゃって」 玄「あはは、いいよ。ぜんぜん」 憧「まぁこっちも同じようなのがいるからね」 穏乃「あ~なんでこんなことしなきゃいけないの~」 どこも苦労するな。 そしてもう1人……。 淡「む~ん」 こいつ……。 京太郎「ペンくらい持てよ。やる気ゼロだな」 淡「だって~つーまんないー」アワーン 優希「大体京太郎! なんでお前はそんな呑気にしてるんだじぇ!」ガタッ 穏乃「そうだそうだ! 京太郎はどう考えてもこっち側の人間だ!」ガタタッ ぎゃーぎゃー騒ぎ出す。いいから口じゃなくて手を動かせ絶頂バカ2人! 京太郎「は? そりゃお前俺は時間だけはあったからな。コツコツやってたんだよ」 京太郎「まぁ大半テキトーに埋めただけだけど」 和「それもどうなんでしょうか」 優希「くっ、のどちゃんや咲ちゃんはともかく京太郎はこっち側だと思って高を括っていたのに」 穏乃「酷い裏切りだよ! こんなのってないよ!」 京太郎「ちょっとその俺も同じタイプ認定やめてくれる? お前らが仲良いのわかったからさぁ。俺そっちのグループ入りたくないんだけど」 優希「春は曙、曙って?」 京太郎「明け方ってことだ」 優希「やうやう白く、やうやうって?」 京太郎「徐々にとか、だんだんととかってことだ」 優希「なりゆく山際、山際って?」 京太郎「山と空の境界線の、っていうかあのさぁ」 優希「なんだじぇ?」 京太郎「一節ごとに聞いてくるのやめてくれない。なんかそういう規約でもあるの?」 優希「そんなのこの文章に言ってほしいじぇ! なんでこんな読みにくいんだ、そういいたいなら最初っからそう書けばいいのに!」 京太郎「いや、うん、まぁ、そうだけどさ、これ古典だし。言い回しってのも覚えると結構便利なんだぞ?」 優希「知らないんだじぇ! 私には関係ないんだじぇ!」 京太郎「だじぇだじぇ言いやがってこいっつぅ~」 穏乃「なんで英語なんて勉強しなくちゃいけないの~」ムーン 憧「なんでって」 穏乃「大体私達は日本人なんだから! 日本語だけで十分じゃん!」 京太郎「地球人だろ地球語勉強しろ」 京太郎「それに日本語の勉強って、それはそれでアレだぞ」 俺はうんうん唸っている優希の方を指差す。 優希「のどちゃ~ん、これ教えて~」 和「この『たなびきたる』の『たる』は、助動詞『たり』の連体形止めで、これは体言止めと同じ働きを」 穏乃「日本語って難しい……」 京太郎「英語といえばさ。俺、以前部長の指令で姫松に遠征に行った事があるんだけど」 憧「ふぅん、それで」 京太郎「そこの主将の洋榎先輩が英語の授業で『I can fly』のlがrになってたらしく」 憧「ぷふっ」 察した憧が小さく噴出す。 京太郎「これって直訳すると『私はからあげになるぞ!』って意味なんだよな」 京太郎「主将これは痛恨のミス! 末原先輩達にしばらくネタにされてたんだわな」 玄「それは、なかなかのなかなかだね……」アハハ 玄さんのリアクションに困ったかのようなぎこちない笑い。わかります。 京太郎「今どうしてんだろな、からあげ先輩」 ――――― ――― ― 洋榎「はっ! 今ガースーがうちのこと考えてるような気ィする」 絹恵「おねーちゃん頭大丈夫?」 恭子「あかんやろなぁ」 淡「クロー、これはー?」 玄「あ、えっとね。これは3ページ前の……これ。この公式に数字を当て嵌めて」 京太郎「あなたそれ20分くらい前にも聞いてなかった?」 淡「だって忘れちゃったんだもーん」 博士の愛した数式かよ……4分の1しか保ててないけど。 京太郎「淡って得意な科目とかあんの?」 淡「ありまへん」 京太郎「え、じゃあ苦手な科目は?」 淡「恋?」アワ? ぶ、ぶん殴ってしまいたい……。 優希「淡ちゃんがんばるんだじぇ! 私も痛みに耐えてがんばるから!」 淡「ユッキーがそこまで言うならがんばる!」ムン 和「痛みに耐えて?」 京太郎「なんか政治みたいな話になってきたな」 玄「け、けど。京太郎くんって意外と真面目なんでね」 間を取り持とうと話題を振ってくる玄さん。 京太郎「俺って基本どんな風に見られてんだろうな?」 憧「見た目通りでしょうよ」 京太郎「左様で」 和「そういえば咲さんが、須賀君は赤点の補習でインターハイ一緒に行けるか、なんて話を以前してましたよ」 優希「ほら見ろ! ほーら見ろ! やっぱり犬は所詮犬だじぇ!」 京太郎「うっせ! 俺だって真面目にやれば赤点なんて取らねぇんだよ!」 憧「じゃあ不真面目にやったらどうなるのよ」 京太郎「実は中2の一学期にな、クラスの奴と赤点チキンレースなるものをやってな」 憧「なにその聞くからに頭の悪そうなレース」 京太郎「まぁその名の通り、いかに赤点ギリギリを多くの科目で取れるかという過酷な競技でな」 和「あ、大体察しました」 京太郎「まぁ予想の通り盛大にオーバーランしたんだわ俺、その数なんと7つ。で、補習で夏休みの大半を消費しちまってな」 京太郎「咲と約束していたプールだとか夏祭りだとかをほとんどぶっちぎってしまい」 京太郎「これには普段温厚で通ってる咲さんもぶち切れてね」 京太郎「機嫌を直すまでしばらくかかってな、二学期になっても1週間くらい口利いてくれなった」 優希「アホだじぇ」 穏乃「アホだ」 憧「アホね」 和「アホですかあなたは」 淡「アーホー!」 ぼろくそ言うなこいつら。 玄「でもほら、今年は大丈夫だったみたいだし合宿もこうして一緒に参加出来てるから良かったよね!」アセアセ 京太郎「さすが玄さん! 俺のことをわかってくれる高徳の聖者はあなただけだ!」ニギ 俺は身を乗り出し、対面に座る玄さんの手を握る。 玄「はわわわわわ!?///」 急に顔を赤らめる玄さん。熱かったのだろうか。冷房の設定いくつだったっけ? 京太郎「玄さん……」ジッ 玄「京太郎くん……///」ポォ しばし見詰め合う俺達。 淡「むぅ~いつまで見詰め合ってんの!」ピシッピシッ! 小さく刻んだ消しゴムの欠片を指先で弾いて跳ばしてくる淡。 京太郎「くっ、地味な攻撃ながら心にズンとく来る!?」 玄「……」ニギニギ ガチャ 晴絵「ん……お! 雁首揃えて何してるかと思ったら」 扉が開き、そこから顔を覗かせたのは赤土先生。 晴絵「ほぉ、宿題とは関心関心」 憧「やだハルエ、そんな教師みたいなこと言って」アハハ 晴絵「教師ですが」 穏乃「センセー! なんで学校ってこんな勉強しなくちゃいけないんですか!?」 晴絵「なんでってそりゃ、将来のためとかいろいろあるでしょ」 穏乃「学校の勉強なんて将来役に立つわけないじゃないですか!」 晴絵「先生もそう思ってた時期があったんだけどね」 晴絵「社会に出てから、これが案外使うから困り物なのよ」 京太郎「先生も苦労してるんですね」 晴絵「ありがとよ」 心底嫌そうにお礼を言われた。 京太郎「どういたしまして」 憧「ハルエはこれから?」 晴絵「灼とちょっとドライブ」 和「そういえば、小学校の頃から気になっていたんですが憧は何故先生に対して呼び捨てなんですか?」 晴絵「私が許可してんの。気安いほうが私も楽だし、年功序列は年寄りに悪しき風習だからね」 穏乃「私は先生は先生って感じだな~」 晴絵「穏乃は良い子だね!」グリグリ 穏乃「あはは、やーめーてーよー!」 口では拒否しつつも決して振り解こうとはしない穏乃。師弟、微笑ましい光景である。 京太郎「ふむ……気安い感じか」 優希「どうしたんだじぇ?」 京太郎「よっしゃ、ハルエちょっと焼きそばパン買って来い!」ピッ! 晴絵「調子に乗るなよ青二才」 先生が去って再びここ。 京太郎「なぁ、俺、今どんな顔してる?」 穏乃「んとね、ストⅡの負けたキャラの顔グラみたいな顔」 京太郎「マジか。ちょっと写メ撮っとこうかな」パシャ 憧「はいはい。横槍入ったけどほら、宿題の続き」パンパン 手を叩いてその場を仕切り直す憧。 優希「ちぇ~このまま煙に巻けるかと思ったのに」 穏乃「憧は容赦ないな~」 憧「このまま見限ってもいいのよ?」 穏乃「やるよ! ゆーき!」 優希「合点だじぇ! しずちゃん!」 淡「スピー……」Zzzz 全員「え?」 玄「寝ちゃってるね」 憧「やけに静かだと思ったら」 京太郎「あの、もうホント俺こいつもう見放したいんだけど」 和「大星さんは寝てしまったようですし、どうしましょうか?」 京太郎「起こす? 起こす!? 鉄拳で!」 俺は右の拳を硬く握り締める。淡を叩き起こせと轟き叫ぶ。 玄「可哀想だよ~こんな気持ち良さそうに寝ちゃってるのに」ナデナデ 淡「ふにゃ……」Zzz 京太郎「じょうがねぇなぁ」ガタ 悪態をつきながら俺は席を立つ。 穏乃「どかしたの?」 京太郎「そのまま寝てて風邪でも引かれても寝覚めが悪いからな」 京太郎「なんかかけるもん取ってくる」 ガチャ、バタン 穏乃「なんだかんだいって優しいよね、京太郎って」 玄「だね~、気配り上手だよね」 和「そうですね。須賀君自身はなんでもないことのように振舞ってますけど」 優希「それがあいつの良いところだじぇ」フンス 和「特にゆーきは日頃からお世話になりっぱなしですよね」 和の声に僅かにからかいの要素が含有されていた。普段の彼女からは珍しい行為である。 優希「ちょ、違うじょ! 私は犬の飼い主として普段から躾を」 憧「とかなんとか言って~ホントは構ってもらいたいだけのくせに~」ニヤニヤ その空気に便乗し、ここぞとばかりに優希を弄りだす。 玄「あはは、仲良しさんだ~」ニコニコ 一緒になって笑う玄。この人に関しては本気でそう思っているんだろう。 ガチャ 穏乃「お、帰ってきた」 京太郎「ただい、……なにこの雰囲気?」 帰ってきてみると、女性陣はなんともいえない雰囲気に包まれていた。 和と玄さんは楽しそうにニコニコと微笑み、憧は訳知り顔で朗笑している。穏乃だけは平常運転。 優希だけがなにやら納得いかないといった顔で俺を睨んでくる。心なしか顔も赤い。何故だ? 京太郎「なに怒ってんのお前?」 優希「なんでもないじぇ!」 怒鳴られた。不合理だ。 憧「それよりかけるもの取ってきたんじゃないの?」 京太郎「おっとそうだった」 憧の指摘で本来の目的を思い出す。 京太郎「タオルケットみたいな手頃なものが無かったからダンボール持ってきた」 憧「何故そうなる」 俺は畳んであったダンボールを広げ、底辺だけをガムテープで止めると即席で箱を組み上げる。 京太郎「そうだ、名前も書いといてやろう大、星、淡っと」 油性マジックで側面に超前衛的な字で署名をしておいてやった。 京太郎「どうだこの特別仕様感。きっと喜ぶぞこの天然記念物バカは!」 ダンボールといえば咲のアイデンティティーだが今回は同い年のよしみで見逃してもらおう。 俺は机に突っ伏して寝ている淡の上にそっとダンボールを被せる。 うん、完璧。 和「あれは絶対根に持ってますね」 憧「淡が起きた後がさぞ見ものね」 不穏当な会話が聞こえるが華麗にスルー。 ___________ .... -‐'''¨´ .... -‐''''¨^| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | |__ | | 大星淡. | / <Zzz… | | .. ''´ |________|_.. -‐'''¨´ / / '――――――――' 京太郎「『だよー』、『なのよー』、『ですよー』……『三よー』!!」 和「なにを言ってるんでしょうか彼は」 憧「あたしに聞かないでよ」 穏乃「わかった! つまり『よー』の部分がかかってるんだ」 京太郎「さすが穏乃! よくわかってくれた、俺のこの難解なギャグをよくわかってくれた」 玄「わかる?」 優希「さすがに無理だじぇ」 穏乃「understand、う、うんだー……?」 京太郎「アンダースタンドな」 穏乃「意味は?」 京太郎「理解する」 穏乃「ほうほう。り、か、い、す、る……っと」 京太郎「ちなみにアンダー(下)がスタンド(勃つ)するって意味じゃないぜ! アンダスタン?」 憧「ちょっと、京太郎ちょっと」 京太郎「なんじゃらほい」 憧「黙れ」 京太郎「はい」 穏乃「さぁいい具合に場が白けてきたところでなんかして遊ぼう!」 憧「いやシズは宿題やりなさいよ」 優希「今日はもう十分やったよ! もうそろお開きでいいと思うじぇ」 京太郎「そんんだからお前らは、今この結果があるんだろうが」 厳然たる事実がそこには横たわってますよ? 京太郎「そんなんで休み明けのテストとか大丈夫なんか?」 穏乃「大丈夫! 私、本番に強いタイプだから」 優希「私も私も!」 京太郎「ホントか~」 自信満々で言ってのける穏乃に怪訝な視線を向ける。 穏乃「ホントだよ!」 京太郎「じゃあ得意な科目は?」 穏乃「ずがこーさく!」 『折り紙』とは、 正方形の色紙を決まった手順で折り動植物や生活用品などを形作る日本伝統かつ、日本起源の遊び。 古くは千代紙と呼ばれる和紙を使用した。 もっとも一般的な正方形の紙を使用する不切正方形一枚折り。 いくつかの部分に分けてそれを組み合わせる複合折り。 紙に切り込みを入れて角の数を増やしたり一部を切り取ったりする切り込み折り。 形作ったものを動かせる玩具として作られた仕掛け折りなのどがある。 憧「ってなんであたしたち折り紙なんてやってるのよ」 京太郎「そらお前、穏乃が工作得意だって言うから」 完成した風船を机に置く。 京太郎「まぁいった本人はアレだが」 穏乃「うにゃ!? またズレた!」 和「…………」バババババババババ 玄「和ちゃんは折り紙を見た瞬間、折鶴職人みたいになってるね」 和の周りには出来上がった折鶴が群舞となって散乱する。 京太郎「ああ……いるいる、クラス1人はこういう女子」 和「ふぅ……」 一段落したからか洗脳が解けたのか、和は忙しなく動かしていた手を止め額を拭う真似をする。 京太郎「和はなんていうか、……すごいね」 俺が賛辞を送ると、和は今で見たこともないような朗らかな顔で笑う。 和「そうですか!? 私、折鶴には少し自信があるんです!」 やや興奮気味に詰め寄ってくる。こんな和かつてないな。 和「実は『秘伝千羽鶴折形』も愛読してまして」 なにそれ? 魔導書? 和「これは原本はもう手に入らないんですが、改訂版が出版されてて」 なんだこいつの目。目が離せねぇ、キラキラ輝いてまるで星みたいな……。 玄「そういえば和ちゃんがまだ吉野にいたころ」 玄「赤土先生のお誕生日会をやろうってなった時もこんな風に折り紙で飾り付けとかしたよね」 憧「やったやった。色紙切って連環にして飾ったりね」 穏乃「花とかも作ったよね。紙だけど」 和「懐かしいですね」 言葉の通り、昔を懐かしむように和が目を細める。 玄「またこうやってみんなで集まれたらなってずっと思ってたから、とっても嬉しいよ」 憧「ま、それもシズの行動力のおかげかしら」 穏乃「憧は最初、断ったくせに~」 憧「もう! そのときの話はもういいでしょ!」 玄「あははは」 幼馴染組が仲良く談笑しているのをよそに俺は何かに没頭している優希を観察する。 京太郎「それ、さっきからなにやってんの?」 優希「これか? ふふふ、見ろ! 折り紙で作ったタコスだじぇ!」 優希はドヤねん顔でその白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物を俺に突き出してくる。 眼前の物体を反芻するがやっぱり白と緑と赤と橙の色紙を重ねて折っただけの物にしか見えない。 京太郎「いやどう見ても色紙を重ねて折っただけの物にしか見えんのだが?」 優希「犬の目は節穴か! よく見るんだじぇ!」 そういって優希は同じ物を大量に作り出す。 なんだこの不毛な生産光景……。 京太郎「よし! お前のそのタコスに対する飽くなき執着心はわかった。ちょっと待ってろ!」 それだけ言い残すと俺は再び部屋を出て行った。 穏乃「またどっか行ったね」 和「ゆーき。まさかまたなにか無茶を言ったんですか?」 優希「言い掛かりだじぇのどちゃん! 私はなにも言ってないじょ」 憧「どうせいつもの発作でしょ? 放っておけばその内戻ってくるわよ」 玄「て、手厳しいね……」アハハ トン 憧「あ、玄それ……バラ?」 玄「うん!」 穏乃「へぇーよく出来てますね」 憧「これ難しい? 簡単?」 玄「簡単だよ。慣れれば2分もかからないくらい。良かったら教えようか?」 玄「他にもアサガオ、アジサイ、コスモスとかもあるよ」 穏乃「教えて教えてー!」 憧「玄先生教えてくださーい!」 和「この感じ……」 園児『のどか先生ー!』ワーワーキャッキャッ 和「~~~///」ポワァー 玄「和ちゃん?」 憧「なんか咲いてる」 ガチャ 京太郎「待たせたな!」 穏乃「遅かった じゃないか」 俺は開いた片手で後ろ手に扉を閉めつつ、もう片方で持っていたトレイをテーブルの上に置……こうとしてその異常性に気付く。 京太郎「って、うお!? なにこの薔薇園? ちょっと退けて退けて」 俺が手で横に退けるようにジェスチャーを送ると、女性陣によってテーブルにスペースが作られそこに持ってきたトレイを今度こそ置く。 穏乃「なにして来たの?」 京太郎「これよ!」 トレイの上の皿に山積みにされいていたのは、 優希「タコスだじぇ!」 言うが早いか、優希の手がサッと翻り我先にとタコスを頬張る。 後、ついでにみんな喉渇いたんじゃないかと思ってお茶淹れてきた。 京太郎「どうよ優希、これが本物のタコスだ」 優希「ん、ん~?」 咀嚼しながら、自身が先ほど作っていた良くわからない紙の集合体に目をやる優希。 優希「んぐ、なんだぁ!? この紙切れはぁ!!」 そういって紙切れをテーブルに叩きつける。 京太郎「いや、それお前が作ったんだろ」 穏乃「これ私たちも貰っていいの?」 京太郎「おう! たくさん作ったからいっぱい食ってくれよ」 和「ありがとうございます♪」 玄「いただきます!」 憧「それにしても見事な手際ね」 京太郎「慣れりゃ簡単なもんよ」 憧「高1の男子が料理に慣れって……」 京太郎「いや~、実は1学期の家庭科の調理実習と裁縫の実技でA評価を貰ってしまってな」 京太郎「これは喜んでいいのかどうか……」 和「ま、まぁ成績が上がるのは良い事ですよね?」タジ 京太郎「そういうそっちはどうなんだよ。一応、女子高だろ?」 憧「あたしはそれなりには出来るわよ」 玄「旅館のまかないは私の担当ですのだ」 優希「タコスうまー!」バクバク 穏乃「これなら毎日でも食べたいよー!」バクバク こいつらはダメそうだ。 優希「やはり犬のタコスは絶品だじぇ、まぁそこにこそ価値があるからな!」 京太郎「お前は俺を全自動タコス製造機かなんかと勘違いしてないか?」 憧「前脚の使い方がお上手だものね」 そう言いながら憧が俺の右手の甲を摘んでくる。それを振り払いつつ、俺も負けじと言い返す。 京太郎「お前もさり気無さを装うことなく俺を犬扱いするんじゃねぇ」 憧「そうね、犬の方が賢い物ね」プクク 京太郎「玄さん! あいつが、あいつがー!」 悪びれる素振りを見せない憧を指差しつつ、玄さんに泣き付く俺。 この上なく情けない光景だが、そんなん知るか! 俺は味方がほしい。 玄「もう! そんな言い方ダメだよ憧ちゃん」ナデナデ 京太郎「そうだよ! 憧ちゃん!」 憧「ちゃっとなにいきなりちゃん付けで呼んでんのよ!」 京太郎「だって~」 玄「女の子だも~ん」 京玄「「ね~♪」」 そういって笑い合う俺と玄さん。うん、見事なコンビネーション。 憧「しゃぁぁ~~らくっせぇぇぇぇ~~……(巻き舌気味)」 穏乃「ぶふぅ!? ちょ、憧! 顔、顔!? すごいことになってる!」 放送コードに引っ掛かりそうな凄まじい、筆舌し難い憤怒の形相を浮かべる憧。 マジで怖いんだけど。 京太郎「よっと、これで完成」 玄さんに教えてもらった通りにバラを折る。 顔に真っ赤な紅葉を浮かべながら赤いバラを折る俺。う~ん、マンダム。 京太郎「ちょっとよれてるかな?」 玄「そんなことないと思うよ?」 和「須賀君は本当に器用ですね」 京太郎「こういうチマチマした作業は昔から得意なんだよ」 京太郎「なんか俺の人生そのものみたいで」 和「嫌な表現ですね」 京太郎「しかし、これはちょっと作り過ぎじゃないか?」 穏乃「調子に乗って遊びすぎたね」 俺と穏乃は今やすっかり忘れ去られた眠れる淡、 その淡が被るダンボール箱に作った花や鶴、連環や切り紙のレリーフを糊で飾り付けている。 なんか邪教の祭壇みたいになってきたな。 淡「ふにゅ……」Zzz 俺は細く切った紙に花やレリーフをくっ付け即席の花冠を作る。 それをソッと、穏乃の頭に載せる。 京太郎「結構似合うじゃん」 穏乃「任しといて」フフン 京太郎「うん?」 溢れかえる折りバラの中に1つ珍しい物を見付ける。 京太郎「なんか青いバラが混じってるぞ」 玄「ホントだね」 玄「そういえばブルーローズは自然界には存在しない花という事で、花言葉には『不可能』や『奇跡』って意味があるらしいよ」 玄「後、『神の祝福』とか」 玄「もっとも今は品種改良が進んで実在するそうなんだけどね」 和「なんだかロマンチックですね」 京太郎「玄さん詳しいですね」 玄「おねーちゃんがお花とか好きで、一緒に見てたら自然とね」 あー、なんか納得。 憧「へぇ。で、誰がこれ作ったの?」 穏乃「あ、それ私」 なんでもない事のように普通に穏乃が手を挙げる。 京太郎「え”」 憧「しししし、シズがバラを創造した!?」 和「しかしこれはなんとも見事の川崎ローズ!」 京太郎「まさに奇跡!」 穏乃「いや、それアサガオのつもりだったんだけど」 京太郎「え、なに? お前んち実は錬金術師の家系なの? とうとう摂理超えちゃったの?」 穏乃「いえ家は代々和菓子屋ですが?」 穏乃「だって私、山登りばっかりしててこういうのあんまりやったことないんだもん」ブーブー お前さっき得意科目は図画工作って言ってたですやん。 京太郎「なに、じゃあそんな小さい頃から山に登ってたのか?」 穏乃「そうだよ! 吉野の街の子は5歳も過ぎればみんな山で修行して育つんだよ!」 京太郎「……」チラッ 俺はさり気無く穏乃の同郷の友に視線を送る。 憧玄「「」」ブンブンブンブンブンブン!! すげー勢いで首を左右に振る阿知賀メンバー。 さすがにそのレベルはお前だけらしいぞ。 穏乃「いやー、うち、おかーさんがさぁ『穏乃はもっと女らしくしなさい! 山は危ないから無闇に入っちゃダメ!』って」 穏乃「その抑圧された感情が、ね? だから私、日頃からいかにして山に行こうかってそればっかり考えてたよー!」タハー 京太郎「猛獣かお前は」 和「花言葉って面白いですよね」 憧「いろいろあるわよね。しかも大体2つ通りで、意味が反転してたりするの」 京太郎「タロットに通じる物があるな」 玄「たとえばこの黄色いバラだと、『友情』または『誠意がない』とかかな」 京太郎「なんか今日の玄さん格調高いね」 憧「友情、誠意がない……」 憧「京太郎は後者かしらね~」 したり顔でそんなことを言う憧。 京太郎「どーゆー意味かなそれ?」 憧「言葉通りの意味だけど」 京太郎「おいおい俺は誠実さと爽やかさと透明感でここまでやってきたんだ」 憧「ああ、モテない男が大事にしてそうな語群ね」 京太郎「言ったなこの野郎っ!! ちょっと澄ましたキャラ気取りやがって実はこっそり絵日記つけてるくせに!」 憧「ななな、なんであんただそんなこと知ってるのよ!? 見たの!? 読んだの!?//////」カァァァ 京太郎「穏乃に教えてもらった」ケロ 憧「シィィィィィズゥゥゥゥアァァァァァァ!!」 穏乃「うわぁぁこっちに振るなぁ!?」 和「もう! どうしてあなたあなた達は仲良く出来ないんですか」バン 机を勢いよく叩きさすがに和が仲裁に入る。 京太郎「い、いや待て和。これは俺と憧なりのスキンシップなんだよ!」アセアセ 憧「そうそう、仲の良さって別にベタベタするだけじゃないと思うのよね!」ワタワタ 和「本当ですか~?」ジトッ うろんげな表情でこちらを伺う和。 あ、これぜってー信じてねぇ。 京太郎「憧もほら、嘘でもいいからいっぺん俺のこと好きって言ってみ?」 憧「え~しょうがないな~」 まさに不承不承を絵に描いたような表情である。 憧「コホン」 _. .-. . . . ̄. .゙. . . 、 , '´ . . . . /. . . . . . . . . .ヽ / ;ィ´ / . . . .ヽ. .\ _,-─tァヽゝL _/_ ,' | . . .゙ . . ヽ ,〃,r‐'7ハ レ!__,'_ ;イ | /!! ヽ. l . . .、 / 〃 l ト、| .| ハ Tハ! | { || .| | ゙. .!_l |ミヽ、 ,' ./ ! | | LL_ヽ| ! || ! |'T ‐ -|、 | ト、 !| \ ヽ ,' / .| . | | ハチ≧ト、|ハ !土_ヽ | | ! .|. .ヽ!! ヾ.、 ,'/ λ .r=| |.{ ;; Cヾ ヽ|チ不≧!/! | !. ./,'| ヾ 、 |l ハ | (! !`ー'' { {゚ ;; C | | .! .|, './|j ヽl 好きよ、京太郎。 || | |ヽト、! .!xxx ' ` ー'' ,イハ| | /. l || | !. |N l .ミト、! .| 、 xxx /ノノ ! .| _;| | ! | l r、 .N .ト {ヽ !、 ー ,イf.l´. . | .j//ハ l .| i! | \\ | ゙、| | ヽ | 、_ .... -≦| . . .| ! . . .|,.'/ . ∧ .| .|. 从! l\\ | | l ! | |ヽ| ! . . .| | / ,イ| ゙、 ヘ ! .| ハ ト l Lf~ヽ `_ヽ_ !|ヽ ||、-、ヽ _L`_r"∠! ! ∧ | . ! ,' | !ミ、 | 、ゝ.|´ヽ ヽヽ ヽ-、 ,.r! >‐'{ | |ノ|ノ7 | . .ヘ. ,' . |! |,' |!| ヾ,へ.ヽハノ、/ ̄`ヽヾ´ ̄`| \_ヽ_!__! .| /| .! . ∧ ./ . . !i! |i| ! | |\,ゝ | ヽ | /´ /` ̄ヽ | . .∧/ . . . ||i! 言わせておいてなんだけど凄まじく疑わしい。 京太郎「本当かよ」 憧「いや、嘘だけど」 京太郎「嘘とか言うなよ」 憧「いや、だって嘘でも言えっていったじゃない」 京太郎「憧ってもしかして俺のこと嫌いのか?」 憧「好かれてるとでも思ってるんなら京太郎の頭はおかしい」 京太郎「」 なんだこの一連のやり取り。 和「嘘をつきましたね。嘘をついた須賀君には罰を下します」 京太郎「え!? 嘘ついたの俺じゃなくね!?」 和「言い訳は聞きたくありません。罰として原稿用紙3枚分の反省文を書いてください」 和「もしくは『将来の夢』をテーマに作文を書いてください」 京太郎「うう、僕の将来の夢は~……」カリカリ 俺の将来の夢か。 やはりそれを語るに当たって欠かせないのが俺の中学生の頃の話だろう。 それは遡ること3年前……ブツブツブツブツ ガチャ 咲「こんにちわ~」 和「咲さん?」 優希「んぐ、いや~食べた食べた」 穏乃「まだ食べてたんだ……」 憧「あれ? 咲ってチャンピオンと出掛けてたんじゃなかったっけ?」 咲「うん、そうなんだけど。今帰ってきて聞いたらみんなここだって」 玄「おかえり、紅茶飲む?」 咲「あ、ありがとうございます」 玄「どういたしまして♪」 咲「ところでさっきから京ちゃんはなしてるの?」 京太郎「ん? おお、咲か。今ちょうどお前の自叙伝書いてたところだ」 咲「なにしてるの!?」 京太郎「タイトルはこう、単純に『咲』と」 京太郎「いや、これは過去話に当たるわけだからなんか副題つけるか『咲~過去編~』。いや、『咲~中学生編~』 京太郎「ん~『咲-Saki-中学生編 episode of Once Upon a Time 在りし日の二人』ちょっとくどいかな? いやいいか」 京太郎「これは面白い! これは売れる!」 京太郎「皆さんも是非、お茶の間の皆さんも是非これ買ってくださいこれ。全国の書店にて絶賛発売中!」 和「誰に向かってしゃべってるんですか?」 憧「壁のほう向いてることはだけは間違いないわね」 京太郎「あれ? 俺今なにしゃべってた? なんか一時のテンションに身を委ねてわけのわからないこと口走ってた?」 咲「うん。そこだけは間違ってないね」 京太郎「まぁいいや。どうせここ編集でカットするし」 憧「残念これはライブ中継」 和「人生に編集点なんてそんなオカルトありえません」 僕の将来の夢は本の印税で優雅に暮らすことです。 咲「なにこれ?」 咲が怪訝な表情を向けたのは邪神崇拝の祭壇。……ではなく淡が被るダンボール箱。 京太郎「バカ! 不用意に近付くなその下には世界によって封印された暴虐の邪神が眠ってるんだ」 京太郎「静かに、静かにこっちに来い」 咲「う、うん……」 頷くとゆっくりと戻ってくる。……と。 ガタッ 咲「あ……」 咲が淡の座っている椅子に脚を引っ掛けた。 京太郎「あ……」 淡「う、う~ん」 呻きを零しながら、ダンボールがモゾモゾと鳴動する。 淡「あわ!? なにこれ暗い!?」 淡「なにこれ? なにこれ!?」 ガタガタと動くダンボールもとい、淡。 優希「京太郎の仕業だじぇ」ボソ あこらバカ! 優希てめぇなに火ぃくべてんだよ!? 動きがピタリと止まる。 ダンボールの天面に貼られたガムテープが白磁のような10本の指で押し上げられ、 張力限界を超えて剥がれ落ち、蓋の部分がゆっくりと開かれる。 淡「キョォォォォォォタロォォォォォォォ…………」 地鳴りのような底冷えする声。現れたのは髪を大きく逆立て、口元は憎悪に痙攣し、眼球には毛細血管が浮かんでいる、 これでもかというほど装飾のあしらえられたダンボールを胴体とし、赫怒の炎を背景効果に纏った異形の邪神がそこにいた。 麻雀の対局中ですら、こんな激烈な殺気を放っている奴になどいまだかつて出逢ったことがない。 京太郎「なぁ、俺、今どんな状態になってる?」 穏乃「んとね、わかりやすくいうと小説版デビルメイクライのギルバ」 京太郎「つまり包帯でぐるぐる巻きってことだな?」 和「わかりにくいネタ持ってこないでください」 淡「ふんだ!」バクバク 京太郎「ちくしょう、愚かしいほどの真摯な善意でやったことなのになんでこうなるんだ」 淡「そりゃ寝たのは私だけどさ! ダンボールは無いでしょダンボールは!」 京太郎「だから手頃なもんがなかったんだって」 淡「じゃあ、……その、上着とかでもいいじゃん」ボソボソ 京太郎「え? なんだって?(難聴)」 淡「なんでもないもん!」 優希「すまんじぇ淡ちゃん、うちの僕用犬が」 淡「ううん。ユッキーは悪くないよ」フルフル 京太郎「わかるぞ、その『ぼくよう』って字が牧羊じゃなくて『しもべ』って意味の僕ってことが俺にはわかる」 優希「うっさじょ犬」 淡「そーだそーだ犬~」 京太郎「なにこの仕打ち。ちくしょう淡まで俺を犬扱いしてきやがる」 淡「犬~犬犬犬犬犬!」 京太郎「あ? 俺が犬ならじゃあお前は猫か?」 淡「私のどこが猫なのよ!」 京太郎「その自分勝手なところとか、気分屋なところとか、後エサやってるとき以外はまったく可愛げないところだろうが!」 淡「ふ~んだ、猫らしさっていうのは自分でルールを決める自由さ。飼い犬とは違うのよこの首輪ヤロー!」 京太郎「こっの……はぁ、なんか疲れた。これやるから機嫌直せよな」 俺は手元に残っていた折りバラの中から白いバラを1つ取り上げ淡の頭に載せる。 淡「ふん、こんなんで誤魔化されるわけ、」 玄「淡ちゃん、淡ちゃん」チョイチョイ 淡「なぁに? クロ」 玄「白いバラの花言葉はね、『私はあなたに相応しい』って意味なんだよ?」ボソボソ 淡の目が見開かれる。玄さんがなにやら耳打ちしているが俺の位置からでは聞き取れない。 淡「もうもう! しょうがないな~キョータローは~」アワアワ え?! なんか一瞬で機嫌が直ってるんだけど? 白いバラを手に握り360度どこからどう見てもニコニコ顔である。 視線を向けると、玄さんが指でOKの形を作りサインを送ってくる。 よくわからんがさすがベスト・オブ・マイフレンズ。 京太郎「そういえば、一番代表的な赤いバラの花言葉ってなんなんですか?」 玄「え?」 俺の質問に、玄さんは一瞬虚をつかれたような顔になる。 玄「え、え~とそれは……///」 口ごもる玄さん。 え? そんな言いにくいことなん? 映画や小説でもよく贈り物とかになってるし良い意味なものだとばかり思ってたけど実は不吉な意味があるとか。 和「あ、それなら私も聞いたことありますよ。確か……」 ___ ,. ' ´ . . ` ヽ___ ,.-、r/ ; ; . . , . . .;. ヽ `〈 i | / / / / . /i i ! i ハ 、 . ゙、 ..、゙、 { } i . i . i. i| . | .! | . | .|_!_゙、、 . i| . |. .! |、 ,! | || || ;!-‐!ハ ! !ハ-!`|iヽ!| . i .|‐'ヾゝ ∠/ i. | |.! .|リ!_」_!、_ヽ、!ゝィ=‐、リ! ノノ!_,、_〉 ーァ|、!、!、! /!、 i` ト; ! 〉i;イノ | | .`ヽ!゙、ヽゞ-' ,  ̄ |ノi | | . .| |ゝ、 '''''' __ ''"" / | ! ! 私を射止めてください! とか i / リ/i \_ ´ー ′ /| . | |. | r-、 // / .ハ!__!__/ノi ー--‐' |_ | ./ .! ヽヽ.// / ./ァ' ̄/ r' |; \/ i| | .,)┴'ヽ/ ./' . . / ト、 __/ |. || | ;' 、ヽノ|./ . . / ト--へ/ | || ト、 |ヽJ┘ノ/ . . /\ | / |... || | | /⌒ _>、/⌒ Y¨¨¨ 、 /´> ´ , } \ , ´ / 、 ヽ / / ' | | ∨ . ー‐イ' / / | | l } | | | . / ' ' / |{ | / /| } l | | // / { |-+-|、 | ,-}/-}/- / } { / ,..イ , 从,ィ=从{ l / ィ=tミ}イ/ /_ 从  ̄´ |∧ { Vリ ∨' Vり /' /- } / } / 从ム , ム,イ-、/l , . r ' /|/ 八 __ _ / / 、 イ Ⅵ \___ イ |ヽ 「 、 | r <///| |/}_」 |//(_)//|_ , <///〈 ,」////イ////> 、 r--- <////////∧ /////////////////> 、_ //////////////〈/ }---{///////////////////////ハ {//|////////////Ⅵ |////////////////////////} |//|//////////////| /////////////////////////l| |//|//////////////{__/////=====///イ///////| ,...-‐ ‐-.、 / `ヽ /. . . . . . . . . . . , . . . . . . . . . . . . . \ / . . . .. . i. . . i . . . | . . . . . . . . . . . .、 . . . ヽ / . . . . . .; . .| . . i| . . . | .i . ... | . i i ゙、 . . ゙、. / . . .i . i .| |_;. !.| . . . | .| .-‐ト-、|_ . .| . . i . . . .i / ||. . 、'´!、 |丶 . . i、!ヽ . !_\!.i` | . . . ! . .. . | i i .;ノ! .i . . .`、≠ヾ、\! '!_  ̄ヽイ . . / . . . . | レリ''"ト、!、 . .V.r' ! r' ;、 } '! . /ヘ . . .! | | . . . ヽi゙ 、;ン └-‐' レ'∫ } . /リ | .i、 . . .| " " ' " " _,..イ /. V \ .ト、 __ ,.ィ' .;. .ノレ′ ` ` 、_ ´ / И/ ` i' ´ !_,..、 / フi / \ ノ 〔 ′_/ ,,=≧ー-、 ,ィi" |_ / ;; '"/ `ヽ i i i、!i | / ;; " // ,; ===| |i !.\=、 ! /; = " / ./ / | |.i ヽ __ヽレ'― . ' " , .イ / ! |. |. V 「`T´ ̄ ̄ | / i | |. | /1'{ ======i、l!/ ヽ { /! i i . | . ゙、 、 、V `i / | i | . .! . . .゙、 \ / | ,........-――--....、 ,. ´ `ヽ、- 、 / , \ \ \ , ' , / / { ヽ ヽ、 ヽ 、 / / , // / / ∧ ヽ ', | | ヽ , ∧ . / / / // / / / マ |_ |__ | | l ∨ , | . | ' / //  ̄|`|' | ´} ∧ } , } | / } ', { { {l | {从_ {__{ }/イ__}/ イ/ / } / / . 从 八 {ム,イ _斧` イ _)斧ヽ} イ/_ / . \{从{ Vり Vzソ | / Y | | } ' | l 'ノ | |圦 _ , ,ィ| |イl | | / . イ_,/イ | | }' `__-r-=≦__」'/ } | | | _,/ 「 ̄ _/|__| | / / | `=={j====イ / `ヽ , ∧ \ l| イ ∧ / -r‐ /.. ../.. .. .. .. .. ./. .. .. .. .{.. .. .. .. 、.. ヽ.. .. .. ∀ニ=- 、 /... '⌒7.. ../.. .. .. .. .. ./.. .. .. .. .. |.. .. .. 、 ゚。.. ..゚, .. ..} ゚, \ .. ヽ /.. .. / /.. .. .′.. .. . /./′.. .. .. .. |.. .. .. .i.. ..゚。.. .゚ ..イ .. 。 丶 . .、 /.. .. / / ! l.. .. .. './ ! l.. .. .. ..|..|v .. ..|.. .. .}.. ..i/ } .. . ゚。 .. 。 /.. .. / ′ .. .. |..ト-. .、l |..l, .. .. .. |..| ゚。,.斗-‐.|.. ..|/j. | 。. . 。 .. .. ..′ !.. .. .. ..|..|リ、. {リ\ { ゚。.. .. {..{/\{ }ノ|.. ..| . .. . | ∨ハ i.. .. . |..! .. .. .|..|,.イ芹℡x{ \..{リxrf芹ミト│.. | .′ | | .. |.. .. | リ!.. .. .l..代{ .トil刈 ` { .トil刈 〉.. .j} ゚. ..,| | .. |.. .. | |i. .. .|.. 弋こ,ノ 弋こ,ノ |.. ..′ .゚ .| | .. |.. .. | |i. .. .|..| . . . . , . . . |.. 。.. .。l | .. |.. .. | |i. .. .|..「} /|.. ′. ゚ . . l | . . |.. .. | |i. .. .|..|人 ー‐ イ .゚./.. .. 。. .! |. .. |.. .. | |i. .. ハ..゚。 .i.≧o。.. .。o≦ | . //.. .. . ゚ . .l | .. |.. .. | 小.. . . .ハ.゚。! . . .-r| ` ´ |=ミ . | //.. .. ./ . . l | .. . .. .. .| / |.. .. . . .∧{<=「ノ }`iニ/イ.. .. .. ___ . .l | .. . .. .. .. | f¨¨~}.. .. . ./ 乂二|___ ____|=/=′ .{ニニニ>ュ. | .. / .. .. ..| ∧ .′. . .′ニニ=|_, -―‐- ,_|ニニj .. .. ..|/ニニニ/、 .. / .. .... .. | / ∨.. .. ./二ニニニl lニニ{.. .. .. |ニニニ// } } .. ......-‐……‐-..... .......................................................、 /...........................................................\ /......................... . . . .... . . ..............................\ ................. . . . . . . . . . . . ....\.................... /......./... . | . . ...ヽ ..................,. /............ . | | . . ... . ................′ ........... . l l | | _ i ;..../| i | i斗‐| { i 「\ \ i | | i | / | i l| i | |八 i | \ \| | l | | |i | l l| iΝ \ ∨ ≫ぅ弌ミj| | l | | {; | |八 i≫ぅ斥 \ r' ノrい》 Ll | | | ヽ《 r' ぃ ∨ .(ソ | ト| | , | l V(ソ | | ! | ′ | i 小 ,,, , '''' | |j | 乂j い | | l [_] { i 人 ー ' | } } | / { {i i >... / } // / | | { 八 { i ≧ァr / // / | | \|\ i /{_j _/厶イ, | | ∨\;;| i \ / // 廴厂〉 | l\ | | i 厶イ /| | /∧ | | ニ=- |/ / ∨ | | 厶=ーx' | | \ / / 厂 ̄ ̄ア7゙ ノ | | ⌒` .. i / 〉 《__jヽ | | | / . | | | { ノ八 | | i |. / i | | | ∧_/ /| \__,ノ | i || / | | | | / // | } | i || , | ______ ,r─ 、 ≠ ¨ ̄ ̄ ̄ ̄¨¨ 丶 __ ,r┤ } \)⌒`ヽ / ゝ _ ノ \ 、 \ ′ 「 l | | ヽ ヽ X x ヌ | |l j| } | | j ヽ ぃ ヽヌ | ′ j| 从/ /}I j| } ハ ぃ リ | ′ 〃 孑天らリ ノノ ノ「乏らメ、 } ぃ | / // |ィ爪示らヽ イ示うヽル ハ .ノxイ{l ! |{ |i ℃| ! ℃} || j| ! |l ! l刈 弋辷 ソ 弋zソ !| l| 八} || jI jl ハ⊂⊃ r──‐v⊂⊃ 从ハリ ヽ .ノヽ八从乂> . _ ゝx‐'x ノ _ .≠ _ ≪. . . . ア二二ニフ" つ ま ~ / ≫/⌒} {⌒ヽ、 / /{ ( ) ( )} 〈 \ヽ/ー===ゝ=彡′ -‐==‐- ´ ` / ヽ / , ! | | i. / |i , ‐‐i| . ト、_|‐‐ | i| | l / |i | |/八 . | | | i| | |/ 〔!| N ○ \| ○ |ノ ,リ. 〔 八! l圦 ,, ' ,, l // | N | . ワ . ∨/ . | ヽ| | l_≧=ァ≦ト /_,′ 八 ノ厂| l 〔, / / `丶、 ` /∧ i| | 「⌒ / / /∧ / イ′ j ト、∧ / ′´ .イ ' / | |\ハヒ/| |ニニ/ 〉 / ノ〈 i i ニ| | ´y' ! | .' / 〉 / j / ノ i| | 〔___! ト、〕. 〔′| `ー‐' /// | | i| Υ─| | .′ /`ヽ . - ─ ─- . /`ヽ . - ───<_人 _ .┼ ./ /´ __.rr.─‐┐ノ ´Y´ . _ 人 _ \し ' r<´ |ll | /. .`Y´. ヽ } └ .─ ┴‐─ ┴,. // / ! _人_、 .斗 ‐‐─ァ── < ./ / / / / . / i .`Y´ > ´  ̄ フ./ / .// ./_ /_ / _ /. / / ! ∧___..斗< / /i { / / / /`ヽ. ./ / i .! / ∧. / /´ ! . 从 芹竿ミx. | ./ / `メ .! / / .∧ / /!/ | |人{弋 _メckj / / /. ム リ / / / .∧. / /人.N | ⌒ ー '' 「笊ckくj / / ./ / .∧ / // ヽ! .| """" 辷..ソXl| / / / .∧. / //__人_ j | , """ノリルイ⌒ `ヽ/ .∧ / // .`Y´.| ト、 、_ /. i . | `マ}ー/ // _人_ .j . | .|\ ー ' . イ. 人_ | i∨`Ⅴ「ー`Y´─.! | .|. \ . イ .! .`Y´. ! ___ 人 ___ \ \ ! l .|  ̄「 i j . | l . l `Y´ \ \ 从 .j .| |N\ l ! .リ . .リ l ト、\ 人 l .| } jト、 \j リ / / | .\ \ ヽ j\ _ _j ハハ ` <' ./ | \\ \ \ ⌒ } i `<}ト、 | \\ \ \ .N // ト、 たぶん今の俺達は外人四コマの2コマ目みたいな顔してるんだろうな。 和「ああああああああああ//////」 和「だったような気がするんですが、咲き方とかによってもいろいろ違うみたいでえええ///」 京太郎「へぇ」 和「あの、須賀君」 京太郎「ん? なんだ和」 和「人生の編集点ってどこで入れれば良いんでしょうか?」 京太郎「そうさな、やらかしちゃった時点から大体10秒前くらいに血痕が落ちてるから。まず、それを回収して……」 照「……」タコスー
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1156.html
本編 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」1 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」2 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」3 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」4 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」5 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」6 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」7 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」8 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」9 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」10 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」11 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」12 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」13 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」14 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」15 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」16 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」17(完結) 小ネタ スレ別 元スレ -京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」咲「2体目も欲しいね」 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」照「3体目、じゃなくて本人が欲しい」 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」玄「よ、4体目?泣きそうだよぉ……」 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」和「5体目、です」 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」淡「6体目ー!!」 京太郎「Kちゃんぬいぐるみ?」竜華「小ネタで続くんやって」 -参考URL 参考URL http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365165001/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367072729/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369054087/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370447466/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371997739/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373895718/ http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379504970/
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/6427.html
【銭湯】 一同「混浴!?」 番頭「最近お客が来なくなってねえ、これなら家族もアベックも来やすいと思ってねえ」 京太郎(この面子で混浴なんて願ってもみないビッグチャンスじゃないか!) エイスリン「コンヨク?」 華菜「京太郎と一緒に入れるってことだし!」 エイスリン「イクノ?」 郁乃「京太郎くんと一緒に入れるってことやで~」 エイスリン「ヤタッ!」ニコッ 華菜「なんで無視するんだし!」 照「京、私のスタイルに酔いしれるといい」 京太郎「いやそれだけはないから安心しろ」 霞「昔は別々だったのに……」 京太郎(これで霞さんの胸を生で……) 番頭「あ、水着は着るようにな」 京太郎「は……?」 カポーン 京太郎「シャワーが共同なだけまだマシか……」 京太郎「皆が入って来るまで何しよ」 京太郎「待ってるか……」 ガララ 照「京、もう来てたの」 京太郎(レーザーレーサー!?身体洗えねえだろ!) 照「これが似合ってるって言われた」フフン 京太郎「出るとこ出てないからだろ」 照「…………」ズーン エイスリン「キョウタロー、オマタセ!」 京太郎「」ブフォッ 京太郎(白の紐……だと……)ドバドバ 京太郎(エイスリンさんは無いものだから興味が無かったが)ドバドバドバドバ 京太郎(くっ……)ドバドバドバドバドバドバドバドバ 京太郎「天使、か」ガクッ 照「きょ、京ーー!!」 華菜「おーい京太郎ー起きろー」ペシペシ 京太郎「ん……」ムクッ 霞「顔色悪いけど、大丈夫?」 京太郎(ハイレグ……)チラッ 霞「京太郎くん?」ドタプーン 郁乃「も~寝るの早いで~」 京太郎(この中だと郁乃さんが一番普通なんじゃ……)チラッ 郁乃「どうどう?似合っとるか~?」ポニョン 京太郎「郁乃さんらしくていいと思いますよ……」チラッ 霞「こっちはどうかしら?」ドタプーン 京太郎「」ブフォッ 霞「えっ?京太郎くん?京太郎くん?」ユッサユッサ 怜(先生に行ってみたらどうや、って言われて近所の銭湯に来たはええけど……) 照「これなら泳げるかも」←レーザーレーサー エイスリン「~♪」シャアァー←白の紐水着 華菜「はぁー今日も疲れたなー」←薄桃色のワンピース 郁乃「京太郎く~ん、大丈夫~?」←黒のマイクロビキニ 霞「京太郎くん!京太郎くん!」←白のハイレグ 京太郎「Oh yes...」ドバドバ 怜「何やこの惨状は……」 京太郎「うおぉ……クラクラするぅ……」 照「京、大丈夫?」 京太郎「お前なら何とか大丈夫だ」 照「…………」ジトッ 京太郎「冗談だから!殺気感じるからやめて!」 照「…………わかった」 照「その代わりに、京の背中を流す」 京太郎「何の代わりだよ……」 照「私に任せて」 京太郎「……じゃあよろしく」 照「うん」 照「どう?」ゴシゴシ 京太郎「んー気持ちいいぞー」 照「良かった」ゴシゴシ 京太郎「毎日やってほしいくらいだぜ」 照「…………」 京太郎「照?手ぇ止まってるぞ?」 照「ごめん」 照(毎日……) 照「……」ギュッ 京太郎「おっ、おい、照、何だよ?」 照「京の背中、大きい」ギュッ 京太郎「おーい?聞こえてるかー?」 京太郎「ちょっと当たってんだけど……」 照「……当たってるんじゃない、当ててる」ギュッ 京太郎「お前に言われてもなぁ……」 照「」プチッ ミシミシミシミシ 京太郎「照!?腹!腹がおかしなことになるガハッ!」 ミシミシミシミシ 京太郎「柔らかい!十分柔らかいから!興奮するから!」 照「…………」 照(ずっとこうしていたい)ギュッ ミシミシミシミシ 京太郎「グハァッ!」 京太郎「」チーン 怜「京くーん、起きとるかー」ツンツン シャァー 照「終わったよ」 京太郎「おう、あんがとな」 照「身体洗ってくるから先にお風呂入ってて」 京太郎「あー、じゃあ俺が洗ってもいいか?」 照「えっ……」 京太郎「おい何だその汚物を見るような眼は」 照「だって京はセクハラしてきそうだし……」 京太郎「しねーよするわけねーだろ」 照「」プチッ メキメキメキメキ 京太郎「あああああアイアンクローやめて!」 メキメキメキメキ 京太郎「わかった!セクハラするから!照の身体エロくてセクハラしちゃうから放して!」 照「そういうことなら……いい」 京太郎(何だこのやり取り!) シャアー 京太郎「シャンプー入るかもしんないから目瞑ってろよ」 照「子どもじゃないんだから大丈イッ!」 京太郎「ほれ言わんこっちゃねえ」 照「…………」シュン 京太郎「顔は後で洗えよ、で問題は身体だけど……」 京太郎(レーザーレーサーぴっちりしすぎだろ……) 京太郎(洗う方法つったら脱がせる……禁止されてるからダメだな) 京太郎(だとすれば……) 京太郎(水着の中に手を入れる!) 京太郎「照、ちょっと我慢しろよ」 照「何をする気、ひゃっ!」 京太郎「こうでもしねえと洗えねえんだよ」ゴシゴシ 照「……後で覚えてて」 京太郎「やなこった」ゴシゴシ 照「冷たいよ」 京太郎「俺はあったかいぜー」 京太郎(照の肌、こんなに柔らかかったんだな) 京太郎(洗ったばかりだからいい匂いもするし、少し色っぽい) 京太郎「」ムクッ 照「?」ビクッ 照「京、骨が当たってるみたい」 京太郎「骨?」 JR京太郎「ムクッ」 京太郎(サポーターが効いていないのか!?) 京太郎「お、おう、もうちょい待っててな」ゴシゴシ ムニョムニョ 京太郎(今は萎えるのを待つしかない!)ゴシゴシ ムニョムニョ 照(さっきからくすぐったい……でも人の身体にこんな尖った骨があるのかな?) 照「……」フリムキ 京太郎「うわっ、見るな!」 照「…………」 京太郎「」ムクッ 照「」 京太郎(これってひょっとしたら死ぬんじゃあ……)ダラダラ 照「…………」ツンッ 照「京、この骨は何?」 京太郎(……気づいていないのか?) 照「少し柔らかいけど……」ツンツン 京太郎(保健体育とかは寝てそうだもんなぁ……) 照「?」ツンツン 京太郎(照には男特有の骨ってことで納得してもらった) 京太郎(昔は四人で風呂入ったんだけどな……) 霞「はぁ……」 京太郎「そんなため息ついてどうしたんすか?」 霞「私の身体、少し水着だと洗いにくいのよね……」 京太郎「……ああ、なるほど」 霞「この際京太郎くんでいいかしら……でも……」ブツブツ 京太郎(俺ってどんだけ信頼無いんだろう) 京太郎「霞さん!俺を信じてください!絶対に霞さんのおっぱいを弄ったり揉んだりしたいなんて思ってませんから!」 霞「いまいち信じられないのよね……」 京太郎「この目を見てください!」ギン 霞「心底信頼できなさそうね」 京太郎「俺の評価低すぎるでしょ!」 霞「そうねぇ……目隠ししてくれたら、お願いするけど」 京太郎「了解しました!」キラキラ シャァー キュッ 京太郎「終わりましたよ」メカクシ 霞「ありがとう、助かったわ」 京太郎「いえいえ、どういたしまして」 京太郎(予想外だった……) 京太郎(まさか目隠しをするだけではなく) 霞「」ニギッ 京太郎(玉質を取るとは……!) 霞(はっちゃんの男対策実際にやってみたけど……) 霞(……癖になりそうな触り心地ね)ニギッ 京太郎「ヒィッ」 京太郎「死ぬかと思った……」 エイスリン「」ジーッ 京太郎「?」 京太郎(何か視線を感じるような……)チラッ エイスリン「……」プクーッ 京太郎「エイスリンさん?」 エイスリン「!」アワワワ 京太郎「何やってるんですか?」 エイスリン「キョウタロー、ワタシモ!」 京太郎「え?」 エイスリン「ワタシモ!……?」ハテ? エイスリン「…………アゥゥ」 京太郎(エイスリンさん、何が言いたいんだ?) 京太郎(ホワイトボードも無いし……そうだ!) 京太郎「エイスリンさん!」フキフキ エイスリン「?」 |write me!| 京太郎(鏡を使えばいいんじゃないか!) エイスリン「!」フキフキ |エイスリンが泡だらけになっている絵| 京太郎「つまりエイスリンさんも俺に洗え、と」 エイスリン「!」コクコク 京太郎(他の二人よりは楽そうだし……まあいっか) 京太郎「そこで洗いましょうか」 エイスリン「アリガトウ!」 京太郎「どういたしまして」 京太郎「お痒いところはございませんかー?」ゴシゴシ エイスリン「ダイジョーブ!」 京太郎(胸は中寄りの小、さして興味はない) 京太郎(だがこの水着がいけない、どう考えたって誘ってるんだもの) エイスリン「キョウタロー?」 京太郎(いや待てよ?照がアレだったんだ、エイスリンさんなら……)ゴクリ 京太郎「あー手が滑ってしまったぞー」ボウヨミ ツルッ エイスリン「ンッ……?」 京太郎(集中しろ!須賀京太郎!) サワッ エイスリン「ッ!」 エイスリン「……キョウタロー……?」 京太郎「まだじっとしててくださいねー」 エイスリン「……?」 サワサワ エイスリン「ンンッ!!」 京太郎(触るだけでこんなになるなんてどれだけ……) 京太郎(あと一回……いや三回、いやいや五回……) サワッ エイスリン「ハァッ……ハァッ……」ビクッ ビクッ 京太郎(やりすぎたかな?) 京太郎(あとはちゃんと脚とか洗わないと……) 京太郎「あーすっきりしたー!」 照「気持ち良かった」ポカポカ エイスリン「キモチヨカッタ!」ポカポカ 霞「たまにはこういうのもいいかもしれないわね」ポカポカ 郁乃「楽しかったな~」ポカポカ 華菜「カナちゃんを楽しませるとはよくやるし!」 怜「なんでこの人たちと一緒におるんやろ……」 郁乃「お風呂上りと言えばやっぱりコーヒー牛乳やな~」 照「いちご牛乳が一番だと思う」 霞「普通の牛乳もいいと思うけど?」 怜「フルーツ牛乳でもええやろ」 エイスリン「?」 華菜「コーラに決まってるだろ!」 ヤイノヤイノ 京太郎(俺はどうしようか) 京太郎(こういう銭湯とかに来たときはいちご牛乳って決めてるんだよな) 京太郎「照ー、いちご牛乳買おうぜー!」 照「やっぱり京はわかる子だね」グッ 京太郎「風呂上りだと牛乳といちごの両方の甘さが強まって美味いんだよな!」 照「それがあの人たちにはわからんのですよ」 京太郎「くくくっ、可哀想な奴らめ」 一同「」イラッ 照「それじゃあ買いに行こう」 京太郎「おうよ!」 京太郎(……だんだん、照の言葉の端に気持ちが見えるようになってきた) 京太郎(気のせいかもしれないけど) 照「京、一口いる?」 京太郎「俺とお前で同じもの飲んでるだろ」 照「それもそうだけど……」 照「…………」シュン 京太郎「…………はぁ」 京太郎「ほらよ、一口」つ瓶 照「ありがとう、私も」つ瓶 ゴクッ 京太郎「うん、やっぱり美味い!」 照「うん」 京太郎(あれ?これって間接キスなんじゃ……)チラッ 照「?」 京太郎(……ま、照がそんなこと知ってるわけないし) 京太郎(照が狙ってるとは思えないから、違うか) 京太郎(畜生、恥ずかしがってる照を期待した俺がバカだったぜ!) 【11月第4週 平日2】終 【夜】 「年末にはそっちに帰って勉強するつもりだよ」 「その話だけど、あなたはいいの?」 「そっちでできたお友達と過ごせる時間、ニホンならあと四か月もあるんでしょ?」 「もうやりたいことはやれたからいいよ」 「ニホンの大学にだって、支援はしてあげるのに、どうして画家なんて目指すの?」 「麻雀もまだ続けたいんでしょ?」 「麻雀は、みんなの足を引っ張ってばかりだからやめようと思うの」 「それならニホンにいるより、そっちの大学に行って、おじいちゃんのところで絵の勉強がしたいなって」 「……そう、わかったわ。そっちはもう夜遅いんでしょう?もう切るわね」 「ありがとう、お母さん」 「おやすみ、エイスリン」 エイスリンが清々荘からいなくなるつもりのようです 【街】 郁乃「~♪」 郁乃(今日も楽しかったな~) 郁乃(京太郎くんといっぱい話せたし~こんなんやったらずっとこのままでもええかもな~) 「おい、そこの姉ちゃん」 郁乃「は~……」 「ちょっと寝たってな」 ドゴッ 郁乃「ッ!」 チンピラ1「ええ顔のしかめ方やなぁ」 チンピラ5「あーせや、こんな顔やったわ。まさか最新の睡眠薬が成長を退行化?させる薬やったとはなぁ」 チンピラ4「写真ともピッタシ!正真正銘の赤阪郁乃はんやな」 チンピラ2「あぁ、元姫松の代表やったっけ?」 チンピラ3「こないな上玉襲おうとしとったとはなぁ」 チンピラ1「なんでもええ、はよ車に運びぃ」 郁乃(この人たち……あんときの……) 郁乃(なんで、また見つかってもうたんや) チンピラ6「クルマガデルデー」 郁乃(助けて……) 郁乃が清々荘からいなくなりました 【11月第4週 休日】 京太郎「あんな広い風呂に入ったおかげからか身体が楽だ!」 京太郎「早起きも楽々だし、絶好調だ」 京太郎「こんな朝は何をしよっかなー」 朝 京太郎「ちはーっす!」 由子「京ちゃん、こんにちはなのよー」 おっさま「今日も頑張ってなー」 京太郎「今日はエイスリンさんいないんですか?」 おっさま「奥におるけど、少し元気が無いように見えたな」 京太郎「そうですか、わかりました」 由子「あっちの卓にホットコーヒーよろしくなのよー」 エイスリン「ワカッタ」 京太郎「エイスリンさんそれアイスティーですよ!」 エイスリン「ア……」 京太郎「ホットコーヒーはこっちです、しっかりしてくださいね」 エイスリン「ウン……」シュン 京太郎(なんかいつもと違うような気がするな……) カランコロン 京太郎「あっ、いらっしゃいませ!」 京太郎「――――って、照かよ」 照「京、にエイスリン?」 京太郎「ああ、俺たちここで働いてるんだよ」 照「ふーん……じゃあ次、私と打って」 京太郎「おう!受けて立つぜ!」 結果 京太郎 51+200+35+30=316 照 1+152+90=243 由子 73+120+15=208 エイスリン 57+105+15=177 京太郎「ツモ、4000・8000」 由子「また京ちゃんの一人浮きなのよー」 照(……京ちゃん?) エイスリン「マタ、キョウタローニマケタ」シュン 照(キョウタロー……) 京太郎「ここまで照に勝てるようになるとはなー、あっはっはー!」 由子「最近の京ちゃんはホンマ強いわぁ」 照(京ちゃん……) 照(なんかむかむかする……)ムスー 京太郎「照、どうかしたか?」 照「なんでもない」ムスー 京太郎「?」 由子「お茶いれてきたのよー」 京太郎「ありがとうございます!由子さんのお茶好きなんですよ!」 由子「京ちゃんに喜んでもらえるとこっちもうれしいのよー」 キャッキャ 照「むぅ……」プクー カランコロン 京太郎「いらっしゃいませー」 洋榎「ほぇー、こんなとこで働いとったんかー」 雅枝「京太郎、リベンジや!はよ卓に着きぃ!」 京太郎「ええっ、何すかいきなり!」 洋榎「京太郎に勝てばウチが日本一なんや!はよ卓に着きぃ!」 京太郎(なんだこの親子……面倒くせぇ) カランコロン 由子「いらっしゃいませー」 小蒔「わぁ、ここが雀荘ですかぁ」 初美「滅多に来れませんからねー」 初美「むむっ!あそこに須賀京太郎がいるのですよー」 京太郎(さらに面倒くさい雰囲気……!) 京太郎「あ、あははー、どうもー」 小蒔「須賀さん、お久しぶりですっ!」ペコッ タユン 京太郎(前言撤回、ここはさながら天国だ) 洋榎「あ!アンタ永水の先鋒やないか!」 小蒔「愛宕さん、でしたっけ?もお久しぶりですっ!」ペコッ タユン 洋榎「」イラッ 洋榎「なぁ、オカン、ウチ神代と打ってもええか?」 小蒔「えっ、どうしてですか!?」 洋榎「けったいな胸しよってからに……」ギリッ 京太郎「今回も勝ちますよ!」 小蒔「私が勝ちます!」グッ タユン 洋榎「神代……飛ばしたるわ」イライラ 初美「姫松の主将も子どもっぽいですねー」 洋榎「見た目小学生に言われたないわ!」 結果 京太郎 24+200+35+30=289 小蒔 52+(100+160)÷2+30=212 洋榎 88+133+15+15=251 初美 12+116+30-30=128 初美「なんで蚊帳の外だったはずの私が一人沈みなんですかー……」 洋榎「やっぱり女は胸やないっちゅうことやな!」ペターン 小蒔「はっちゃん、元気出してください!」タユン 初美「うわーん!姫様ー!」 小蒔「いいこいいこー」ナデナデ 洋榎「やっぱり洋榎ちゃ「なんか」」 京太郎「こうして見てると親子みたいですね」 小蒔「そうですか?」 洋榎「あ、あのー」 京太郎「薄墨さんが子どもで神代さんがお母さん、みたいな?」 小蒔「それなら須賀さんはお父さんですね!一緒にはっちゃんをなでなでしましょう!」 京太郎「どういう理屈!?」 洋榎「…………」ブ゙ワッ 京太郎「いいこいいこー」ナデナデ 小蒔「いいこいいこー」ナデナデ 初美「私はそこまで子どもじゃないのですよー」ニヘニヘ 洋榎(あかん……入りにくい雰囲気が作られとる……) 京太郎「言動と行動が一致していないような……あ、洋榎さんもなでなでしますか?」 洋榎「ええんか!?」パァァ 京太郎「洋榎さんは姉ポジションということで」 洋榎「ほなウチも!」ガバッ 初美「もうこれ以上撫でないでほしいのですよー」 洋榎「…………」ガーン 洋榎「…………」シュン 雅枝「京太郎、国麻から勢いづいとるな」 由子「ここ最近負けなしなのよー」 雅枝「男子やっちゃうんに大したやつやなぁ」 エイスリン「…………」 夕 京太郎「今日はなんかいっぱいもらえたな」 京太郎「奮発して買い物しよっと」 京太郎「何を買おうかなーっと」 京太郎「麻雀教本、小説、参考書……あれ、あの人は……」 お品書き 1.牌のお姉さんの麻雀教本 中級編…2000円 2.牌のお姉さんの麻雀教本 上級編…2800円 3.小鍛治健夜の目指せ!グランドマスター!…2800円 4.戒能良子のものまね王!…2800円 5.迫り来る怒涛の修羅場…2000円 6.女性を落とす40の方法…1000円 7.ライトノベル…600円 8.小説…600円 9.参考書…900円 憩「文系科目はええとして、理系科目……」 京太郎「」コソコソ 憩「数学はやっぱり赤チャートがええかな……」ブツブツ 京太郎「わっ!」 憩「ひゃぁっ!」 京太郎「びっくりしました?」 憩「なんや京太郎くんかぁ、心臓が止まるか思ったわ」 京太郎「何探してるんですか?」 憩「参考書を探しとったんやけど、京太郎くんは?」 京太郎「俺は麻雀の教本とラノベを」 憩「京太郎くんも勉強せなあかんで」 京太郎「それはわかってんですけど、どうも集中できないというか……」 憩「ふふっ、京太郎くんらしいなぁ」 京太郎「憩さんはどうしてそこまで勉強をするんですか?」 憩「お医者さんになれー、って言われとるからなぁ」 京太郎「ああ、お父さんでしたっけ」 憩「……うん」 京太郎「嫌なら嫌、って言った方がいいと思いますよ」 憩「それもそうなんやろうけど……」 憩「……あ、もうこんな時間かぁ。ごめんな、もう行かな」 京太郎「そうですか、じゃあまた!」 憩「はーい、またなー!」 京太郎「憩さん、あんなんでいいのかよ……」 京太郎「あーもう!暇だ!」 夜 京太郎「そうだ、今日は照と菓子パーティーか」 京太郎「メールで呼べばいいだろ」 京太郎「さて、何を食べよう」 ガチャ バタム 京太郎(出てくるの早いな) トタトタ ズルッ 京太郎(なんでこの短距離で転ぶんだよ!) コンコン 京太郎「おう、入れ入れ」 照「……うぇぅ、ぐすっ」ボロボロッ 京太郎「あーあ、膝擦り剥けてるじゃんか、早く入れ」 照「うん」 京太郎「ったく、どういう転び方したんだよ」 照「こう、ズルッと」 京太郎「わからんわ」 京太郎「絆創膏付けて終わりっと」 照「お菓子、どこ?」 京太郎「お前それしか頭にねえのな」 照「そのために来たから」 京太郎「……どうせ俺はどうでもいいんだよな……」ウジウジ 照「あ……そ、そんなことはないよ」アセアセ 照「京も、大好きだよ……?」 京太郎「どうして疑問形なんだよ、まあいいや早く食おうぜ」 照「お菓子は?」 京太郎「ああ、これだよ」 照「こっ、これは……!」 照「東京駅の名店のスイーツセット!」 京太郎「他にもあるけど今日はこれだ」 照「美味しそう……」ジュルリ 京太郎「涎垂れてるぞ」 照「あうっ」フキフキ 京太郎「チーズケーキとプリンケーキ、どっち食べたい?」 照「どっちも」 京太郎「どっちか」 照「…………」ウーン 照「…………」ウーーン 照「…………」ウーーーン 京太郎「おーい、照ー」 照「…………Zzz」 京太郎「寝るな」ペシッ 照「うむっ!」 京太郎「じゃあ半分こでいいか?プリンケーキとチーズケーキそれぞれ」 照「全部食べたい」 京太郎「お前なぁ……」 照「……しょうがない、従う」 京太郎「じゃあ照が先にプリンで、俺がチーズな」ヒョイ 照「うん」 京太郎「いただきます」 照「いただきます」 京太郎「ん……」パクッ 照「……」パクッ 京太郎「うまい!」テーレッテレー 京太郎「そっちはどうだ?」 照「」ニコニコ 京太郎「美味いんだな」 照「京、はい」スッ 京太郎「いいのか?」 照「こうすれば簡単に半分こできるから、あーん」 京太郎「あーん」パクッ 京太郎「お!こっちも美味いな!じゃあ今度は……」スクッ 京太郎「ほい、あーん」 照「……」パクッ 照「……」ニコニコ 京太郎「美味いか?」 照「うん」 京太郎「ふー、食った食ったー」 照「おいしかった」 京太郎「また暇があったら食べるか?」 照「また半分こしたい」 京太郎「だな」 照「スプーンと容器持って帰ってもいい?」 京太郎「綺麗だもんな、二つともいいぞ」 照「ありがとう、じゃあもう帰る」 京太郎「おう、じゃあな」 照「……ふふ」 ガチャ バタム 京太郎「何か今背筋がゾクッとしたような……」 京太郎「風呂入ろ」 シャァー 京太郎「ケーキ美味かったなー、食べさせ合いは予想外だったけど……!?」 京太郎「待てよ……俺がやっていたのは……」 【照の部屋】 照「」クンクン 照(京の匂い……)クンクン 照(これは残った食べかすがあるから……)ペロッ 照「……おいしい」 夜 京太郎「もうすることもないし寝よ……」 「いよいよ夢の対決!」 「男子トッププロVS女子トッププロ!」 「男子代表は須賀京太郎!」 「彼を卓で待つのは女子のツートップ!野依理沙!戒能良子だぁぁー!」 ワァァァ- 理沙「負けない!」プンスカ 良子「たとえ京太郎が相手でも、ベストを尽くすよ」 京太郎「上等です。下剋上、見せてやりますよ!」 ワァァァー! 「男女対抗戦!開始ィィィィッ!」 【11月第4週 休日】終 【12月第1週 平日】 京太郎「充実した夢を見た気がした」 京太郎「身近に感じてたけど、良子さんも凄い人なんだよな」 京太郎「俺もいつかあの人たちに並び立てるのかな……」 朝 京太郎「うぅ寒ぃ……」 京太郎「マフラー編まないとな……」ガクガク 郁乃「京太郎く~ん!」タッタッ 京太郎「おはようございます、郁乃さん」 郁乃「おっはよ~」 京太郎「?痩せましたか?」 郁乃「そないにスリムに見える~?」 京太郎「ええ、まあ」 郁乃「えへへ~なんか照れるな~」 京太郎(そういえば、土日は郁乃さん見かけなかったな……) 京太郎「そうだ、来年のスマブラの新作ってどう思います?」 郁乃「むらびとさんはおもろかったな~、それになかなか強いやんあれ」 京太郎「チャージショットを拾うとか正気の沙汰じゃないですよね」 郁乃「まあうちのガノンちゃんにはつう」 郁乃「WiiFitトレーナーさんも、人選おかしいやろ」 京太郎「今回はネタに走りすぎてる気がしますね」 郁乃「切り札もマリオに似とるしな~」 京太郎「ロックマンはかっこよかったですよね」 郁乃「あの子ははよ使うてみたいな~エグゼくんもおってプログラムアドバンスとかも使えればさらに面白そうやけど」 京太郎「他キャラとソウルユニゾンとかも……ってカービィで十分か」 郁乃「クッパソウルとか見てみたいな~」 京太郎「来年買ったら皆でやりましょうか、果たして誰が一番強いのか!」 郁乃「…………来年、か」 京太郎「どうかしました?」 郁乃「いや~来年でスマブラ歴15年の私を舐めてもろたら困るな~」 京太郎「俺だって伊達にスマブラ歴12年を名乗ってませんからね、負けませんよ」 郁乃「そういえばポケモンって――――」 昼 エイスリン「……」カキカキ 京太郎「誰かいますかー」 エイスリン「」ビクッ 京太郎「エイスリンさん?珍しいですね、部室にいるなんて」 エイスリン「キョウタロー、オベントウ?」 京太郎「一緒に食べますか?」 エイスリン「ウン!」 京太郎「今日は部室の絵を描いてるんですか?」 エイスリン「オモイデヅクリ」 京太郎「あと3か月ですもんね」 エイスリン「…………」ウツムキ 京太郎「エイスリンさんは、どうするんですか?」 エイスリン「……カエル」 京太郎「ニュージーランドの大学ですか」 エイスリン「」コクッ 京太郎「でも確かニュージーランドには麻雀はまだマイナー競技なんですよね」 エイスリン「ダカラ、マージャンヤメル」ウルウル 京太郎「えっ?」 エイスリン「キョウタローモ……アエナイ」ポロポロ 京太郎「…………そうですか」 京太郎(エイスリンさん……予想はできたことだけど) 京太郎(ああして泣いてるのを見るのは、堪えるなぁ) 京太郎「俺と照が見学か」 照「菫とは違ってお菓子食べ放題」 京太郎「あんまり食うと太るぞ」 照「……」ムニッ 照「…………」ガーン 照「暇つぶし」ピッ 京太郎「だからってなんでテレビつけんだよ……」 テレビ「六月に統一牌騒動で世間を騒がせた加藤良三氏は――――」 京太郎「あ、この人こんなことになってんのか」 照「誰?」 京太郎「六月くらいにプロリーグであっただろ、統一牌問題」 照「統一牌?」 京太郎「従来の統一牌は削りにくいように作られてたんだけどこの人が作ったのは削りやすく作られてたんだよ」 照「削る?」 京太郎「まあ細かいことは置いておいて、そんでそんときのこの人の言葉が「私は知らなかった」とかで無責任だーって言われてたんだよ」 照「……?」 京太郎「お前には難しい話だったな、ごめん」 照「莫迦にしないで、私にもわかる」 京太郎「疑問符散々出してたやつが何言ってやがる……」 霞「京太郎くん、ちょっとこっちに来てくれるかしら、照ちゃんは卓に入ってて」 照「わかった」 京太郎「頑張れよ」 照「言われるまでもない」 京太郎「ははっ、そうかよ」 京太郎「で、何の話ですか?」 霞「連盟から連絡があってね、これ」 京太郎「えーっと、プロ・アマ交流戦監督に就任……?」 霞「今年の交流戦は学年対抗らしいのよ」 霞「各学年二チーム、プロは一チームと高麻連公認の選手、つまり私たち教員+プロの一チーム」 霞「合計八チームで行われるんですって」 京太郎「それで俺には二つ目の一年生チームの監督をしろ、と」 霞「そゆこと、あなたは兼任監督だけどね」 京太郎「じゃあ俺も打てるってことですか?」 霞「まあそうね、一年生の候補シートはその二枚目にあるから頑張って考えてね」 京太郎「はい!……てか決定事項なのかよ」 霞「それじゃあみんなのところへ戻りましょうか」 プロ・アマ交流戦、一年生チームBの兼任監督に選ばれました! 夕 京太郎「対戦方式はいつもとは違って四人制」 京太郎「先鋒、次鋒、副将、大将の四人と学生は二人の補欠」 京太郎「俺がどっかに入るとしてあと五人か……」 京太郎「部屋に戻って考えるか、誰かと帰りながら相談でもしようかな」 照「京、これで帰るの?」 京太郎「待ってたのか?」 照「べっ、別に京のことを待とうと思ってここに立ってたわけじゃないんだからね」マガオ 京太郎「その台詞をお前から、しかもそんな無表情で言われてもな……」 照「せっかく本読んで勉強したのに」 京太郎「その本はアテにならないから捨てておけ」 照「そうする」 照「京が好きな台詞とかは無いの?」 京太郎「好きな台詞?」 照「私に言われてみたいこと」 京太郎「そう言われてもなぁ……」 京太郎「俺が言われてみたいのはだなー」ゴニョゴニョ 照「……そう」 照「じゃあ、言うね……」 京太郎「……」ゴクリ 照「今日産婦人科行って来たんだ」 照「…………」 照「先生に言われたんだ……おめでただって」サスサス 京太郎(いいなぁこの一線越えた感じ)グッ 照「ごめんね、京まだ結婚できないのに」 京太郎「ん?」 照「私のせいで京に迷惑がかかる」 京太郎「おい、もう終わってるんじゃないのか」 照「ごめんね、ごめんね、子どもなんか作っちゃって」 照「もう京の目の前には現れないから、じゃあね」 京太郎「なんで鬱になってんだよぉ!?」 照「こっちの方が京が好きかと思って、あと本に載ってた」 京太郎「もうその本燃やせ」 照「でも、どうやったら子どもは腹にできるの?」 京太郎「…………」 京太郎「お前は純粋なままでいてくれ」 照「?」 京太郎「俺が言われてみたいのはだなー」ゴニョゴニョ 照「……そう」 照「じゃあ、言うね……」 京太郎「……」ゴクリ 照「今日産婦人科行って来たんだ」 照「…………」 照「先生に言われたんだ……おめでただって」サスサス 京太郎(いいなぁこの一線越えた感じ)グッ 照「ごめんね、京まだ結婚できないのに」 京太郎「ん?」 照「私のせいで京に迷惑がかかる」 京太郎「おい、もう終わってるんじゃないのか」 照「ごめんね、ごめんね、子どもなんか作っちゃって」 照「もう京の目の前には現れないから、じゃあね」 京太郎「なんで鬱になってんだよぉ!?」 照「こっちの方が京が好きかと思って、あと本に載ってた」 京太郎「もうその本燃やせ」 照「でも、どうやったら子どもは腹にできるの?」 京太郎「…………」 京太郎「お前は純粋なままでいてくれ」 照「?」 京太郎「俺が監督……ってことは女の子たちとウハウハできるのか……」 京太郎「ここは最近の女子高生の話を聞いておこう」 京太郎「できれば同学年で……片岡は論外、泉は身体の感覚おかしいし、もこもアテにならなさそうだし」 京太郎「淡も……あいつは寝てそうだな」 京太郎「咲に送ってみるか」 京太郎『元気かー』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『何なのいきなり』 京太郎『咲に聞きたいことがあったんだ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『今小説のちょうどいいところなんだけど』 京太郎「懐かしい流れだな、ここは……」 京太郎『咲にしか頼めないことなんだ!お願いします咲様!』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『しょうがないなぁ、天使な咲ちゃんにお任せあれ!』 京太郎『どこが天使だよちんちくりんのくせに』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『へぇーそんなこと言っていいんだ?』 京太郎『ごめんなさい許してください俺の話を聞いてください』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『いいよ、何?』 京太郎『全国大会で可愛かった一年生おせーて』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『ねえ京ちゃん怒っていいかな?怒っていいよね?怒るしかないよね?怒らずにはいられないよね?』 京太郎『もちろん咲は可愛いと思うぞ、ちんちくりんだけど 咲を除いた子だと誰が可愛いかなって思ってさ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『一言余計だよね でもそういうことならまずは』 京太郎「よし、咲の話を聞いて作ってみたぞ!」 岩手 南浦数絵 ポニーテールなクール系可愛い 東京 大星淡 天真爛漫だけど心が折れそうになった時の表情が可愛い ?慧宇 留学生で、日本語も上手、お団子が可愛い、胸もある(画像検索参照) 長野 片岡優希 タコス モモ 胸がある、可愛い 愛知 対木もこ 小柄で可愛い、どこか放っておけない感じ 大阪 二条泉 夏服はヘソ出しノースリーブの大胆ファッション、おびえたときの声が可愛い 奈良 高鴨穏乃 血気盛んなポニーテールっこ、案外小柄で可愛い 新子憧 モダンな雰囲気の女子高生、男が苦手らしい 兵庫 森垣友香 帰国生、胸もある、元気で可愛い 安福莉子 花のカチューシャ、高鴨に振り込んだときの顔が可愛い 鹿児島 滝見春 黒糖をいつも食べてる、ポニーテール?で胸もある、大人しいけどごくごく稀に見せる笑顔が可愛い 京太郎「ふぅ、こんなもんか」 咲『こんなところかな』 京太郎『参考になった!ありがとな、咲がいてくれてよかったよ』ピッ ヴーッ ヴーッ 咲『いつもよくそんなことが言えるね、それじゃあおやすみ』 京太郎『おやすみー』ピッ 京太郎「大会はクリスマスイブ、そのちょっと前に合宿を開くこともできるそうだ」 京太郎「日程とかも俺が考えなきゃいけないのか……面倒くさそうだな」 【12月第1週 平日】終 京太郎「候補リストは……これか」 京太郎「手順はメンバー六人、俺がいるから五人を選出」 京太郎「後に合宿、もしくは全員練習を行いオーダーを決定、連盟へ提出か」 京太郎「メンバーを先に決めなきゃならねえのが難点だな」 京太郎「候補リストは……これか」 岩手 宮守 南浦数絵 雀力124 東京 白糸台 大星淡 雀力124 臨海女子 ハオ慧宇 雀力136 埼玉 越谷 水村史織 雀力108 神奈川 妙香寺 三尋木咏 雀力132 長野 清澄 宮永咲 雀力156 清澄 片岡優希 雀力116 清澄 東横桃子 雀力128 愛知 覚山王 対木もこ 雀力112 奈良 阿知賀女子 高鴨穏乃 雀力124 阿知賀女子 新子憧 雀力132 大阪 千里山女子 二条泉 雀力120 兵庫 劔谷 森垣友香 雀力128 劔谷 安福莉子 雀力116 鹿児島 永水女子 滝見春 雀力124 京太郎「この中から選ぶのか……」 京太郎「詳細情報は次のページから、か」 京太郎「誰のを見てみよう」 京太郎「南浦さんは南場からの勢いが圧倒的、対照的に片岡は東場の勢いが強い」 京太郎「淡は他家の手を遅めてからの早和了り、ハオさんは随分と変な和了りをするみたいだ……なぜだ?」 京太郎「水村さんと安福さんと森垣さんはデータが少ないから何とも言えないが、森垣さんは帰国子女で高火力選手か」 京太郎「滝見さんは守備が堅いみたいだ」 京太郎「泉と憧は安定して上手いらしいな」 京太郎「……さて、誰を選ぼう」 京太郎「本気で勝ちに行くなら咲と淡は呼んでおこう」 京太郎「他の三人は……」 京太郎「咲、淡……」 京太郎「高鴨、と滝見さんが安牌か?」 京太郎「これで俺も含めて五人、っと」 京太郎「あと一人……どうしよう」 残留候補リスト 岩手 宮守 南浦数絵 雀力124 東京 臨海女子 ハオ慧宇 雀力136 埼玉 越谷 水村史織 雀力108 神奈川 妙香寺 三尋木咏 雀力132 長野 清澄 片岡優希 雀力116 清澄 東横桃子 雀力128 愛知 覚山王 対木もこ 雀力112 奈良 阿知賀女子 新子憧 雀力132 大阪 千里山女子 二条泉 雀力120 兵庫 劔谷 森垣友香 雀力128 劔谷 安福莉子 雀力116 京太郎「咏がこのリストにいるってことは麻雀はまだ続けてるってことなんだよな」 京太郎「…………」 京太郎「また、あいつと一緒に戦いたいな」 京太郎「……決めた!」 京太郎「咲、淡、高鴨、滝見さん、咏」 京太郎「これでいいよな、うん」 京太郎「でも咲の情報と照らし合わせると……」 咲→まな板 淡→大人しい 高鴨→平地 咏→せんべい 滝見さん→大きい 京太郎「…………」 京太郎「巨乳ハーレムかぁ、やってみたかったなぁ」 京太郎「まあいいや、次は合宿の日程だな」 京太郎「大会は三週間後で今週は無理らしいから来週か再来週のどっちかだよな」 京太郎「再来週から冬休みだからそこ使うか、他のところも大体そうだろうし」 京太郎「あれ?そういえば来週って……」 日程 12月第2週 期末試験 12月第2週休日 冬休み開始 12月第4週(冬休み11日目) プロ・アマ交流戦 京太郎「期末試験忘れてたぁぁぁぁあああ!!!!」 京太郎「合宿プランは三泊四日にして、旅館は温泉があるところにしとくか」 京太郎「次はいつから始めるかだけど……」 京太郎「真ん中辺りにやるか、その方が前も後ろも休めて楽だし」 京太郎「これを連盟に送れば第一段階は終わりだな」 京太郎「……明日から試験勉強しないと……」 【12月第1週 平日】終
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2279.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1363953446/ 扉があった。 閉まっていて、もう開かない。 それだけ。 弘世菫は、名門白糸台高校の女子麻雀部の部長である。 その人徳と真面目な気性、そして何より。 白糸台における最大級の爆弾、宮永照の舵を二年間曲がりなりにも握れていた実績が、彼女が選ばれた最大の理由だ。 だがそれを彼女に伝えれば、彼女は反吐を吐いてからこちらに告げるだろう。 菫「アレの舵を握れる奴なんていない」 菫「私の忠告を聞くのは、あいつの気まぐれだよ」 菫「ハンドルを握っているように見えても、そもそもだ」 菫「ハンドルもブレーキも無視するタイヤが走るのを、誰が止められる?」 菫「アレは自分が行きたい方向にしか行かないし、生きたい様にしか生きないさ」 成程。全くもって正論である。 では、どう対処するのがいいのか? という問いを彼女にすれば。 菫「関わるな」 菫「地雷は触らない内は無害だ、わざわざ触りに行くことはない」 成程。全くもって正論である。 だがその方法は、提案した彼女自身は絶対に実行できないのだ。 地雷を処理する人間が必要であるように。 蜜柑の入った箱の中から、腐った物を選り分け捨てる人間が必要であるように。 貧乏くじを引く人間は必要で、それは誰かがやらなくてはならない。 そして彼女がそうする理由を、誰かが彼女に聞けば。 菫「誰かがやらなければならない事なら、私がやってもいいだろう」 菫「好きでやってる事じゃないが、誰かにやらせようとも思わない」 そんな風に、答えるに違いない。 そんな彼女も、全国の頂点に立つ白糸台の部長。 その実力はお飾りなどではない本物だ。一流と言って良い。 菫「……」 彼女の強さの基点となるのは、人並み外れた観察力と集中力。 これを用いて、待ちを寄せ相手の浮いた牌を狙い撃つ。 それが彼女が『シャープシューター』と呼ばれる所以。 しかし。 「リーチ。ダブリーね」 菫「(……こいつも、か?)」 そんな彼女も、勝てる相手と勝てない相手は存在する。 「カン」 「ツモ。見るまでもなく裏乗って、6000オール!」 菫「(少なくとも、普通の麻雀にはなってないな……)」 二年間。 二年間、弘世菫はただ一人、宮永照を近くで見続けてきた。 離れるでもなく、近づくでもなく。 その結果、彼女は『宮永照の同類』であるのならその眼を見れば判別する事が出来るようになる。 他人には絶対に真似できない、彼女だけの特質。 無論、彼女が望んで手に入れた力ではない。 そんな彼女が、今卓の向こう側に座る新入生の眼を見た結果。 菫「大星、淡といったか」 淡「はーい?」 菫「先輩には敬語を使え」 淡「えー、二つしか歳違わないんだからスミレでいいじ」 菫「使え」 淡「……はーい、菫先輩」 弘世菫は、まだこの子は取り返しが付きそうだと、そう思った。 一方その頃、菫の胃を激しく痛める二人の内片方は。 京太郎「……」 「……」 京太郎「お茶、美味しいですね。渋谷先輩」 尭深「そ、そうだね」 京太郎「……」 尭深「……」 京太郎「あ、お茶請け買ってきたんで、どうぞ」 尭深「わ、ありがとね」 京太郎「……」 尭深「……」 京太郎「……うん、美味い」 尭深「(……落ち着くなぁ)」 呑気に暖かいお茶で、胃を安らげていた。 尭深「(……あ、お茶切れちゃった)」 京太郎「……ん? あ、お茶淹れてきますね」 尭深「あ、えと、私がほとんど飲んでたんだから、私が」 京太郎「良いですって、先輩は座ってて下さい。俺、後輩ですし」 尭深「……あっ」 尭深「(……いい子だなぁ)」 ごく普通の光景だ。 何もおかしな所はない。 そう。 尭深「(私が喋らなくても、嫌な顔しないし)」 尭深「(……ちょっと、ぺちゃくちゃお喋りするのって苦手なんだよね)」 尭深「(それに、何も話してなくてもヤな空気にならないし)」 京太郎「お茶、入りましたー」 尭深「あ、ありがとう」 彼女の認識が根本的に間違っているという点に眼をつぶれば、何もおかしな所はない。 尭深「(……新入生は、私がお茶飲んでると変な顔するし)」 尭深「(慣れとかじゃなくて、普通に接してくれるのは嬉しいな)」 少年は笑顔だ。しかし。 ……笑顔は善い物だが、笑顔の下もそうであるとは限らない。 京太郎「(この人、良い人だなぁ)」 京太郎「(良い人には、丁寧に接するのが常識だっけか)」 京太郎「(うんうん、それが普通だよな)」 例えば、目の前で転んだ子供が居たとする。 「かわいそうだ」「痛そうだ」と考えて、それから「助けてあげよう」と思うのは正常だろう。 だが、「助けるのが常識」「そうするのが普通」という思考だけで「助けてあげよう」と思うのは、明らかに異常である。 無論、そういう気持ちは誰の中にもある。 だが微塵も他人に同情していない状態で他人に向けられる善意は、普通はありえない。 まるで、人間のフリをしている人形だ。 京太郎「(この人はどうでもいい人だけど、良い人だし、優しくするのが普通だよな)」 表面上の付き合いをする内はいい。 それなら『ボロ』は出ないし、互いにいい人だという認識程度で終わる。 だが一歩踏み込めば、そのおぞましさに恐れおののく以外の結末はありえない。 ヤマアラシが考え無しに互いに踏み込めば、ただ血まみれになるだけだ。 京太郎「茶碗熱いんで、気を付けてくださいね」 尭深「あ、うん。ありがとう」 特に、相手に対して踏み込もうとしない内気な性格なら。 あまり喋らない、相手の内心を自分の中で推測して完結しがちな性格なら。 尭深「(この人、良い人だ。優しい後輩ができたなぁ)」 京太郎「(この人、本当にいい人だな)」 下手をすれば、最悪一生。 『これ』を良い人だと思って、生きていくのではないだろうか。 『腐りかけ』。 それが彼女の、とある新入生の眼を見た時の第一印象。 菫「(大星淡……まだ、たぶん手遅れじゃない。なら)」 菫「淡」 淡「なにー?」 菫「(念は押しておくべきだ。私は、そういう立場にある)」 菫「入部するにあたって、お前に一つ注意しておく事がある。それと敬語を使え」 淡「はーい」 菫「(……まあ、敬語の方はおいおい定着させていけば良いか)」 菫「いいか? 二人、お前が近付くべきじゃない人間が居る」 淡「え? なに? 危険人物ってやつ?」 菫「いや、触れなければ害はない。だから、近付くな」 淡「ふーん……? で、なんて名前?」 菫「宮永照。ここのエースと、そいつがいつも連れてるであろう須賀という――」 淡「やだ」 菫「は?」 淡「やだよ、そんなの」 菫「待て、詳しく説明をすると長くなるが、お前の為にも……」 淡「私、ここに宮永照を倒しに来たんだから」 菫「……は?」 淡「ふふん」 淡「日本人なら誰だって知ってる、高校生最強!」 淡「そいつを倒しちゃえば、誰がなんと言おうと文句なく最強でしょう?」 淡「テレビで見た時から、ずーっと思ってたんだ」 淡「挑んでみたいって、勝ってみたいって!」 淡「あの人が立ってる場所に、私も立ってみたいって!」 淡「それが私の夢。だから私、その忠告は聞けないな」 キラキラした眼で、夢を語る淡。 腐敗しかけた瞳が、その間だけは真っ当な方向に戻る淡。 そんな彼女を見て、菫は。 彼女が腐り切ってはいない理由の一端を見た、菫は。 菫「(……ああ、くそったれめ)」 菫「(本当に、ままならない)」 菫「(神なんてものが本当に居るのなら、例え雲の上だとしても撃ち抜きたい気分だ)」 苦虫を噛み潰したような顔になりそうな自分を、必死に抑えていた。 菫の心中は、嬉々として崖に向かう者を見る心境だ。 菫は黙して見るには責任感がありすぎて。 淡を止めるには、力が足りなすぎた。 言葉だけでは『彼等』の危険性を伝えるには足りなすぎて。 実際会わせるには、淡にとって危険過ぎる。 だから菫が選んだ答えは、結局ベターな選択肢。 菫「……わかった、もう止めない」 淡「マジで!? やたっ」 菫「だが一つ、条件がある」 淡「なにー?」 菫「照と最初に会う時、私も同席させてもらう」 淡「……もー、心配症だなぁ」 菫「立場に付属する責任というものがある。約束できなければ、私もしつこく食い下がるぞ」 淡「はいはい、約束するよ」 菫「……本当に、分かってるのか?」 淡「私だって、菫先輩が本気で心配して言ってくれてる事くらい分かってるもん」 菫が心配しているのは、似ているからこそ、近いからこそ淡が引っ張られる可能性。 あちら側に半歩踏み出している淡が、完全に向こう側に行ってしまうかもしれない可能性。 淡「約束する。それは、ちゃんと守るから」 菫「……そうか。それなら、良かった」 淡「何か、私のお母さんみたい」 菫「それは若く見えんということか」 淡「痛い痛い、グリグリしないでー!」 菫「(……まあ、心配は要らないか)」 こんなにも真っ直ぐなら。 こんなにも素直なバカなら、きっと大丈夫。 淡は向こう側には行かないし、自分がそうならないように止めてみせる。 弘世菫は心の片隅で、そう誓いを立てた。 彼女はこの時の見通しの甘さを、長い間後悔し、苦悩し続ける事になる。 菫「それじゃあ、私は職員室に行ってくる」 淡「いってらっしゃーい」 菫「……すまん、危なっかしいコイツを頼む」 「はい、部長」 「おまかせですよっ」 部長として、部の用事を片づけに職員室に向かう菫。 見送る淡。 菫に頼まれた、名も無き部員二人。 結果的に言えば、これが運命の分岐点だったのかもしれない。 分かれ道の良し悪しなど、行ってみなければ分からないのは当然だが。 淡「……ん? アレ、誰?」 「あー、あの子? 宮永先輩の幼馴染さんだって」 「ふっつーの子だよ。麻雀弱っちいけど。あと私達先輩だから敬語ね」 淡「ふーん……?」 道の先に崖が待っているのなら、その選択は間違いだったと、断じて言える。 ――いいか? 二人、お前が近付くべきじゃない人間が居る ――宮永照。ここのエースと、そいつがいつも連れてるであろう須賀という ――照と最初に会う時、私も同席させてもらう 淡「もしかして、須賀ってやつ?」 「そうだねー。須賀京太郎君」 「部長から聞いてたの?」 淡「(……スミレとの約束は、宮永照とだけだしね)」 淡「(なら、別に良いよね? あのチャンピオンの幼馴染ってんだから、弱くはないでしょ)」 淡「(スミレがあれだけ危険視してるヤツが、どんなのかすっごく気になるし)」 結果的に言えば。 淡「よっす、そこの少年!」 淡「私も新入生なんだけどさ、ちょっと打ってみない?」 弘世菫が出かけた隙の、この一局。 これが彼女の人生、最後にして最大の失敗だった。 大星淡は、片足を邪道、もう片足を王道に突っ込んで歩いている。 扉を開きつつも、扉の向こう側の素晴らしさを知りつつも、その誘惑に負ける事無く。 今まで培って来た物をないがしろにする事も無く。 人を大事にして、人の気持ちを理解して、人に心から優しくしてきた。 そんな彼女は無邪気で、無垢で、今までの人生において無敵であった。 完全に向こう側に行ってはいないから、どちら側の気持ちも理解できる。 かと言ってこちら側でもないから、常人では歯が立たない。 そんな彼女は意識せずとも生来の性格で周囲に好かれ、彼女も周囲に好意を向ける。 腐りかけとはそういう事だ。 人の理の外側と内側の丁度境界に彼女は立っている。 夢、友情、絆、信頼、愛。 そういったものを、彼女は捨てては来なかった。 だから彼女にとって、完全に『向こう側』の人間と相対するのはこれが初体験である。 淡「(手は、抜かないから)」 淡「(弱かったら、さっさと飛んでいいよ)」 淡「リーチっ!」 「え、嘘ダブリー!?」 「安牌とか無いって、勘弁してよ……」 京太郎「(……んー)」 大星淡には、二つの武器がある。 最強の盾と、最強の矛だ。 矛盾は、その二つを一人の人間が持つのなら矛盾しない。 盾は『絶対安全圏』。 そこに最速であるダブリーと、槓裏の火力を乗せた矛。 常人であれば何も出来ず、ただ蹴散らされるだけの圧倒的な力だ。 淡「カン」 京太郎「(……どれだ?)」 淡「ツモ! ダブリー裏四、3000・6000!」 「(なんで裏ドラも見ないで、この子……)」 淡「(……なんか、期待ハズレ)」 淡「(弱っちいし、感じるものも無いし)」 淡「(同卓してる二人も、全然強くないし)」 淡「(これならスミレやセーコの方が、ずっと強かった)」 淡「(あーあ、つまんない)」 現代における麻雀のセオリーの一つに、『5向聴ならオリろ』というものがある。 配牌の向聴数の平均値が3~4であるため、そこまで配牌が悪いのならいっそ切ってしまえ、というものだ。 この事からも、絶対安全圏の『他人の配牌を5向聴以下にする』という特性の強力さが伺える。 加えてダブリーに、役を問わない槓裏。 待ちは読めない上に、高火力。まったくもってふざけるなという能力だ。 能力者でなければ抗う事すら出来ず、生半可な能力であれば蹴散らされる。 まるで、王者となるべくして創られたかのような能力だ。 京太郎「凄いな、お前」 淡「ん?」 京太郎「『それ』でそこまで強いなんて」 淡「ふふん。まーね、それほどでもあるかな」 京太郎「何か、目標でもあったりするのか?」 淡「もっちろん。アンタにも関係あることだしね」 京太郎「俺?」 淡「私の目標は、打倒宮永照!」 淡「そんでもって、テッペン取る事!」 淡「そのためにも、もっと強くならないとね!」 京太郎「……? お前、強くなりたいのか?」 淡「あったりまえでしょ。強くなりたくない奴なんて居るの?」 京太郎「そうか……強くなりたいのか」 小さな親切。 京太郎「分かった。俺も手伝おう」 大きなお世話。 淡「……あれ?」 違和感。 それは、手牌が来る直前に感じた事。 今まで手の中にあったものが、すっぽりと抜けてしまった感覚。 掴めていたものが、急に遠くに行ってしまった感覚。 そして、体内をまさぐられるような不快な悪寒。 手牌を見た瞬間、その正体の一端を彼女は理解した。 淡「(……テンパってない!?)」 淡「(え、ウソ、なんで!?)」 そうしようと、彼女が思ったにも関わらず。 彼女の手牌は、配牌の時点で聴牌してはいなかった。 淡「(三人の捨て牌を見る限り……うん、絶対安全圏は、発動してると思う)」 淡「(何……なんなの、これ)」 じわり、じわりと、呑まれる。 足首から泥沼に浸かっていて、徐々に沈んでいく。 そんな感覚だけが、この卓を包んでいく。 淡「(手が……進まない)」 淡「(向聴が、変わらない)」 淡「(ありえないって、これ)」 大星淡の配牌時の向聴は、4向聴。 そして6巡目の現在。彼女の手牌は、いまだ4向聴のままだった。 不動の向聴。何をしようが、一向に手が進まない悪夢。 一度向聴をわざと戻してもみたが、次のツモで戻ってしまった。 淡「(……気持ち悪い)」 淡「(やだ、気持ち悪い)」 足元から這い上がってくる不快感。 蟻の群れが、肌の上を這いずりまわっている錯覚。 大星淡は、この悪夢の発生源をいまだに理解出来ていない。 淡「(……流、局)」 淡「(結局、何も出来ないまま、流局)」 淡「ノーテン」 「……ノーテン」 「……ノーテン」 京太郎「テンパイ。連荘だな」 淡「……え?」 淡「……ああ、そういう事」 淡「アンタ、だったんだ」 京太郎「? どうした」 淡「なんて、言うかさ」 淡「……私より終わってる人、この眼で見たの初めてかも」 気付けば、周りを見る余裕もできる。 淡「(私と、アイツ以外の二人)」 淡「(ひっどいことになってる)」 熱くもないこの部屋で、汗だくになって震える手で牌を掴む二人の名も無き部員。 ……冷や汗、である。 滝のように流れる冷や汗が服を濡らし、椅子に垂れ、水滴となって床に落ちている。 脱水症状で死んでしまうのではないか、とばかりの汗。 語るべくもない。彼女達は、淡よりも先にこの卓の本当の異常さに気付いていたのだから。 淡「(私の、絶対安全圏は……)」 淡「(途中から発動すら、してなかった)」 この卓で、本当に全員の配牌を支配していたのは。 他人の向聴を完全に固定し配牌で聴牌するという、淡にも出来ない事をしてのけたのは。 淡「(この、死骸みたいな笑顔の男)」 京太郎「流局だな。テンパイ」 淡「ノーテン」 「…ノーテン」 「…ノーテン」 京太郎「連荘だな」 他家全員の向聴を固定して、自分だけは聴牌できるのなら。 理論上、永遠に連荘を続けられる。 あくまで理論上だ。小学生が考えるような稚拙な論理。 だがその論理が、今現実としてこの場所にある。 これを悪夢と呼ばずして、何を悪夢と呼ぶのだろうか。 淡「(これ、もしかしてずっと続けるつもり?)」 淡「(誰かが、飛ぶまで)」 牌を山から取る。切る。牌を山から取る。切る。 これをただひたすら四人が、山が尽きるまで続ける作業。 これを麻雀と、呼んでいいのだろうか? 牌を切る音だけが流れる。 鳴いても無駄だ。結果的に、向聴は戻ってしまう。 よって全員、流れるまで無言となる。 牌を取って、切って、流れるのだけの作業。 既にこの卓を囲む四人の内二人は、心が折れている。 しかし、折れていない者も居る。 淡「(こんな所で折れてちゃ、てっぺんまで届かない!)」 淡「(私の目標は、もっと高いんだ)」 淡「(こんな所で躓いてなんて……!)」 そんな彼女の諦めない、強く輝く思考は。 京太郎「これも、閉じておくか」 そんな彼の発した、意味の分からない言葉で停止した。 淡「(……あれ?)」 大星淡も、扉を開けた人間だ。 だから扉と鍵という概念も、しっかりと分かっている。 淡「(……あれ?)」 だから彼の言葉から扉を連想し、ふと見直してみた。 自分の扉。自分の中の、自分を構成する要素である扉。 淡「……あれ?」 気付けば、何故か扉が片っ端から閉じられている。 閉じた覚えはない。閉じる理由がない。 淡「……あれ?」 そして、気付く。 目の前の男が牌を打つ度に、己の扉が一枚締まっていく事に。 淡「やめて」 鍵を持つ者なら、開く事も閉じる事も出来る。 そしてこの瞬間、須賀京太郎は鍵を司る力に関して、大星淡の上位に居た。 淡「やめてよ」 閉じられていく。もう開けない。 本人の意志と関係無く。 淡「やめて、やめて」 家族愛。 中学時代の友人。 進路の相談に乗ってくれた先生。 優しい近所の住人。 それらに対する感情が、扉を閉められる度に、削がれていく。 淡「やめてってば」 愛も、友情も、信頼も、絆も。 人間の中にある、扉の向こう側にあるものの一つでしか無い。 淡「お願いだから、やめて」 彼がこの卓をこういう状況にした目的は、ただ一つ。 時間が必要だったのだ。予想以上に、淡の中の『余分』な扉が多かったために。 淡「やめて、やめて、やめて」 もう逃げる事すら出来ない。 全員足に根が生えてしまったかのように、立ち上がる事すら出来ない。 ただ、牌を切っていくしか無い。 淡「だめ、だめだってば、やめて、お願い」 そして彼の手番が来れば、彼女の扉が一つ閉まる。 彼女の大切なものが、扉の向こう側に取り残される。 淡「いや、いやだ、いやだってば!」 そして彼女の心も、一つ欠ける。 京太郎「ああ、分かるぜその感覚。すっげー怖いんだよな、自分が自分でなくなるみたいで」 京太郎「大丈夫だ、最初は怖いけどそのうちだんだんどうでも良くなるから」 京太郎「そしてその内、余分なものが無くなって、素晴らしい景色が視えるようになる」 京太郎「経験者の体験談だ、信じろよ」 淡「そんな事して欲しいなんて、頼んでない!」 京太郎「? 強くなりたいんだろ?」 京太郎「それなら足を引っ張る余分な扉は閉めて、さっさと扉の先に進んだほうが早いんだよ」 京太郎「お前は俺より見込みがあるのに、俺より弱いのがその証拠だ」 淡「余分なものなんかじゃない! 私には大切なもので、捨てたくなんかない!」 淡「こんなものまで捨てたら、本当に『人間』じゃなくなっちゃう!」 淡「だからやめてってば! 私は、こんな――」 京太郎「大丈夫だ。やる前は俺もそんな事言ってたけど」 京太郎「やった後はどうでも良くなって悩む事も無くなった奴が、ここにいるだろ?」 京太郎「心配するな。終われば、どうでもよくなる」 淡「こんなの、麻雀じゃない……!」 京太郎「何言ってんだ、これも麻雀だろ?」 京太郎「麻雀って楽しいよな。一緒に楽しもうぜ」 薄れていく。 彼女の中の大切だったものが、薄れていく。 家族の顔を思い出す。 ……? あれ、私の家族、こんなのだったっけ? なんか、他人の家族の写真見てるみたい。 あれ、中学の時私の友達だった奴って、男だっけ?女だっけ?名前なんだっけ? まあいいや、どうでもいいし。 親友がどうでもよくたって、別に何か変わるわけでもないしね。 今日、夢とかなんか先輩に語った気がするけどなんて言ったんだっけかなー。 昨夜の晩御飯は思い出せるんだけど、ううん。 まあいいや。思い出せないって事は、どうでもいいってことだし。 あ、色違いの扉だ。 さっさと開けて、追いつかないと。 あー。 扉の向こう側は、やっぱ良いなぁ。 淡「……」 京太郎「ハッピーバースデー」 淡「……」 京太郎「おめでとう、大星淡」 淡「……」 京太郎「お前は今日一度死んで、生まれ変わった」 淡「……」 京太郎「気分はどうだ?」 淡「……最っ高」 京太郎「悪いな、乱暴なやり方になった」 淡「良いよ、別に」 淡「そんなどうでもいいことより、続き打たない?」 結果だけを言わせてもらうのなら。その卓は、僅差で淡が勝利した。 菫「……なんだ、これは」 菫「何故、こうなった」 菫「私か? 私が……私が、悪いのか!?」 帰って来た彼女を迎えたのは、新入生の生意気な後輩でもなく。 日常風景である、白糸台女子麻雀部の練習風景でもなく。 彼女の想像の遥か上を行く、悪夢の光景。 淡「キョータロー、ちょっと椅子に座ってよ」 京太郎「ん? まあいいけどよ」 淡「よいしょっ」 京太郎「……なんで、俺の膝の上にわざわざ座る」 淡「座布団無いし」 京太郎「我慢しろよそのくらい!」 淡「えー、役得だって素直に喜びなよ」 目の輝きが、穢され朽ちて腐り果て、終わり果てた少女の眼。 京太郎「ちょっとは役得だと思ってるけどな、前が見えねぇんだよ」 淡「……重い?」 京太郎「軽いぐらいだ、そっちは心配すんな」 淡「そっか、よかったー」 京太郎「……なんか、いい匂いするな」 淡「ちょ、かがないでよっ、エッチ!」 京太郎「お前から座っといてなんつー言い草だ」 菫「……おい」 京太郎「あ、弘世先輩」 菫「お前、これは、一体どういう」 淡「あ、菫先輩。お疲れ様です。用事はどうでしたか?」 菫「……!!」 敬語。 菫「お前、その、敬語は」 淡「あれ? 敬語を使えと言われたのでそうしたんですが……どうかしましたか?」 口調が、癖が、性格が。 そんなに簡単に、変わったりするものだろうか? 否、変わらない。だからこそ菫も、淡の口調を時間をかけて強制しようと思っていた。 しかし、菫につきつけられた現実は。 菫「(……ああ、そうか。淡)」 菫「(お前はもう、本当に……)」 そして、変えたのは。 菫「(照は向こう側ではあるが、この部で同類を増やした事はない)」 菫「だが、お前は……」 京太郎「? ええと、何か御用ですかね?」 菫「(……お前は。お前達は)」 菫「(この世に、存在すべきじゃない)」 菫「(お前達が在る事自体が、絶望的に間違っている)」 例え話をしよう。とある宗教には、全知全能と定義された神が居る。 しかしその神は、全知全能でありながら『悪』であるサタンという悪魔を生み出した。 悪として生まれた、悪になった、悪を行った、それは関係ない。 善く在れと、善く生きろと全ての存在に命じたにも関わらず、生み出したのだ。 神が全知全能であるのなら、神が許さなかった存在は生まれない。ならば何故なのか? それはつまり、『悪』であっても存在する事だけは許されるという事。 『悪』は否定され、いつか滅ぼされるものであっても、存在を否定される程のものではないという事だ。 必要悪という言葉が存在する時点で、それは当たり前の事。 でなければ、『贖罪』という概念の意味が分からなくなってしまう。 だが。それでも、存在を否定されるべき存在は居る。 菫「(悪でもなく、善でもなく。そのどちらにも存在を否定されるであろうお前達は)」 菫「(在るべきじゃないんだ、この世界に)」 菫「(……誰にも、止められないのか)」 ここで、視点は移る。 遠く離れた、清く澄んだ空気の満ちる地で。 「咲ちゃん咲ちゃん! もしかしてこの雑誌に乗ってるチャンピオンって、咲ちゃんの知り合いか?」 雑誌には、『宮永照』の文字。 「ううん。違うよ、優希ちゃん」 「私に、姉は居ないから」 「じぇ? そうなのかー」 華奢な体躯はどうにも健康的には見えないが、他者の目を引くのはその瞳。 雑誌を閉じた少女の瞳は、清濁併せ呑む器の大きさを持ちながら。 どこまでも清く澄んだ、美しい輝きを宿している。 「……待っててね」 そして、その視線の先は。 彼女の友人が持ってきた、その雑誌に注がれていた。
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/1158.html
前話 次話 Kちゃんぬいぐるみ、全国大会編 開会式 京太郎「頑張れー!清澄ー!!」 ざわざわ 咲「もう……京ちゃんったら」 和「さすがに開会式前で叫ぶのはいけませんね」 久「応援は嬉しいけどねー」 優希「京太郎が注目の的になってるじぇ」 まこ「にしても、ざわめきすぎじゃないか?周りの選手も京太郎の方を見とるし」 久「女子の大会で男子がいるから、にしては変ね」 和「叫ぶ前よりざわめいてる気がしますし、なんなんでしょう」 優希「気にしてもしょうがないじぇ!」 まこ「そうじゃな。後でちょっと京太郎は叱るか」 咲「ええ。京ちゃんに後で言いましょう」 霞「ねえ、さっき叫んだ子って……」 初美「清澄って言ってたですよー」 小蒔「あの人、まさか……」 巴「……姫様?」 春「……会いに行く?」ポリポリ 煌「清澄……和と優希は元気でしょうか……って部長?」 哩「そんな……ここにおるなんて」 姫子「ぶちょー?鎖いります?」 美子「なんでここにあると……」 仁美「なんもかんもあの男子のせいや」 白望「ダル……くない」 塞「シロ?」 豊音「……見つけたよー」 エイスリン「ハイ!」 胡桃「エイちゃん、そのハートを射る矢の絵はなに?」 穏乃「清澄って……和がいるとこ!?」 憧「へえ……和に紹介してもらうのがいいかな」 玄「ふ~む。おもち好きと見たっ!」 灼「猫耳あったかな……」 宥「……あったかそうな人」 洋榎「よっしゃ。絹、終わったら行くで!」 絹恵「おねえちゃん何する気なん?」 由子「洋榎、私も行くのよー」 末原「清澄……マークしとかな」 漫「先輩、マジック構えないでください」 怜「……見えん。フナQ」 浩子「眼鏡は貸しませんよ」 竜華「場所が悪かったんかな」 セーラ「俺がひとっ走り行けばええやん」 泉「先輩、行って何するんですか?」 ネリー「サトハ!サトハ!」 ダヴァン「さすが日本デス!」 明華「まさか本人がいるとは……」 ハオ「日本……やはりあなどれない」 智葉「お前ら……」 憩「へーぇ。楽しみが増えたわ」 やえ「……この程度で騒ぐニワカ共め」 初瀬「小走先輩……Kちゃんぬいぐるみより先にご本人に会えそうですね」 淡「ね、ね、さっきの男の子、Kちゃんそっくり!」 菫「落ちつけ淡。その図々しさで連絡先聞いてこい」 尭深「弘世先輩……」 誠子「せめて自分で行きましょうよ」 照「……京ちゃん」 久「やっと開会式も終わったわね」 まこ「なんか周りからやけに見られとった気がするんじゃが」 優希「のどちゃんのおっぱいのせいか?」 和「ないですよ!」 久「さて、アレ?咲は…」 洋榎「待ちや!!」 久「へ?」 洋榎「あんたが清澄の部長か?」 久「そうだけど、って姫松高校!?」 まこ「大阪の強豪じゃな。久、なんかしたんか?」 久「初対面よ。後、なんかって何よ」 洋榎「なんや知っとるんか。うちが姫松の愛宕洋榎や!」 優希「その姫松がうちになんの用だじぇ?」 洋榎「たいしたことやない。ただ…」 セーラ「見つけたでー、って愛宕洋榎!?」 洋榎「江口セーラ!!何しに来たんやこの野郎!」 セーラ「俺は女や!そっちこそなんで…」 ネリー「サトハ!サトハ!いたよ!!」 ダヴァン「ネリー、はしゃぎすぎデス」 久「え?確か竜門渕とあたった臨海?」 初美「いましたよー」 まこ「うお!あんたは永水の?」 姫子「えーっと、花田が言っとったんは」 哩「清澄やね」 優希「花田先輩?」 和「……なんなんですかこれは」 久「なんでこんなに有名校が?」 モブA「あ!清澄いたー!」 まこ「え?」 優希「じぇ?」 モブB「マジー?ちょっと、あんた行きなって」 モブC「あんたも行けって。限定Kちゃん譲ってやったじゃん」 モブD「あ、すいませーん。ちょっと聞きたいことがありまして…」 塞「……出遅れたかー」 胡桃「うるさい、ここ」 久「え?こんなに人集まってほんと何が起こってるの?有名人でもいた?」 哩「ちょっとある人に会いたくて…」 洋榎「うちが先や!」 セーラ「俺や!」 初美「人多すぎですよー。ちょ、埋もれますー」 ネリー「ぬいぐるみ!モデル!」 まこ「……ある意味いっぱいおるの」 和「アレ?咲さん?」 咲「ここ……どこ?」 咲「うう……さっきまで人いっぱいだったのに誰もいないよ……」 咲「京ちゃん……助けてー……」 照「……全く、4人ともはぐれるなんて」 照「淡なんかは初めてだけど、菫は3回目なんだから」 照「……私は迷ってない。悪いのは道」 咲「……京ちゃーん」 照「……皆どこだろ」 咲・照「あ」 咲「お、お姉ちゃん!?」 照「!」プイッ 照「…………」スタスタ 咲「ま、待ってよ!」 照「…………」スタスタ 咲「なんで京ちゃんのぬいぐるみ抱いてインタビュー受けてたの!?」 照「アレやっぱり京ちゃんだったの!?」クルッ 照「あ……」 咲「お姉ちゃん……」 照「……で、なんで京ちゃんがぬいぐるみになってるの?」 咲「え?なんか頼まれて、流れでそうなったとか…」 京太郎「咲!!やっと見つけた、って照さん!?」 咲・照「京ちゃん!!」 京太郎「……咲、上から見てて明らかにみんなから離れてたぞ」 咲「う」 京太郎「……色々置いといて言いますけど、照さんも方向音痴治って無かったんですね」 照「……道が悪い」 咲「お、お姉ちゃんの言う通りだよ京ちゃん!道のせいで、迷子じゃないから!」 照「そうそう」 京太郎「……姉妹喧嘩はどした?」 咲・照「あ……」 京太郎「…………とりあえず咲は俺についてくる。照さんは携帯とかで部員と連絡つきます?」 照「携帯……電池切れ」 京太郎「会場入口とかまででいいですか?」 照「……分かった」 咲「お姉ちゃん……」 京太郎「喧嘩は一時休戦ぐらいでお願いします」 照「……善処する」 照「ところで京ちゃん、なんでぬいぐるみになってたの?」 京太郎「あれですか。実はですね、かくかくしかじかで」 咲「京ちゃん、それじゃ分からないよ」 照「なるほど」 咲「分かったの!?」 照「全然」 咲「……お姉ちゃん、京ちゃん」 京太郎「あはは。咲は騙されやすいな」 照「まだまだだね」 咲「もう!2人とも酷いよ!」 照「ふふっ」 京太郎「……照さん、俺が言うのもなんですが、このまま仲直りするのは無理ですか?」 咲「京ちゃん……」 照「…………」 京太郎「姉妹が仲悪いより仲良い方がいいですし」 京太郎「俺は、2人には笑っていて欲しいんです」 照「……そうだね。でも私は」 恒子「おぉーっとチャンピオン発見だぁー!」 京太郎・咲・照「!!?」 健夜「こーこちゃん、いきなりすぎるよ」 京太郎「え!?小鍛冶プロ!?」 咲・照「!!!」 恒子「いやぁ、すこやんの雄姿を納めるために常時起動していたカメラがこんなところで役に立つとは」 健夜「常時起動ってなに!?」 恒子「あ、今回は編集してからネットで公開するからね?」 健夜「結局!?」 京太郎「あ、あの~」 恒子「おや少年。ん?君、今話題のKちゃんぬいぐるみに似てない?」 京太郎「いや、それは似てるも何も俺がモデルですから」 恒子「な、なんとー!私達は話題のKちゃんご本人に出会ってしまったぁー!!」 恒子「ご本人もなかなかのイケメンです!これは話を聞かないとアナウンサーじゃないですよね!!」 京太郎「……はい?」 咲「……誰?」 照「確かアナウンサーの人と小鍛冶プロ。本当に強い」 健夜「あ、ありがとう。で、宮永さん」 咲「は、はいっ」 健夜「?宮永照さん、だよね?」 咲「あ、すいません。私、宮永咲です」 健夜「同じ宮永……姉妹?」 咲「えっと……」 照「その……」 恒子「何面白そうな話してるのすこやん!」 健夜「わっ」 恒子「ん?2人は……どっちが彼の彼女?」 咲・照「ち、違います!」 恒子「ということは……勝った方が彼を貰う的な?」 健夜「何言ってるの!?」 照「勝つ……」 恒子「いやぁ、面白そうじゃないですかー?」 健夜「だからって…」 照「咲」 咲「お、お姉ちゃん?」 京太郎「照さん?」 照「今、言っておく。私は、白糸台は負けない」 咲「!」 照「……仲直りは、それが終わってから考える」 京太郎「照さん……」 照「今色々考えて試合に影響が出たら、色んな人に申し訳ないからね」 咲「……分かったよお姉ちゃん」 咲「でも、私も、清澄も負けないからね」 照「……団体も個人も、途中で負けたりしないでね」 咲「うん」 照「京ちゃんは見ていて。私達の全力を」 京太郎「……はい」 照「終わったら、ぬいぐるみのこと聞かせてね?」 京太郎「ははは。いくらでもいいですよ」 咲「じゃあ私は、また本買うのにでも付き合ってね?」 京太郎「俺は景品かよ」 照「立会人券景品かな?」 京太郎「立会人って、いつかの時代の決闘ですか」 咲「くすっ」 照「ふふっ」 恒子「これは、Kちゃん本人を賭けた闘いが始まったー!!」 京太郎「え」 健夜「こーこちゃん。そういうのじゃなくて真面目な話っぽいから茶化すのやめよ?」 恒子「あ、すいません」 照「いえ、大丈夫です」 咲「あ、はい」 恒子「でも傍から見ればそう見えるんだよねー」 恒子「そしてチャンピオン自身が勝つという宣言までしてるしー……これは優勝すればKちゃんゲットでいいのかな?」 健夜「人を景品にするのやめようよ」 咲「あのー、これそのまま公開とかはちょっと……」 照「私達のとこは編集で切ってもらえます?」 恒子「んー……よし、問題無い!すこーし使うのはいいよね?ていうか勝手にやるね!じゃ、まったねー!」 健夜「どこ行くの?こーこちゃん!」 京太郎「……行ってしまった」 咲「なんか……騒がしい人だったね」 照「マスコミなんてあんなもの」 京太郎「じゃ、行きますか」 会場入口 京太郎「さて、ここまで来ましたけど、知り合いとかいます?」 照「いない。それどころか、他校の生徒も少ないけど」 咲「そういえば、この時間は抽選やってるんじゃなかったっけ?」 京太郎「ああ、なら抽選会場に行けばいますね」 照「うん。会場は毎年同じだから分かる。こっち」 咲「さすがお姉ちゃん」 京太郎「……そっちトイレですよ?」 照「……なんもかんも道が悪い」 京太郎「なんですかその口調。こっちですから行きましょう」 抽選会場 アナウンス「次は、姫松高校の抽選です」 京太郎「ここですね」 照「うん、入ろう」 ガチャ アナウンス「姫松高校はBブロックの…」 京太郎「さて、白糸台は…」 咲「あ、京ちゃん部長が引くよ」 京太郎「お、ほんとだ」 照「あれが清澄の部長……」 ざわざわ、ざわざわ モブE「ちょっと!Kちゃんいた!!」 モブF「マジ?どこどこ…って宮永照と一緒じゃん!!」 モブG「チャンピオンと!?さすがに近くに行けないわ」 モブH「あのとなりのおとなしそうなの誰?」 末原「ほう、清澄とは2回戦やけど強敵なのは確定やな」 智葉「さすが宮永……油断できんな」 怜「チャンピオンこっちでもすごいな……」 煌「まーた麻雀以外でもすごい人と当たりますね……」 豊音「ちょーすごいよー。サインの他に写真とかお願いできるかなー」 小蒔「ま、負けません!」 まこ「なんじゃまたざわめいてきたの」 優希「あ!京太郎と咲ちゃんが入り口に入るじぇ!」 和「2人と……宮永照さん!?」 まこ「またえらいの連れてきたな……久がなんて言うか」 淡「菫!菫!テルーがKちゃんと!!」 菫「分かっているから落ちつけ。そう落ちつくんだ私。照発見のお礼の名目で…」 誠子「先輩、嬉しいのは分かりますけど落ちつきましょう?」 尭深「そろそろ抽選終わりますよ?」 アナウンス「以上で抽選を終了します。各校はそれぞれの時間を…」 京太郎「終わったみたいですね」 照「白糸台はシードでAブロックだけど」 咲「清澄はBブロックだね」 照「……」 まこ「おーい」 京太郎「あ、染谷先輩」 まこ「京太郎お前一体…」 照「決勝で待ってるから」ゴッ 和・優希・まこ「!?」 咲「……全部、倒して行くね」ゴッ 照「……ふふっ」 和「い、一体なんですかこれは?」 照「あ、菫いた。じゃ、ここまでだね」 照「ねえ、京ちゃん」 優希「京ちゃん!?」 照「連絡先、紙かなんかに書いてくれない?」 京太郎「あ、はい。……これですね」 照「ありがと。ホテルに帰ったら連絡入れるから登録してね」 京太郎「勿論です」 照「じゃ、またね」 久「あー、緊張したわ。アレ?みんな?」 照「失礼」スタスタ 久「え?」 久「……今、咲のそっくりさんかチャンピオンが居た気がするけど、見間違いよね?」 咲「……部長」 久「な、何かしら?」 咲「今、すっごく打ちたい気分なんで、帰って打っていいですか?」ゴッ 和「さ、咲さん?」 咲「どうしても、決勝にいかないといけなくなりました」ゴゴゴゴゴ 久「……ネット麻雀かどこかの雀荘で勘弁してくれない?」 久(さすがに今、選手の誰か咲とを打たせる訳にはいかないわー) 照「……ふふふっ」 淡「テルー!」 菫「またどこに行ってたんだお前は」 照「淡、菫」 誠子「そーですよ。なんでKちゃんといたんですか?」 尭深「すごく、親しそうでした」 照「京ちゃんは元々知り合いだからね?」 淡「え?Kちゃんじゃなくて京ちゃん?」 菫「何があった。そしてなんでそんな関係なんだ。彼にお礼をだな…」 照「菫」ゴッ 菫「!……なんだ?」 照「決勝に、どうしてもいかないといけなくなった」 淡「!……テルー、やる気になってる?」 菫「そうか。まあ、もとより優勝するために来てるしな」 照「それと……」 誠子「先輩?」 尭深「どうしたんですか?」 照「今、すっごく打ちたい気分だから、3軍でも2軍でも他の部内チームでもいいから、本気で打っていいかな?」ゴゴゴゴゴ 菫「……分かった」 菫(また気の毒なことをするな……Kちゃんよりか部員の安否を考えよう) この日、インターハイ抽選会場で、とある都市伝説が生まれた 曰く、Kちゃんは魔王を呼ぶ、と 少し、時間を遡る インターハイ、抽選会場 久「ふう、抽選時間に救われたわ。集合のアナウンスが無かったら危なかった」 洋榎「全くやな。あんなに集まったら迷惑っちゅうもんや」 久「……なんで自然に隣にいるのよ」 洋榎「つれないわー。高校同士の温かい交流やで?仲良くしようや」 久「あんな大勢に『聞きたいことがある』って迫れらた後に交流は難しいわね」 哩「そうやね。人間目的のために自分見失うこともあるってことね」 久「……頬を染めて一番自分見失ってたのは誰かしらね」 塞「さすがに今は聞かないから安心してね」 久「当然よ。あ、そろそろ抽選始まるわね」 哩「じゃ、決まったとこに行くか」 塞「私もね」 洋榎「そか、なら今やな」 久「……何?」 洋榎「身構えんでもええ。自分、Kちゃんぬいぐるみって知ってる?」 久「え?知ってるけど」 洋榎「それのモデルが自分の高校におるってみんな思っとるんや」 久「……あー、開会式の?」 洋榎「それや。で、みんなお近づきになりたいっちゅーことや」 久「それでか……」 洋榎「その反応……ほんまに自分とこにおるな?」 久「隠しても無駄ね。ええ、彼はうちの1年生の部員よ」 周り(!!) 洋榎「ほう……周りもみーんな聞いたみたいやで?ええんか?」 久「もういちいち聞かれるのが嫌なのよ」 久「ほら、あなたの番よ」 洋榎「おっと」 久「もうすぐ私かしらね」 久「まさか……姫松、永水がいるところとはね」 洋榎「ふっふっふ。残念やったなぁ」 久「まだよ。まだ諦めないわ」 洋榎「なんや?秘策でもあるんか?」 久「……彼本人を貸すというのはどう?」 洋榎「なん……やと……!?」 久「ふふふ。どう?」 洋榎「くっ、そうくるとは……あれ?Kちゃん違う?」 久「え?……ああ、彼ね」 洋榎「……隣にごっついのが見えるのは気のせいか?」 久「……さ、さあ?見間違いじゃない?」 洋榎「なんかチャンピオンと仲よさげなんやけど」 久「……そういえば咲連れてきたのも彼だったわね。なんか魔物を惹きつけるものでもあるのかしら?」 洋榎「Kちゃん魔物を呼ぶってか?無いわー」 久「あはは。あ、そろそろ終わりっぽいわね」 洋榎「せやなー。なかなか面白かったで。Kちゃんよりもあんたに会えたのが面白かったわ」 久「あら、ありがとう」 洋榎「また会いたいし、2回戦楽しみにしとるで」 久「お手柔らかにね」 洋榎「ただいまー!」 絹恵「あ、お姉ちゃん。なんか清澄の人と話してたみたいやけど」 洋榎「それや!ちょっとKちゃんの話仕入れてきたでー」 由子「それは聞きたいのよー」 末原「さすが主将」 洋榎「せやろー?でな、Kちゃんは…ん?」 咲「…………」ゴゴゴゴゴ 照「…………」ゴゴゴゴゴ 漫「……なんか、すごいのが通っていきましたね」 末原「あの2人は……どっちも魔王みたいに強いですね」 由子「確かKちゃんといた2人なのよー」 絹恵「お姉ちゃん?」 洋榎「……Kちゃんは、魔王を呼ぶんや」 この日より、むやみにKちゃんに近づくものは激減した そして、全国大会の抽選会は無事に終わったのだった 夜 咲「カン!カン!もいっこカン!!」 久「いやー、風越や龍門渕や鶴賀の人達がいて、ほんっと助かったわー」 まこ「……後ろの惨状から目をそらすな」 池田「か、華菜ちゃんはまだ諦めてないし……」 美穂子「華菜!!しっかりして!!」 一「ははは……今日って満月だったっけ?」 純「目開けろ国広君!衣はここに居ねぇから!!」 桃子「消えたいっす……完璧に消え去りたいっす……」 ゆみ「モモ!なんで消えたり現れたりしてるんだ!?」 優希「……今、清澄の生徒で良かったって心の底から思うじぇ」 和「……同感です」カタカタ 優希「のどちゃんネト麻か?」 和「いえ、今は色々見てるだけです。あら?この動画は…」 優希「お、ふくすこの動画だじぇ。最新版…さっき上がったみたいだな」 和「へぇ。見てみましょうか」カタカタ 和・優希「!?」 照「ツモ、4000オール」ギュルルルルルル 白糸台モブA「6連続……」 白糸台モブB「ははは……笑うしかない……」 白糸台モブC「私、帰ったらKちゃん(ぬいぐるみ)に告白するんだ……」 白糸台モブD「しっかりしろ!フラグは立てるな!!」 白糸台モブE「衛生兵!衛生兵を早く!!」 淡「テルー絶好調だね!」 菫「笑顔でなんてこと言うんだお前は」 誠子「……私、虎姫で良かった」 尭深「……私も」 菫「お前らな……部長の私の苦労も考えてくれ」 淡「えー?弱いから仕方ないじゃーん」 誠子「さっきの人、部内戦で2位のチームのエースだよね?」 尭深「インカレで頑張るって言ってたけど……牌持てるかな?」 菫「はあ……照、そこまでにしといたらどうだ?」 照「あと1局」 菫「これ以上被害者増やすな。おい、そっちは重症だ。しばらく麻雀から遠ざけておけ。そいつは軽傷だ、ドクターKちゃんでも持たせとけ」 尭深「自作したナース服Kちゃんを…」 菫「しまえ」 尭深「……ネットに上げてからしまっときます」カタカタ 誠子「あ、尭深。ちょっとふくすこの動画み見せてくれない?新しいの上がったらしいんだ」 淡「あ、私も見るー」 尭深「分かった」カタカタ 尭深・誠子・淡「!?」 恒子「ふくすこインハイムービー!特別編!!」 恒子「どうもこんばんわ!!福与恒子です!!」 健夜「あ、小鍛冶健夜です」 恒子「今日は、インハイ会場で会ったとある人物とそれをめぐる戦いについてです!!」 健夜「まだ戦ってないよ!?」 恒子「それでは、その動画をどうぞ!!」 恒子『おや少年。ん?君、今話題のKちゃんぬいぐるみに似てない?』 京太郎『いや、それは似てるも何も俺がモデルですから』 恒子『な、なんとー!私達は話題のKちゃんご本人に出会ってしまったぁー!!』 恒子『ご本人もなかなかのイケメンです!これは話を聞かないとアナウンサーじゃないですよね!!』 京太郎『……はい?』 恒子『で、君の名前は?』 京太郎『いや、撮影中でしょう?さすがにちょっと……』 恒子『ああ、失礼。じゃ、Kちゃんで』 京太郎『あ、はい』 恒子『おおーっと?向こうはアラフォーが女子高生をいじめている!これは行かねば!!』 京太郎『俺は!?』 恒子『何面白そうな話してるのすこやん!』 健夜『わっ』 恒子『ん?2人は……どっちが彼の彼女?』 咲・照『ち、違います!』 恒子『ということは……勝った方が彼を貰う的な?』 照『私は、白糸台は負けない』 咲『私も、清澄も負けないからね』 照『終わったら、聞かせてね?』 咲『じゃあ私は、付き合ってね?』 京太郎『俺は景品かよ』 恒子「と、言うことですね」 健夜「かなり編集されてるよね!?」 恒子「マスコミなんて、こんなもの。とチャンピオンはコメントを残されています」 健夜「いい意味じゃないよ!?」 恒子「チャンピオン、そして2連覇の白糸台の勝利宣言、これはアレですね」 恒子「優勝校、そして個人優勝者への景品がKちゃんご本人ということですね」 健夜「彼の意思はどうなってるの!?」 恒子「まー、こんなもの後ろに『!?』って付ければフィクションみたいなものですから」 健夜「全くこーこちゃんは。それに、白糸台が勝つのも、宮永照選手が勝つのも決まってないよ?」 恒子「おっと、さすがアラフォーは厳しい」 健夜「アラサーだよ!?何言わせるの!?」 健夜「ここはインターハイという場です。何が起こってもおかしくない」 健夜「それに彼女達は高校生。まだまだ可能性はいくらでもあるんですから、決めつけはよくないです」 恒子「つまり、どの高校も、誰でもKちゃんご本人をゲットするチャンスがあると」 健夜「台無しだよ!?」 恒子「ではインターハイの実況解説でまたお会いしましょう」 和「……これは」 優希「……いや、フィクションかもしれないじぇ?」 久「でも、あの咲の本気っぷりはね」 まこ「つーか止めんのか?」 咲「麻雀って楽しいよね?」 未春「あはは……華菜ちゃん、今そっちに行くね」 美穂子「吉留さん!!華菜はここにいるわ!!」 智紀「……ちょっと2次元に行ってくる」 純「智紀!!帰ってこい!!」 智美「ワハハ……これがステルスってやつか……」 ゆみ「蒲原!!そんな消え方するな!!」 久「全国……荒れなきゃいいけどね」 和「無理じゃないですか?誤解する人も増えますよ」 優希「なるようになるじぇ」 まこ「無事にやれればいいんじゃがな」 尭深「……つまり宮永先輩は」 誠子「いやいやいや、編集って言ってるし。それに景品がどうとか信じる訳が…」 淡「景品はKちゃん本人かー。インハイっていいね!」 尭深「……あったね」 誠子「……ははは」 菫「どの道優勝狙いだ。やることは変わらん」 誠子「先輩……」 菫「それに、もし本当だったら……」 尭深「しっかり狙ってるね」 誠子「駄目だこれ。早くなんとかしないと」 淡「あれ?テルーは?」 菫「さっき部屋に戻って行ったな。これで被害の拡大は防げる」 誠子「どこかの台風ですか」 尭深「インターハイ……無事に進めばいいんですが」 この動画はインターハイ参加校全てが見ることとなった そして、今回のインターハイは、参加選手が本気以上の力を見せることになった そのころの京太郎 京太郎「あ、もしもし」 京太郎「どうもハギヨシさん」 京太郎「ええ、こないだのタコスのレシピですが……」 京太郎「はい、それじゃまた」 京太郎「……ん?この番号は?」 京太郎「……照さん?はい、俺です」 京太郎「こうして話すのも照さんが東京に行く前以来ですね」 京太郎「ええ。長話も大丈夫です」 京太郎「はい。そういえばカピーがですね……」 電話中で動画に気付かなかったとか 前話 次話 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5670.html
664 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/06/03(火) 00 29 47.75 ID Eq/2EbiA0 [2/8] 優希「京太郎ー!」 京太郎「なんだ?」 優希「タコス、欲しいじぇ」 京太郎「おう、大丈夫だぜ」スッ 優希「流石だ!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 666 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 32 35.67 ID Eq/2EbiA0 [3/8] 優希 77 0~50 和 51~70 まこ 71~80 久 81~99 優希 671 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 35 35.40 ID Eq/2EbiA0 [4/8] 京太郎「あ、先輩」 まこ「ほれ、水やる」ヒュッ 京太郎「ありがとうございます」パシッ まこ「疲れてる顔をしとるからのぉ」 まこ「気、ぬくなよ?」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 674 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 37 28.94 ID Eq/2EbiA0 [5/8] まこ 114 咲「二人目……」ボソッ 0~30 和 31~60 久 61~99 和 676 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 39 21.25 ID Eq/2EbiA0 [6/8] ゆーきだった 優希「ひまだじぇー」 優希「構え京太郎~」 京太郎「鬼ごっこするか」 優希「こいつ馬鹿だじぇ!」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 679 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/06/03(火) 00 40 52.64 ID Eq/2EbiA0 [7/8] 優希 97 咲「三人目……」 0~50 和 51~99 久 682 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 42 50.45 ID Eq/2EbiA0 [8/8] 久「ごめんね、須加君……」 久「全国終わったら雑用なんてしなくてもいいわ」 京太郎「いいんですよ、俺の気持ちですから」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 685 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 46 01.99 ID l3pYIff30 [1/3] 久92 咲「四人目だね」 京太郎「お、もう着くな」 和「京太郎君」ギュッ 京太郎「ほぁ!」 和「どうしましたか?」 和「早く行きましょう」 京太郎「お、おう」 和「ふふっ……」チラッ 咲「……す」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 和「っ!」ゾクゾク 0~30 小 31~60 中 61~99 大 689 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 00 48 42.15 ID l3pYIff30 [2/3] 和 142 咲「もう、五人目かぁ……新幹線は楽しいね」ボソッ ーーー 京太郎「よし、旅館に着いたぞ」 京太郎「少しウロウロするか」 0~30 千里山 31~60 白糸台 61~99 龍門渕 699 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 01 46 11.57 ID PHOoj5Bf0 [1/2] 最初に和だったら接触はそこで終わってたんだよね これも運命 淡「へぇ……あなたが照の……」 菫「こらっ淡、ジロジロ見るな」 淡「ごめんねー」 京太郎「いーよ、別に」 尭深「……」ズズッ 誠子「へぇ……」 安価下1 淡 安価下2 尭深 安価下3 誠子 703 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 01 49 08.36 ID PHOoj5Bf0 [2/2] 京太郎「いい人達だったな」 0~50 千里山 51~99 龍門渕 705 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 01 53 53.68 ID l3pYIff30 [3/3] 淡 45 尭深 81 誠子 76 セーラ「お、強そうな男やな」 セーラ「俺と勝負や!」 京太郎「勘弁してくださいよ……知らない人」 怜「あんたは……」 京太郎「あなたは……どこかで会ったような……」 怜「うちもそんな気がするわ」 浩子「ついに壊れてもうた……」シクシク 泉「んな、おおげさな」 竜華「うち……出遅れた?」 安価下1怜 安価下2セーラ 安価下3浩子 安価下4竜華 安価下5泉 712 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 01 16.13 ID iqGYEoLp0 咲「6人目だね、悲しいよ」 怜 60 セーラ 15 浩子 100 竜華 60 泉 41 ーーー 京太郎「うわ、子供だ」 衣「愚弄するではない下郎!」 透華「これだから庶民は……」 一「いくらなんでも失礼だよ」 ハギヨシ「あなたは……京太郎君ですか」 京太郎「あっ……ハギヨシさん」 純「んだよっ?」 智紀「京太郎……君」 安価下1 衣 安価下2 透華 安価下3 一 安価下4 純 安価下5 智紀 718 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 07 52.68 ID gLI3ocVk0 咲「7」 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀 衣 50 とーか 32 一 76 純 20 智紀 149(強制) 京太郎「いろいろな人と知り合いになったな、照はインタビューで忙しいらしいから誰かを飯に誘うか」 ーーー 怜「で、私達か」 淡「変なのー」 衣「?」 一「僕もだよーへんなのー」 京太郎「まぁまぁ、食べましょうよ」 怜「仕方ないわー」 0~30 小 31~60 中 61~99 大 720 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 11 21.25 ID qfxE8dsB0 [1/2] 衣70 一 96 怜80 淡 65 咲「これで8」 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 衣「まだ遊びたい!」 京太郎「マジで!?」 怜「接点なさすぎて気が引けるわ」 淡「私達会話らしい会話してないよね」 一「僕はもう寝るよ」 0~30 そのままレストラン滞在 31~60 移動 61~99 京太郎の部屋 722 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 02 14 48.00 ID qfxE8dsB0 [2/2] 咲「11、急展開すぎるよ」 怜 110 淡 95 衣 100 怜「なんで男の部屋にいるんや……うち///」 淡「へー京太郎だけなんだ」 衣「……」スヤスヤ 京太郎「寝るなぁ!」 怜「うるさいわ」 淡「かっこ良くみえてきたよー」 怜「それは言えてるわ」 京太郎「……?」 一日が終わりました 729 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 08 56 16.36 ID rJNI2DIB0 [1/4] 京太郎「ふぅ、なんとか帰ってもらえたぜ」 prrrrrrr 京太郎「あ、電話だ」 自由安価下2 733 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 08 03.05 ID rJNI2DIB0 [2/4] 照「もしもし」 京太郎「もしもし」 照「インタビュー疲れた」 京太郎「あはは、お疲れ様」 京太郎「今度見させてもらうよ」 照「見ない方がいい」 京太郎「どうして?」 照「私が恥ずかしい」 京太郎「今度見させてもらうわ」 照「やめて」 734 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 12 48.23 ID rJNI2DIB0 [3/4] 朝 京太郎「うーん朝だ」 京太郎「選考会も終わったしどうしようか」 0~30 宮守 31~60 鶴賀 61~99 臨海 736 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 20 27.85 ID w55c4VoA0 [1/2] エイスリン「!」 京太郎「ん?」 エイスリン「……」カキカキ バッ エイスリン「!」 京太郎「迷子?」 ーーー 京太郎「ふぅ……」 胡桃「心配したよ!」 エイスリン「ミンナ!!」 豊音「良かったよ~」 シロ「だるっ……」 塞「良かった……」 シロ「……ありがとうそこの男の人」 京太郎「いえいえ」 安価下1 シロ 安価下2 エイスリン 安価下3 胡桃 安価下4 塞 安価下5 豊音 743 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 26 15.22 ID rJNI2DIB0 [4/4] 咲「12」 シロ 12 エイスリン 93 胡桃 70 塞 50 豊音 37 京太郎「人助けした後は気持ちがいいな」 京太郎「さて、水でも買いに……」 鶴賀0~50 51~99 臨海 745 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 09 34 04.15 ID v8zyORgi0 智美「ワハハお前清澄の雑用だな~」 京太郎「ひ、ひどい!」 京太郎「どうして鶴賀の皆さんがここに?」 ゆみ「まぁ……夏休みだし」 佳織「あはは~」 モモ「……」ユラッ 睦月「うむ」 安価下1 睦月 安価下2 智美 安価下3 佳織 安価下4 ゆみ 安価下5 モモ 753 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 10 45 11.02 ID w55c4VoA0 [2/2] 咲「15」 咲「選ぶ事も大事かもね」 睦月 96 智美 71 佳織 100 ゆみ 65 モモ 94 ーーー 京太郎「うわっ外人の人ばかり……」 智葉「道を尋ねたい」 京太郎「あ、あっちですよー」 ダヴァン「たすかりまース」 ネリー「ありがとねー」 明華「……」ペコッ ハオ「……」 安価下1 智葉 安価下2 ハオ 安価下3 明華 安価下4 ダヴァン 安価下5 ネリー 766 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 17 43 02.19 ID mpWAvxP2O 咲「16……肌の色は関係ないよ」 智葉 41 ハオ 25 明華 26 ダヴァン 149 ネリー 31 ーーー 京太郎「よし、昼になったな」 「ーーー」 一緒にご飯を食べるのは? 自由安価 安価下2 771 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 27 37.67 ID 5zy0Ci96O [1/6] 衣「昼食か、よかろう」 京太郎「……」 たまたま会ったからなんて言えないわな。 ーーー 衣「中々美味しいな」 京太郎「中々ってなんだよ」 衣「ところで、好いている女子はいるのか?」 京太郎「いるよ、とっても綺麗な人が」 衣「そうか……」 ーーー 咲「衣ちゃんかぁ……」 咲「輪廻の果てまで呪ってあげるよ」 咲「その先に花は咲くのかな?」 ーーー 好感度上昇安価 衣 0~30 小 31~60 中 61~99 大 774 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 35 33.99 ID 5zy0Ci96O [2/6] 衣 125 咲「もう手遅れだよ、衣ちゃん」 咲「衣ちゃんは周りを不幸にするんだ」 ーーー 京太郎「さて、どうしようかな」 夕方 0~50 永水 51~99 姫松 776 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 39 40.18 ID 5zy0Ci96O [3/6] 姫松Vや(ry 洋榎「ほれ、絹金髪がおるで」 絹恵「こらお姉ちゃん!失礼やで!」 京太郎「俺!?」 由子「うるさいのよー金髪君」 京太郎「あなたも金髪がじゃないですか」 漫「同じ臭いを感じるわ……」 恭子「なにしてるんやろ、私達」 安価下1 漫 安価下2 由子 安価下3 ネキ 安価下4 絹恵 安価下5 恭子 786 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 47 21.13 ID 5zy0Ci96O [4/6] 漫 144 由子 149 ネキ56 絹恵9 恭子19 咲「18」 咲「一人だけ天に愛されている人がいるね」 咲「あははっずるいなぁ」 ーーー 京太郎「!」 京太郎「おもち!!!」 京太郎「バスト!おもち!胸!Yes!!!」 霞「ふふっ、面白い人ね」 小蒔「……」スヤスヤ 春「……」ポリポリ 巴「なんかジロジロ見てるよあの人」 初美「私の身体が目当てですかー?」 それは無い。 安価下1 小蒔 安価下2 巴 安価下3 春 安価下4 初美 安価下5 霞 793 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 53 11.67 ID 5zy0Ci96O [5/6] 小蒔 40 巴 93 春62 初美54 霞73 咲「19」 咲「この人達はアクが強いね」 ーーー 京太郎「色んな高校の人と会ったなぁ」 0~50 阿知賀 51~99 新道寺 796 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 18 57 59.78 ID 5zy0Ci96O [6/6] 憧「シズ~」 京太郎「どうしたんですか?」 憧「迷子の友達を探してて」 穏乃「私は迷子にならないよ」ヒョイッ 憧「あはは、ごめんごめん」 灼「……」 玄「同士の匂いがしますのだ」 宥「?」 安価下1 玄 安価下2 宥 安価下3 憧 安価下4 灼 安価下5 穏乃 822 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/03(火) 23 40 51.71 ID Eq/2EbiAO 咲「20」 咲「胸って邪魔だよね」 玄 97 宥 43 憧 85 灼 81 穏乃 89 ーーー 京太郎「おお、可愛い制服だな」 煌「そこのあなた、それはすばらですね」 煌「私もそう思います」 京太郎「はい、新道寺の制服は素晴らしいと思います」 姫子「あはは、そんな人始めてよ」 美子「……」 仁美「変態」 京太郎「……」グサッ 安価下1 煌 安価下2 美子 安価下3 仁美 安価下4 姫子 安価下5 哩 哩「行くぞ~」 830 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 10 34.92 ID RUAhiXH+O [1/4] 咲「へぇ」 煌 75 美子 36 仁美 1 姫子16 哩 42 ーーー 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄 咲「ぜんぶ、全部京ちゃんの所為だからね」 ;,. ;,. ;, ; ;, .; ,. ;,... ...; ;..... ; ;;... .... ;. , ;, . . ,,, ; ;,,,,., ; ,., ;; .,. ; ,;. ;, .; ,;,.; ;. ;,. ., , ; ,;, .,;.;;., .;, , .;.. ;.. ,,. . . . ̄ . . .. .、 ; ; ; ; ;; rァ ,,., ; ; ; ; ;; ; ; ; ;,. ; ;,;. ;, .;, , ..;,. . ,;. ,,;.;. ,;.. ー-=‐''" ...... .. . . .. . . .. . ...丶 ,. ;., ., ,.;., .;, ,;. ; ,;.;., .;;.;..,;. .;, ;..; , , ;.. `¨ラ.. . . . . . . . . . .. . . ヾ 、 ;, .;, ;.;,.;, ;,. ; ; , .;. ;, .;, ; ;.;,;. ,;. . ;,.. /. / .. i] .. . i . ... . . . .. ' ヽ . -イ , .;, .; ,;. ; ;., ;.;;.,; .;, ;, , . ;.. .. ;, ;.. ./.. /.. . ..|A . | ハ l l } / .l ;,; ;,. ;,.;,... ;, .;, ;. ,,.;..; ,;. ;; ;,. ; 厶イ / '.ニ\ |/○}イ ィ N .l ノ ,.; ,;.,. ,;. ;.;.;;. ,;. ;, , .;, ..; ,;., .; |Λ 〔ト、'.ニニヽ|-ニニノイノ .ノ }. 斗' ; ;,. ;,. ,; , . .;. .; ;, ;. ,; ;. , , .; ノ) `} 入 /ン ´ ; ,.; ; .;, .; , ., . , .;, ;. ,; ;. ; ` }Λ{ .>r--- ´l<_ , ,;. ; ,; .;..;, ;. ,; .;, ;. ; ___ r--y''"´ | ノ  ̄二二ヽ . -‐'フ ., .; , ,;. ;. , . ,;. ,;... ; ./ ) .| ‘. ̄´ / .ィ⌒ 、 ヽ'く / '',, ,; .;.;, ;. ;, ;, ; ,; .. l 厂 ̄ Λ ‘. ./ .イl7 、 ` ァ ; ., ;. ,; ;. ;, ;... . . ... ,; ,.. ヾ イ \ ‘ / .ィl| |ル \/ ,....., , ;. , ;, .;;.......;, ;, ;. ;,,,.; , .,,... く\ .|弋≧=彡□≦=-彡 、 /ム ,.., .;, .;, ,;. ; ,;. .;;.;, ;, , .;.;;., ; , , , ;..;.;, ;. \\ |  ̄ /liノ心 〕ト、//ヽl ,.,, ;,. ;, ;., ;. , .,. ,; ーーー 深夜 京太郎「これが深夜の東京か、中々エロチックだな」 健夜「うひゃー!疲れたー!」 健夜「酒だ酒だー!」 理沙「うるさい!」プンスコ 咏「これ、一般人に見られたらまずいんじゃね?知らねーけど」 はやり「はやりには関係ないかなっ☆」 良子「その時はゴートゥーザハウスをさせてもらいますね」 安価下1 健夜 安価下2 理沙 安価下3 咏 安価下4 良子 安価下5 はやり 839 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 23 07.30 ID UJn6pLPMO 清澄編もこのスレでの完結は無理になったなー 咲「……」 咲「流石にその人たちはノーカウントかな」 咲「深すぎる業は身を壊す」 咲「あの人達場合、別の枷が壊れてるよ」 ーーー 京太郎「咏さん、近いですって」 健夜「……」 咏「それくらい大丈夫だよ、知らねーけど」スリスリ 健夜「……」 良子「そろそろ帰りますよ」 はやり「ルー語やめたのかなっ☆」 理沙「帰る!」プンスコ 健夜 53 理沙16 咏 149 良子 53 はやり 76 ーーー 部屋 京太郎「はぁ……疲れた」 コンコンッ 京太郎「ん?」 京太郎「はーい」ガチャ 自由安価 安価下2 843 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 34 14.77 ID RUAhiXH+O [2/4] 咲「……」 咲「いい夢はみれたのかな?」 ーーー 京太郎「部長?」 ガチャ 久「須賀君」 京太郎「どうしましたか?」 久「入ってもいいかしら?」 京太郎「少しなら大丈夫ですよ」 久「……」ニヤッ ギュゥ 久「今までありがとう……決勝……応援してね」 京太郎「部長……やめてください」 久「私だけを応援して欲しいの」 京太郎「それは……ごめんなさい」 久「そんなーー」 久「咲……なの?」 久「それとも和?」 京太郎「……」 京太郎「ごめんなさい」 久「……」ポロポロ ガチャ 京太郎「っ!」 咲「部長、何してるんですか?そんな所で」 咲「はやく、帰りますよ」 久「っっっ!」 咲「はやく、帰りますよ」 一日が終わりました 845 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 36 45.80 ID RUAhiXH+O [3/4] 京太郎「よし、今日は決勝だ」 京太郎「必死に応援しないと!」 ーーー 京太郎「誰かに会おう」 誰に会う? 自由安価 安価下2 848 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 39 36.57 ID RUAhiXH+O [4/4] ダダッ 京太郎「照!」 照「!」 照「京太郎……」 京太郎「頑張ってくれ!」 京太郎「負けるなよ!」 照「……」 照「うん。全力でがんばる」 京太郎「俺は清澄だけど……やっぱり照が一番なんだ」 照「分かってる」 ーーー 咲「……」 咲「やっぱり酷い目にあってもらわないと」 862 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 53 43.23 ID ChAR4PypO [1/2] クッソ有能なドラゴンロード } }'////////} } リ////////} /\ {! ////////// //\\ {∨///////// // \\ {////////// // \\ {///////// //\\ {//////// // \\ 〉/////〈 // \\ ム//////ゝ // \ 人///人 / /\\ 〃////ヽ ,/{ // \\ {//////リ/ ! // \ \ V///// `ニ=- - /// ヽ /////ハ ( /-‐=‐-‐=‐-‐=ー-\=ー-‐=ニ〈////// 〉Y⌒\ー‐=/‐=‐--‐=‐--‐=‐--‐=‐-ニ=‐-‐=‐-‐=‐‐-‐=ー-‐=‐-‐|`¨TT¨´|=|-‐=‐-‐=‐--‐=‐-‐=‐-‐=‐-‐=‐-=-二二二二ニニニニニニニニニニニl !=l │ニニニニニニニニニニニニニニニニ二二二/\‐=ニ=‐-‐-‐=‐‐-‐=ー-‐-┤ lニl l-‐=‐--‐=‐--‐=‐--‐=‐--‐=‐-/∠\\ニニニニニニニニニニニニニl lニニl lニニニニニニニニニニニニニニニニニニ//ニニ┏━━━囗┏━━━囗┏━━囗┏━━囗┏━━囗┏━━囗┗━━┓囗┗━━┓囗┗━┓囗┗━┓囗┗━┓囗┗━┓囗 ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃┏┓┏┓┏┓ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃ ┃┃┗┛┗┛┗┛┏━━┛┃┏━━┛┃┏━┛┃┏━┛┃┏━┛┃┏━┛┃┗━━━┛┗━━━┛┗━━┛┗━━┛┗━━┛┗━━┛ 穏乃「……」 咲「完璧に封じられた……」 穏乃「ロン」 恒子「逆転だー!!!」 健夜「得点こそ宮永咲さんと宮永照さんがすごかったですが、阿知賀の全体の力、そして穏乃さんの後半戦からの驚くべき巻き返しが効いたと思います」 恒子「優勝は阿知賀だー!!!」 健夜「おめでとうございます」 穏乃「やったー!」 ,-マ ,廴__ \ γ==‐ 入. \ーュ、 ̄`ヽ ム - ` { \_ く.| ̄` V ´ ` 、 \. `寸‐二八 ト、 / / \ \ \ ヽ // 勹ュ ′ / / ,ィ ヽ \ ヽ__ // /./二\ /| \/ / / / ハ ヘ ` ー-_- __ `寸ニ/ノ /二二ハ. |λ ! ,l / \| i ;.イ / | ヾー- 、 ` 、-- _‐-、 守三ヲ二二二入 lハ | ハト、i |_|ヽ | |/ || | ト、 \ ` 、 ヽ `ヾ、 マ二二二二二ニヽュ_ V´.| l ,ィ示心ト、ハ| -┼| | | |トヽー-- \ \ `. `寺二二二二二ヘ\八 ハヘ. 弋_ツ ヽン芯ムイ ./| | j! ヾ. \ \. `寸二二二二ヽニマ.迅ヘハ "" .辷ツ/|_j厶レ'二≧、ヾ ヽ ハ ` 二二二二{ニ.ハ、ヾ、| Y`ー、_ ' ∧ |二/ムァ‐ 、二ヽ\、 } | \二二ニ./ニヘヽ.|ト、`ー_'_ ィニ∧、〈 { / / /ヽニ{ ノ / \二/二二二リ「} ̄二ニ/ニ/ニ.ヾ、>ニュ{_ム}‐' _/ / |_/二二二二 ||二二ニレニ.厶ィ´ } | ー―‐z/ |二二二二二ニ||二二ニ厂 リ |二二二二二ニ||二二./ |二二二二二ニ||二ニ./ λ二二二二ニ ||ニニ./ ハ.}二二二二ニ/'二 /\ 二二二二二./'二 /ト、ニヽ |二二二二二.{{二ニノ ヾュニ} |二二二二二.ハヤ二二二ノタ |二 「l二二二二ヾ二ニ/.,イ |二 |.|二二二二ニ}} /./ ' 八二l」二二二二_ム' / ト、 }二二≦==‐rヘ´ .|ヾュ、 865 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 01 56 24.91 ID ChAR4PypO [2/2] 淡「うぅ……負けた」 淡「二回も負けたよぉ……」 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ // . . . . . . . . . . ゙、 i. . / . . . .| ゙、 ノ, // ;.ィ ∧ | ゙、 /イ. / / . // // 、 ;、 | . i ( ( i/ / / // // i | | | ! |゙、 シ;.ィ / / / // ! |/ | | | ゙、 r;='"´//i //ーメ _ ! /__,..」 ! | | ヽ, リ / !イ ハ! .,ィ=≧ミ、 ,/._,∠二/!| ! | ノ ,..- .‐ .' .´ ノ| ;、'^ 〈 !; i゛ //イ! ;レ7 /i| ! ;! / i r―ー-‐'"/ ! i .丶.i ヒ二⊥ ,/ /ヲ- !/ ;! / /リ. | | ノィー| |‐-‐'゙、 """ レ′ / / / // ー=ノノー---< ,.┤ | .| \ ' _ノ/ /、 '" `ヽ、 / ! | | iー- 、` ´ _,..-‐'/ /  ̄/7ヽ, \/ ゙、 !| |  ̄,. '.;"´ / // /ヽ / ゙、゛、 |_ //;.イ´ // ゙、 / ヽ ヽヾ ト、 ` i / ̄/ // | r'"´ \ ト、、 ! フノ―/ /// i |. ゙、. |`i 、゛、. i'"´ / // / i... ; ヽ ゙、. | i \\ i / // /_ // ゙、 |、ヽ λ | \\! / // / ̄ノ l ネリー「手も足も出なかったよ……」 咲「くそっ……」 867 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 02 38.86 ID s2AR7eXmO [2/4] --……-- r―‐⌒ヾ \ |∨ \ \ |/゚ 。 \. . . . . . . . . . . . . . . / \ . . . . \ . . . . . . . . . . . . . . 。 // / \ . . . . . . . . . ` .o。 . . . . . . . . . . . i ゚. /イ / . . .イ . . ー┬--- . . . __ .` . .o。 . . . . .|. ..。 i{ | ′ . .'{_|_ . . . | リV . . . . . . } .>匕、 \j--i || |/ . . ∧}リ≫┘o。v――'’xr示=ミト、 . .\}、 リ { . . . .|! ‘, ィ芹≧ュ ’|イi//| 》、 。 . . .ぃ、 | . . . . .「`ヽ《乂_゚ツ ゞ= '゚ リ/リ゚。 . .ト、i | . . . .小 , , ' , , / . . .∧ .} リ l. . . . . | }ゝ-! jハ . . . j/} .| 。. . . { { j 八 -==ァ イ }/ j ノ ゚ 。.リ \{≧ュ。. ィ jソ ″ / ゞ イニ} ` ´ {ニヽ ィニ// ゝ|ニ\_ ┬==≦ニ/ニ7____ __,.|ニニムニニニニニlヽ /ニ|ニニニ/ニニニ|`-―――‐一´|ニニニムニニニニ|ニム. /ニニ |ニ7ニニニニニ| |ニニニニ}ニニニ=|ニム 晴絵「おめでとう……皆」 晴絵「あれっ……?」ポロッ 晴絵「涙が……」ポロポロ 全員「……!」 ーーー 夜 ホテル 京太郎「皆、お疲れ」 久「ひっく……うぅ……ひっく」 久「皆……ありがとぉ……」ポロポロ 優希「うわーん!私がもっとしっかりしていればぁ……」ポロポロ 和「……」ポロポロ まこ「悔しい……のぅ」 咲「……」 京太郎「本当……すごかったよ」 俺は思ってもいなかった……ここから悪夢が、眠れない夜が始まるだなんてーー 870 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 05 38.39 ID s2AR7eXmO [3/4] 咲「さて、これとそれでは話は別だよ」 咲「今日はリストの全員始末するって決めたんだ♪」 咲「少し疲れるけど頑張るよー!」 京太郎「咲……?」 咲「照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄 」 咲「誰から行く?」 安価下2 照、優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、限定 全員が選び終わるまで終わりません 879 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 15 35.59 ID PGbvE1JAO 咲「あーあ、負けちゃった」 咲「皆役にたたなかったよ」 咲「私以外マイナス収支ってどういうこと?」 咲「みんなー!!きいてください、部長は前日の深夜に京ちゃんに告白していましたー」 咲「そんな人が部長……ってどういうことですか?」 優希「……」ギロッ 久「ひっ……違うのよ……」 和「どうしようもない人ですね」 まこ「……なんじゃそれ、わしがアホらしくなってしまったわ」 久「ごめんなさいごめんなさい!」ダッ 京太郎「部長!」 まこ「ほっとけ」 ーーー 別室 久「ひっく……ひっく」 咲「本当都合がいいですね、部長」 久「っ!」 咲「この私が見えるってことは、もうギリギリですね」 咲「部長」ギュッ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 咲「永遠に、人と関わらないでください……迷惑です」 久「あーー」 久「私なんかいない方がーー」 彼女はこれからずっと家から出なくなってしまった。 暴飲暴食、惰眠を家で貪り、親の金に手を出し、株で失敗……一家心中。 ーーー 咲「終わったね♪」 京太郎「?」 咲「京ちゃんは黙っててよ」 咲「優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、の中から選んでね」 安価下2 884 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 23 26.75 ID rW9z/Mc9O [1/3] 一週間後 通学路 和「私は……」トボトボ 須賀君にフられて……更に転校…… 和「もう駄目ですね」 咲「……」 和「宮永さんーー!」 気付いた時には遅かった、彼女の手にはとても鋭いカミソリと包丁…… 体が動かない、激痛で叫んでいるのに誰も来ないし、見つからない。 ゆっくりと、ゆっくりと……鋭利なカミソリで痛め付け、包丁で確実に。 私の物が落とされて行く。 咲「胸なんて、邪魔だよね」 ーーー 咲「確認完了したよ」 京太郎「……?」 咲「優希、まこ、久、和、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、選んでね」 安価下2 890 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 29 57.93 ID rW9z/Mc9O [2/3] 咲「ごめんね、優希ちゃん」 京太郎「え?」 優希「もう、嫌だじぇ」ガツガツ 京太郎「おい優希!食い過ぎ……!」 優希「うるさい!」ガツガツ 京太郎「これって……」 過食症……? ーーその後優希は過食をしては嘔吐を繰り返し、人として壊れていってしまったのだ。 ーーー 咲「まこ、浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、選んでね」 安価下2 894 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 35 43.34 ID rW9z/Mc9O [3/3] まこ「みんなおかしくなってしまった……」 まこ「のう……咲お前さんの発言から狂って行ったぞ」 まこ「優希、食うのはやめい!」 優希「……」ガツガツ 咲「……」 咲「必要ない人です」 まこ「なっ!」 まこ「ーー」 咲「ほら、誰からも認識されなくなった」 京太郎「咲……?」 咲「京ちゃんは別かも知れませんね」 京太郎「お前何をしてるんだ!?」 和(私は関係ないですね……) ーーー 咲「浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、玄、選んでね」 自由安価下2 902 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 41 03.27 ID K5FUaRybO 咲「和ちゃんはとっておきだよ」 ーーー ホテル、ロビー 玄「優勝嬉しいなー」 暴漢「……」ニヤニヤ 玄「え……?」 その後彼女は自殺。 自分のした行いの重さに気づきもせず、無様に散って行った。 ーーー 咲「私の思うがままだよ」 咲「浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、モモ、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 安価下2 907 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 02 46 43.25 ID 6MZ+bfP0O [1/2] モモ「……」 モモ「本当に誰も相手してくれない」 モモ「誰も私を認識しない」 モモ「どうしろっていうんすか?」 モモ「きょーさん」 ーーー 咲「あのひと、気持ち悪いってずっと思ってたんだ」 咲「浩子、智紀、一 、怜、淡、衣、エイスリン、睦月、佳織、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 936 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 25 25.48 ID vamhsYyrO [2/4] ミス 佳織でした 咲「……麻雀素人さんだ」 咲「ちょっと待っててね京ちゃん」 京太郎「咲……?」 ーーー 佳織「決勝……凄い戦いだったなー」 佳織「私も頑張らないと……!」 咲「それ、無理ですよ」 佳織「え、え、え?」 咲「打ちましょう、人は居ますから」 智美「……」 ゆみ「……」 ーーー 咲「もう一局」 ーーー 咲「もう一局」 ーーー 佳織「ね、ねぇ……もうやめて」プルプル 咲「もう一局」 ーーー 佳織「ご、ごめんなさい……ごめんなさい…………」ブツブツ 咲「もう二度と牌に触らないでくださいね」ニコッ 937 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 28 25.54 ID vamhsYyrO [3/4] 淡「……あなたは」 咲「……」 淡「照の妹」 咲「そんな事はもうどうでもいいよ」 淡「じゃあ何?」 咲「あなたにはこの先必ず不幸な目に会う運命を与えるよ」 淡「頭大丈夫?」 咲「幸せの絶頂から叩き落とす類のね」 淡「変なのーじゃぁね」 咲「うん、バイバイ」 ーーー 咲「浩子、智紀、一 、怜、衣、エイスリン、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 939 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 34 24.17 ID vamhsYyrO [4/4] 浩子「あんた……清澄の」 咲「知ってますか?」 咲「醜いアヒルの子」 浩子「知っとるけどそれがどうしたんや?」 咲「まるであなたですね……」 浩子「大きなお世話や、いてまうぞ」 サクッ 咲「……」 浩子「ど、どうして……?」 浩子「どうして……ですか?」 浩子「監督……」ドサッ 咲「ふふふ……」 ーーー 咲「智紀、一 、怜、衣、エイスリン、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 安価下 941 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 44 38.28 ID cRlxUZLeO [1/2] エイスリン「……」 咲「こんばんは」 エイスリン「!」 咲「あ、何も書かなくて大丈夫ですよ」 咲「ほら」ガララッ 咲「戦犯のあなたは死んだ方がマシだと思います」 咲「はい、飛び降りて」 エイスリン「っ!」 咲「ほらっ手伝ってあげますから、姉帯豊音さんもそのつもりのようですし」 豊音「……」 エイスリン「シローー!」 ーーー 咲「はぁ……面倒だったなぁ、最後まで暴れちゃってさ」 咲「さぁ次は」 咲「智紀、一 、怜、衣、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、選んでね」 安価下 943 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 12 51 32.16 ID cRlxUZLeO [2/2] 巴「あの時から体がおかしいなぁ……」 咲「清澄と対局した時から」 巴「!!!」 咲「もうておくれですよ」 咲「さぁ、最後の一局打ちましょう」 ーーー 巴「……」 咲「あなたにとっては大きすぎる力でしたね」 巴「あ……あ」 咲「可哀想に……壊れちゃったよ」 ーーー 咲「智紀、一 、怜、衣、睦月、ダヴァン、漫、由子、選んでね」 安価下 947 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 16 48 29.31 ID fFh7E8ASO [1/9] 智紀「誰……?」 咲「こんばんはー」 智紀「……」 咲「どうして無視するんですか?」 智紀「さっきから皆の様子がおかしい」 智紀「いきなり倒れこむように寝て……」 咲「あなたも寝ましょうよ」 智紀「断る」 咲「いや、もう遅いです」 智紀「……!」 ガクゥッ 咲「足……使えなくしました」 智紀「うそ……?」 咲「不思議ですよね、こんな力」 ーーー 咲「一、怜、睦月、ダヴァン、漫、由子、巴、衣、選んでね」 安価下 949 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/04(水) 17 02 48.77 ID fFh7E8ASO [2/9] 咲「あ、戦犯の人だ」 ダヴァン「!!」 ダヴァン「oh……宮永さんですかー」 咲「その名前で呼ぶのはやめてね」 ダヴァン「それは失礼しましター」 咲「じゃあ……どうします?」 ダヴァン「どうするとは?」 咲「この場で死ぬか」コトッ ダヴァン「!!!」 咲「あなたが住んでいたスラムに戻るか」 咲「あ、私を殺そうとしても無駄ですよ」 咲「あなたとその仲間が死んでしまう」 ダヴァン「……ハイ」 ーーー 咲「自殺を選んだよ、空気の読める人は好きだなー」 咲「智紀、一、怜、衣、睦月、漫、由子、選んでね」 951 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 06 27.47 ID fFh7E8ASO [3/9] 咲「ちっ……」 咲「今回は諦めてあげる」 咲「一、怜、衣、漫、由子、選んでね」 954 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 19 21.09 ID fFh7E8ASO [4/9] 衣「咲!」 咲「衣ちゃん、元気だね」 衣「無論!」 咲「じゃあ、これから何があっても大丈夫だね」 咲「人一倍頑張ってね」 ーーー 咲「これからもこの先も……ね」 咲「一、怜、漫、由子、選んでね」 956 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 26 24.59 ID fFh7E8ASO [5/9] 咲「この人ね……」 咲「次から力を使い過ぎたら死が近くなるようにしよう」 咲「段々と苦しんで苦しんで」 咲「ーーもし誰かが手を出したとしても私は知らないよ」 ーーー 咲「一、漫、由子、選んでね」 958 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 27 57.58 ID fFh7E8ASO [6/9] 咲「その人には何もしないよ」 咲「周りが不幸になる」 咲「それがとっても素敵だね」 咲「ふふっ」 ーーー 咲「漫、由子、選んでね」 961 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 32 49.31 ID fFh7E8ASO [7/9] 由子「のよー?」 咲「あ、こんばんはー」 咲「特に目立ちもせずにお疲れ様でした」 咲「目立たない人は存在を消しましょう!」 由子「どういうことな……のよ?」 由子「?」 ーーー 咲「ふぅ……疲れたなぁ」 咲「残るは漫」 咲「一応助かるか確かめてあげる」 0~99 死 ゾロ目 助かる 965 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/04(水) 17 38 41.88 ID fFh7E8ASO [8/9] 咲「強姦されてから死ぬようにしといたよ」 咲「さてと……残るは」 咲「あいつか……」 京太郎「お、おい咲?」 照「……?」 咲「鴨がネギしょってきたよ」 咲「久しぶり、お姉ちゃん」 京太郎「皆を知らないか?」 京太郎「和と優希以外……清澄の皆が……」 咲「あははっ」 / .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .\ / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚。 . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ./ . . . . . . / . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .゚ . ' . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . / . . . . . / . . . . . i . ,| i . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ . ' . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ' . . .′ . . . /i . . . . ,|ノ | ト、 . i . . . . . . . . . . . . . . . . ゚ / . . . . . . . . i . . . . . . . . . . . . . . . .. ' . . | . . . . . ' | . . . / | | | ヽ . . ト、_ . . . . i . . . . . . . . . ゚ ./ . . . . . . | . . . . . . . . . . . . . . ' . . | . . . . ' | . . . | | |_」 -| . .Τ 丶 i | . . . . . . . . ハ / . . . . . /| . . . . . . . . . . . . . ' . . . | . . . . ' | . . . | |/| ,′ | . ./ Ⅵ | . . . . i . . . ./∧ ./ . . . . 'フ . | . . . . . . . . . . . . i. . . . | . . . . ' | . . . .i '| |' . . 」ィ芹丐 Ⅵ| . . ∧ . // . .i / . . . '´ / . ∧ . . . . . . . . . . . . |. . . ∧ .;. ′ | . . / |' . .x豕刋 芍⌒マⅥ . ∧ V .'i . . | ./ . . '´ ' . . / ∧ . . . . . . . . . /|. . . ' V ;| | . / . . . ,狄i[_ o -i| . . }! | / i i . | . ′ / . '´ .i . /i/ ∧ . . . . . . . / | . . . .' ∨| | / . . . . . .汽,. 、汐 . . リ .|イ / / . . | . ′./'´ .| . / .| / ∧ . . . . . . i′ | . . .;' V| |' . . . . . . . .`¨¨´ ' ' / |_/ / . . . |/ .| / | ./ ∧ .. . . . . | | . / ゙| . . . , '´ .| / . ∧| .|' .| / ./ .∧ . . . . | | / . .; ´ |イ . . ./ .| .| | / . / ∧ . . . . Ⅳ |' -‐--- '´ ' /i/ .| / . / /i . \ . . .| iム / 、 イ /| .| . ./ / .| . . . .\ .从_ムー---‐ ´ .イ '! / .| / ./ .| . . . . 厂 ´ト、. ヽ _.. / / |′ .|' ./ | . . . ∧ . /| . `¨¨へ '´ ./ iル′ .|/' | / ∨ !、 . / |>o。_ / .!-ー-- .._ {. | ./ ∨{. Y/ | . . . ./i . ¨7 T¨¨¨¨¨¨´ ^ー 、 ` ̄ 咲「私が皆を壊しちゃった」ニコッ 京太郎「さ……き?」 照「……!」 990 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 00 22 28.54 ID 1Rifd7ihO すまんな、照一周目の後日談やっとらんかったな。 ーー須賀京太郎、一年生の冬。 12月、季節は冬。 夜19時ーー 寒さに身を強張らせる季節、恋人達が手を繋いで温め合う季節、恋人達が一年で最も愛を誓う季節なのかもしれない。 照「京太郎っ」 京太郎「おっ照」 ギュッ しっかりと手を繋ぐ、その温もりを忘れないように、互いを見失わない為に、その仲を簡単に確かめ合う為に。 照「明日からクリスマスだね」 京太郎「そうだな、明日は楽しむか」 照「でも、前日にデートって変だね」 京太郎「そうか?まっ……行こうぜ」 この俺、須賀京太郎には目的があった。 24時を回った時、照にプレゼントを渡す事だ。 少しーーキザかも知れないけど喜んで貰えたら俺はそれで良い。 京太郎「よし、晩飯でも食うか」 照「うん」 ーーー 「……」ギリッ ギリギリギリギリッ クリスマスと同時に悪夢も迫っていたーー 991 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 03 50.59 ID xEmSDszbO 結構、学生にしては上等なレストラン。 彼女を連れて行けばイチコロだろう。 京太郎「美味しいか?」 照「京太郎、ナイフとフォークの手が逆」 京太郎「あっ……っごめん」 照「私は大丈夫。周囲の目を気にして」 いつも通りの会話。一見ギスギスしているようにも見えるが、それが照の愛情表現の一つでもあり、京太郎もそれが嬉しかった。 それにーー 照「京太郎」 京太郎「ん?」 照「ありがとう。とても美味しい」 ,. ´ ヽ ,. ´ \ / , , ヽ / / / , , ヽ . , / / / | | ∨ . / / , _ _ / / i | l | / 从| /| `イ | ∧ . | / | | / ィ { /ィ-、 } ∧ | -} |-|---く , |  ̄´ | ∧ | _)雫ミ从 | _}∧ _ / }ヽ / | Ⅵ V ノ \|´_)笊雫ミ/ / / , | , | , V ノノ' イ .イ ,′ | j 从 / / /' ノ / / | ,| { . _ ´ ィ ー ´ / / | /| 从 . ‘ ’ イ | / / / | / 从{_r--'´` ー 、-=≦ ∨ / / }' / || | ∧ /,' / .イ / || | / _,./ / イ /\ / ∧ { /⌒\´/ ´ ´ 、 , { . \、 ,′ / ,. ---――‐`ヽ、 / ∧ . . . ∨ /_,. .― . .´ . . .// Ⅵ | {__ , \ . . {_/-- ´ . . . . . . ./ , マ | //≧=- 〉介、______/_ / } | //> ´ ` <≧=--r-- 、  ̄, ' | | ,く ̄´ ` / /^T \ { マ〉 r つ ` < / ∧__|>´| ∧ } 京太郎「!……へへっ」 この二人は深く、この街に降る雪よりも、そこに面する海よりも深く愛し合っている。 ーーー 智葉「……」チャキッ 智葉「宮永……照」ギリギリギリギリッ 992 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 13 16.61 ID IWf5m8hfO 夜22時、ほんの少しだけ早いクリスマスイルミネーションに彩られた街を歩いていたら夜も遅くなっていた。 照「京太郎、今日はとても楽しい」 京太郎「そうだな、俺もいつもより楽しいよ」 すっかり、人通りも遅くなっていた。 照「……」 照(様子がおかしい……) 京太郎「……?」 いち早くも照が周囲の異変に気付いていた。 お台場の海の砂浜とは言え、流石に人が少なすぎる。 積もった雪の上を歩く、風情のあるカップルが何人か居てもおかしくはない。 ーーー 「智葉さん……ですよね?」 「そうだが?」 「力……貸しますよ」 「……?」 「私も“アイツ”の事、嫌いですから」 / / /| | | ヽ \. / / / / / | |. | | | | ', ヽ ∧ / / /./ / | | | | _|L.--|.,,,_ | | l ', / / | ト|_,r|''´|` | | |\ | `ト| | | | / | | ィ| |─ト |ヽ | / ̄V| | | | | | / | レ´| \|_\| ト、. | 彡三=、 | ./ / / ! /彡イ | ト| 彡 ─ヾ \| \ /,'⌒ヽ \/ / / |、. | ヽ ゝ///;'⌒',ヽ | ! ! | ||イレ' | ハ!. | ト、 || | '; ! | ヾ、;;;;;;;ノ |/ ハ / |. | ハ, \ ヾ.;;;;;...' , ハ / /. | /ヘ ヽ..ハ ハ// / / \トハ ー_,ア ノ'´// |ゝ、 //イ/ |人> ._ < | / / \|\| ー< |´ | |> 、 /| / \ ーーー 993 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 21 16.48 ID 5kfedrniO [1/2] 夜23 30 一通り雪が積もった砂浜でのデートを終えた二人。 京太郎も異変に気付いた。 京太郎「なぁ……人……少なくないか?」 照「……」コクリッ 京太郎「ここ……お台場だぜ?」 照「早く駅の方に戻ろう」 京太郎「そうだな、それがいい」 ……胸騒ぎがする。 あの時のような悪夢……せめて照だけは巻き込まれないようにしないといけない。 俺は最悪のケースも頭に入れていた。 がーー もう遅かった。 照「ど、どうして……」 京太郎「どうして貴女が……」 京太郎「明華さん……!」 明華「……」 明華「ネリーさんのように、厳しいお国柄では無いので」 明華「迎えに来ましたよ、京太郎君」ニコッ 994 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/06/06(金) 01 37 23.43 ID 5kfedrniO [2/2] 心は至って冷静。 大した脅威でも無いからだ、この人が相手なら照を庇いながらでも追い払う事が出来る。 京太郎「俺……人を傷付けたくは無いです」 明華「京太郎君……?」 京太郎「照の為なら……俺、あんたの事殺せますよ」 明華「なら……京太郎君を殺して、私も死にます。それが正解ですね」ニコニコ 京太郎「……照。俺の後ろへ」 照「うん……」 明華「ぁぁぁあああああ!!!」 単純な突進、これなら護身の心得もない京太郎でも、単純な鍛えた力であしらうことが出来る。 京太郎「くっ……」ガシッ 明華の腕を持って、その手に持ったナイフをすぐさま海へと投げ飛ばす。 明華「……!」 京太郎「明華さん諦めてください……照もとっくに警察へ連絡しています。今なら誤魔化せますから……!」 明華「……」 明華「あなたはどこまで……お人好しなんですか?」 明華「私……あなたのそんな所が大好きだったんですね……」 明華「……」 もう諦めはついた。彼は最後まで私の事を心配してくれた。 彼の後ろにいる彼女なら私の大好きな彼を支えてあげることが出来る。殺すのもたんなる脅し、どうやら毒というものが抜けてしまったようだ。 明華「分かりましたーー今までごめんなさい」ペコッ 京太郎「明華さん……!」パァァァ 明華「彼女の事、幸せにしてあげーーー後ろーーー!!!」 まさか彼女がこの場に居るなんて思ってもいなかった。 長い刀を持って、京太郎君の後ろにいるテルさんをーー 996 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 40 17.77 ID UUQR/F/0O ーーブスッ 997 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/06/06(金) 01 57 32.14 ID cK1kMc7aO 夜24 00 クリスマスイブ 智葉「はぁ……はぁ……!」 智葉「ど、どうして?」 智葉「どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして、どうして」ブツブツ 明華「あ、あぁ……そんな、そんなぁ……」ポロポロ 京太郎「よ、よぉ……大丈夫か?ーー照」 照を押しのけるように照の前に立ち、胸を貫かれたのにも関わらず、京太郎は照の方へ顔を向け、微笑んだ。 照「ーー京太郎!!!」 京太郎「智葉さん……ちょっと痛いけど……眠ってくれ!!!」ゴンッ 智葉「がっ……!」 隙を突いて、智葉の頭を満身創痍の体の全力を使い殴り抜ける。 女一人を気絶させるには十分だった様だ。 照「京太郎……京太郎……っ!」ポロポロ 京太郎「ちょっと……疲れた」ドサッ 照に抱えられながらその場で倒れこむ京太郎。幸いにも下は雪、衝撃は少ないが……その雪は血で汚れ、京太郎の体にもーー とっくに限界が来ていた。 京太郎「照……これ」スッ 京太郎は最後の力を振り絞るように照へ最後のプレゼントを渡した。 照「……!」 京太郎「ごめんな……これが最後で、開けてくれ」 照「……」ガサガサ シルバーのリングと透明のリングのネックレス。 京太郎「着けてくれ」 照「……」カチャ 京太郎「ああーー綺麗だ」 京太郎「ーー綺麗だよ」 ,. ⌒ヽ、/⌒ 、-- 、 /_,..- ヽ ` 、 / /´ / ∨ \ , ´ / ,' 、 ヽ / , , / /| | . | | | ∨ _/ / / |_|__'_| | _}_|_|_| | |  ̄ ̄´/ イ ' { ´| |/__{ | , ´/}/_}∧ | | | / / , rⅥィ笊 从 {∨ /ィ笊_ヽ}/、 | | / イ ∧{ 从 Vり \∨' Vり /' / ∧{ ´/イ }从lム ; \ ,ノ / \ | ∧ ∧,イ Ⅵム - - イ // _ヽl\ //イ__ |////} ` ー ´「////| |////| . / |/[__}/| ,...<////∧ , |/////> 、 , <///////////\ ///////////> 、 , </////////////////}____{/////////////////> 、 //////////////////////| |////////////////////∧ {/////////////////////∧ ,'//////////////////////} |//////////////////////∧ ////////////////////////| 京太郎「ーー照」ガクッ 雪が降り積もる中、眠るように、深い眠りにつくかのように、須賀京太郎はその短い生涯に幕を閉じた。 照「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 涙が止まらない、身を震わせながらも照は京太郎の亡骸を抱き締め続けていた。 カンッ
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3467.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 小銭を取り出し自販機に硬貨を投入、商品を選択してボタンを押す。 足音。 音した方に顔を向けると阿知賀の中堅がいた。 京太郎「よう、憧」 憧「やっほ」 一考。 京太郎「お前なに飲む?」 憧「ん……ん~じゃあ、りんごジュース」 京太郎「あいよ」 同じ動作を反復し取り出し口から缶ジュースをもう一本取り出す。 京太郎「ほら」ヒョイッ 憧「わっとと……お、まとも。京太郎の事だからおしるとか渡してくるかと思った」 京太郎「そのネタはもうやった」 憧「誰に、とは聞かないでおくわ」 京太郎「ありがとよ」 憧「ってかなに? 120円であたしとコミュニケーションでも取ろうって? 安く見られたものね」 京太郎「これでも高く見積もったつもりだけどな。しっかり受け取ってるし」 憧「貰えるものは貰うわよ」 京太郎「ちゃっかりしてるね」 憧「それがあたしの良いところ♪」 京太郎「はは、言ってろ」 憧「そうだ、あんたどうせ暇でしょう? ちょっと付き合ってよ」 そう言って憧は右手に掲げた缶の縁を指先で叩いて鳴らす。 これは一杯付き合えって事なんだろうな。 連れ立ってサロンにやってきた。 サロンと言ってもただの応接室でもなくれっきとした麻雀の練習室でもある。 中央には自動麻雀卓が4つあり、周りにはテーブルや長椅子、観葉植物が置かれており部屋の隅には給湯用のコンロなんかもある。 幸い、と言うわけでもないが人はおらず俺達は揃ってソファーに腰を下ろす。 憧「それで、クラブのちび達が『私達も行く~!!』って聞かなくてさ」ケラケラ 京太郎「そりゃ災難だったな。ところで、阿知賀のこども麻雀クラブって無くなったんじゃなかったのか?」 憧「ん? ああ、ハルエが戻ってきたからね。インハイ終わって時間も出来たし、ちょっとずつまた集まりだしたのよ」 京太郎「ふぅん。楽しそうだな、憧」 憧「まぁそれなりにね。…………ふぁ」 可愛らしく欠伸をかみ殺す憧。 京太郎「眠いのか?」 憧「ん、少し」クシクシ 京太郎「移動で疲れたんだろ。もう部屋戻るか?」 憧「もう、少……し……」 トン。 肩に軽い重みと温かな温もり、それ混じって微かに甘いような女の子特有の香りがして僅かに動悸が早まる。 京太郎「ああ、だから言わんこっちゃないのに……」 しゃーない。面倒、ではないが……いや誰かに見付かって誤解されるのは面倒だが部屋まで運んでやるとするか。 そう思いつつも、少しだけ可愛らしく寝息を立てている少女の顔を観察する。 憧「Zzzz……ん……」 小さく身動ぎする憧。前髪が一房目元に掛かる。 途端、寝苦しそうに僅かに顔をしかめる。俺は空いている方の指先で、乱れた前髪を払ってやるとまた元の穏やかな寝顔に戻る。 京太郎「まぁ、もうちょっとだけこのままでもいいか」 缶の底に残った飲み差しのコーヒーを一気に仰ぐ。 京太郎「冷めちゃったな……」 ガチャ 京太郎「ん?」 久「あ……」 テーンテンテーン!、テーンテンテーン! テッテッテッテ、テッテッテッテ…… 憧「…………」スースー 京太郎「あの、か、こ、これ勘、勘違いしちゃダメですよ?」 久「ふ~ん。もうそんな事するとこまで進んでるんだ? 意外と手が早いのね」ニヤニヤ 久「むしろ意外でもなんでもないのかしら?」 京太郎「いやだから、これはあのだから」 回らない舌と頭で必死に言い訳を捻り出していると、 部長は近くにあったテーブルの椅子を引き寄せ俺と隣で寝息を立てている憧の前に陣取る。 京太郎「なんでしょうや?」 久「いや、続きが気になるから」 京太郎「何もしませんよ!?」 久「うそん。こんな女の子が無防備な状態で近くにいるのに何もしないなんて……はっ!?」 その瞬間、我が清澄高校麻雀部部長竹井久先輩今日も緩く結んだおさげが決まっている。その額に閃光が駆け抜ける。 まるで世界の真理を見出した賢人の様に重々しく頷き、 久「実はホモ?」 京太郎「違います」 そうのたまいやがった。 そんな事実あってたまるか火サスとかそんなレベルじゃないぞ。 京太郎「これはあの、あくまで善意から偶発的に自然発生した状況であってこれ以降はなんら進展性を保持していませんよ?」 久「つまんなーい」 俺はあなたを楽しませるために生きてるんじゃありませんよ? 久「まぁいいわ。新子さんに悪いし馬に蹴られる前に退散しましょうっと」 ガタ 京太郎「良いんですか? なんか用事とかあったんじゃ」 久「良いのいいの。ブラブラしてただけだから」 久「須賀君もあんまりフラフラして、周りをやきもきさせるのはダメよ?」 京太郎「? ……はぁ」 久「じゃあね」フリフリ そういって手を一振りし言うだけ言って部長は去っていった。 なんだったんだろうな。 ワイワイ! ガヤガヤ! 照「……」モッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュ 菫「おい照、そんな一気に頬張ると……」 誠子「この紅茶美味しい」 和「それはアールグレイのウンタラカンタラ」 尭深「紅茶も悪くない……」コクコク 灼「ハルちゃんお酌するよ」 晴絵「お、悪いな灼」 久「私も一杯いいかしら?」 優希「こういう時こそタコスだじぇ!」 宥「辛いけどあったかいね」ニコニコ まこ「お好み焼きっちゅんわな、こうして……よっと!」 穏乃「おー!!」パチパチ 淡「上手ー!!」パチパチ 咲「カレー出来ました!」ガチャ 玄「食べる人は挙手してください!」 「「「「「「「「「「「「「「「はーい!!」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「って、ちょっと待てい!! なんでみん、」 「「「「「「「「「「「「「「「しーーーーー……」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「っ……!?」 憧「…………」スースー 穏乃「ダメだよ、京太郎。そんな大声出したら、憧が起きちゃう」ヒソヒソ お前が、いや……お前らが言うな。 京太郎「ちくしょう、ああうん。えーみなさんなんでここに集まってるんですか?」ボソ 晴絵「それは私が説明しよう」 教師出陣。 晴絵「須賀君は衆人監視の密室って知ってる? つまりそういうことよ」 京太郎「は?」 晴絵「よし! 宴会再開!」 ワー!ワー! ガヤガヤ こいつらただ騒ぎたいだけと違うか? 久「言っとくけど私じゃないわよ」 なにもゆーとらんがや。 咲「京ちゃん、スルメ食べる?」 京太郎「ありがとう。けど煙いから屋内で七輪はやめて」 咲「ねぇ京ちゃん」ヒソヒソ 京太郎「んあ?」モキュモキュ 咲「もし隣にいたのが私でも、同じようにしてくれた?」 京太郎「それは、まぁ」 咲「そっか」ニコ タタタッ 京太郎「なんだ?」 優希「タコスもあるじぇ!」 京太郎「ありがとう。俺の作り置きだけど……」 優希「なにおう!? 犬のくせにこのゆーき様のタコスが食えんというのか!?」 京太郎「もらうっつってんだろ。あ、やめろ鼻に押し付けるな! 痛い!? スパイスが鼻に痛い!! やめろぉ!!!」 宥「大丈夫? 寒くない? タオルケット持ってきたから」パサ 京太郎「すみません。わざわざ」 宥「~♪」 京太郎「あの、なにか?」 宥「ううん。暖かそうだなって」ニコニコ 淡「む~」プク 京太郎「今度はお前か」 淡「アコばっかりズルい!」 京太郎「ズルいってなぁ」 淡「おでこにマジックで魚肉って書いてやる」 京太郎「やめなさい。ってかなんで魚肉」 淡「そんでアコが起きたらキョータローがやったって言っちゃうもん」 京太郎「おいそれやったらお前あの、あれだからな?」 京太郎「今晩寝てるお前の部屋侵入して顔と言う顔に牛タン貼り付けて油でギトギトにするからな?」 淡「じゃあ私には腕枕して」 京太郎「何故そうなる」 淡「良いもん! 私が逆に京太郎の部屋に侵入してやるもん」タタタッ 京太郎「あ、おい…………なんなんだあいつは」 玄「あはは、みんなすごいね」 京太郎「玄さん」 玄「お腹空いてない? カレー持ってきたけど」 京太郎「ありがとうございます。…………なんですか、この珍妙なものは」 玄「えっと、これが照さんがくれたマフィン、優希ちゃんのタコス、こっちが咲ちゃんのスルメでしょ?」 玄「この部分が染谷さんの広島焼きで、それと亦野さんがくれたマグロの目玉とウツボの肝かな」 ふざけたトッピングしやがって。盛れば良いってもんじゃない事を物理的に教えて差し上げたい。 玄「そのままじゃ食べにくくないかな?」 京太郎「え? まぁ片手が少し」 玄「その、ね? よかったらわわわ私が! その、た、食べさせてあげたりとかしようか?」 玄「なんて言っちゃったりなんかしてみたりして!///」テレテレ 京太郎「あ、マジですか?」 平静を装いつつ内心で盛大にガッツポーズを決める。おいおいどんだけ天使やねん。 憧「…………」 心なしか憧からかかる重みが増した気がするがそれはきっと俺の心境の変化的なそれだろう。つまり気のせい。 玄「そ、それじゃあ失礼します///」カチャ 京太郎「は、はい。お願いします」ドギマギ 晴絵「玄ー! おつまみ足りなーい!」 玄「」 京太郎「」 玄「あ、あはははは。それじゃあ先生も呼んでるし私行ってきますのだ!///」ワタワタ 京太郎「はい。ど、どうぞ……」 タタタッ 京太郎「……」 空気読めよレジェンゴォォォォォォ!!!! 穏乃「よし、1番! 高鴨穏乃、歌います!」 淡「なにおう! なら歌で勝負だ高鴨穏乃!」 穏乃「お!? デュエットだね? 受けて立とうじゃないですか!」 淡「選曲は?」 穏乃「もちろん!」 淡穏「「ルミナス!」」 穏乃「呼んだ希望辿って止めた世界を超えた」 淡「諦めない想いいつしか心繋げた」 穏乃「泣いていたって笑って」 淡「明日迎えに行こう」 淡「決めた誓い辛くて倒れても」 穏乃「君のココロを守るため」 穏淡「君の側にいよう」 シーン…… ワー! ワー! パチパチパチパチ イイゾー! フタリトモカワイイー! 最早、収拾不可能なほどのどんちゃん騒ぎに発展していた。 3人寄れば姦しいとは言うがその3倍近い人数が集まるとこれ程の騒ぎになるのか。恐るべきパワーだ。 憧「Zzzz……ん、…………」スースー と言うかこいつもこの状況でよく寝ていられるな。実は起きてるんじゃないのか? 憧「ん、んん……」 そう思った矢先、先程まで大人しく寝息を立てていた憧がモゾモゾと身動ぎしだす。 憧「ん、ふわぁぁ~~…………あれ、あたし? なにして?」ゴシゴシ 憧「うん?」キョトン 京太郎「おはようございます」 メインシステムパイロットデータの認証を開始します。 憧「お、おはよう……」 メインシステム通常モードを起動しました。これより作戦行動を再開、あなたの帰還を歓迎します。なんつって。 憧「ん……?」ゴソゴソ ここで状況を整理しよう。俺と憧は今ほぼ一分の隙もないほど密着している。それはもうお互いのまつ毛の本数が数えられるほどだ。 なにかで見た恋人の距離が10cm、あれ5cmだったっけな? まぁとにかくそんなものを超越した至近距離である。しかも仲良く同じタオルケットに包まっている。 憧「…………!?!??!?!!?!?!////////////」プシュー!! 見てわかるほどに憧の顔が急沸騰。あ、なんか嫌な予感。 憧「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドゴォッ!! 右腕のミサイルが俺の鼻っ柱に突き刺さった。 そこは普通に女の子らしくビンタとかじゃないんですか? 憧「ごめん! ほんっとごめん!」ペコペコ さっきからこの調子で謝りっぱなしの憧。 京太郎「いや、いいよ。大丈夫だから」 憧「でも……」 京太郎「いや、お前はいい。いったん置いとくいったんな? だからいい」クルッ 京太郎「…………………………君達だよ」 「「「「「「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「なんか、俺が憧の鉄拳を受けた瞬間『これが見たかった!!』みたいな顔しやがって」 久「あはは、いやーしかしなかなかいいのが決まったわね」 部長が顎先を撫でながら俺の鼻の頭をまじまじと見つめる。 菫「ふむ、これ程のヘヴィパンチャーはそうはいないな」 弘世先輩がうんうんと関心している。くそ、あなたはこっち側だと思ってたのに!! 晴絵「まぁあれね、予定調和って奴?」ケラケラ この人本当に教師か? 教員免許偽造とかじゃないだろうな? 穏乃「憧は男の子に免疫無いからね~。まぁ仕方ないっちゃ仕方ないよね」 穏乃「けど、京太郎には結構心許してるみたいだよ?」ヒソヒソ 耳元で小さく耳打ちする穏乃。 京太郎「ほっほぉ~~~~~う」ニヤニヤ 憧「うっわ、嫌な笑い」 咲「……」 淡「むぅ……」 玄「あうあう……」ソワソワ 久「さーて、見るもの見たし片付けしてみんなお風呂にでも行きましょうか」 最早、大晦日の年越しの感覚か? 「年明けたし寝よう」みたいな。 京太郎「あ~あ~、まったくこんなに散らかして……」 これが合宿の間ずっと続くのか…… まったくもって前途多難だ。 咲「だからね? えっとここでカンすると、次で嶺上開花を和了れるから……」 京太郎「……」 優希「タコスだじぇ。タコスを食べれば配牌もツモも良くなるんだじぇ」 京太郎「……」 久「須賀君も悪待ちやってみたら? あなた幸薄そうだし逆を突いてみるのもいいかもね」ケラケラ 京太郎「……」 照「京ちゃん京ちゃん。明日のおやつはホットケーキがいいな」 京太郎「……」 淡「だから、こう……フッ!って力を入れると配牌でテンパッてるから初手ダブリーぶっぱで後はカンして和了だけ。ね、簡単でしょ?」 京太郎「……」 尭深「各局の第一打がオーラスの配牌として戻ってくるからそれを意識して打つといいよ」 京太郎「……」 誠子「とにかく鳴くんだ。鳴けばいい」 京太郎「……」 穏乃「目の前の山を踏破すれば良いんだよ!」 京太郎「……」 玄「ドラです。ドラを集めるのです」 京太郎「……」 宥「あったかい牌がね、いっぱい集まると手がとってもあったかいんだよ?」 京太郎「……」 灼「ボウリングの技法を取り入れて筒子多面張で」 京太郎「……」 晴絵「須賀君って10回に1回くらいの確率で不要牌ツモるよね。あはははは」 京太郎「……」 京太郎「お前らみんなアホッ! 死ねばいい!」ダッ 菫「逃げたぞ、者共! ひっ捕らえろ!」 和「須賀君! 気持ちはわかりますがここで逃げてはダメです」ガシッ まこ「あれらは例外じゃ。もっと普通に、普通にやれば良いんじゃ」ガシッ 憧「本質的にダメね。この男」 久「軽いコントも終わったところでお風呂でも行きましょうか」 まこ「相変わらず切り替えが早いな。お前さんは」 久「喜びなさい。なんとこの旅館、温泉があるのよ」 京太郎「お! 良いッスね温泉」 女性陣「……」シラー なんか酷い誤解を招いてる気がするが。 京太郎「あの、一応言っときますけど別にそんな皆さんが思ってるような下心とか無いですからね」 ってか温泉に反応したのにあの目。普段からそういう思われてんのかな俺って。 和「須賀君は温泉好きなんですか?」 京太郎「温泉ね。まぁ人並か、より上くらいには好きよ」 咲「気持ちいいよね。温泉」 京太郎「そうそう。『日本人たる者、心の郷愁を覚えずにはいられないな!』って宮守のエイスリン先輩も言ってたしな」 久「あの娘確かニュージーランド出身よね?」 憧「一応釘刺しておくけど、お風呂覗こうなんて考えたら……わかってるわね?」ジト 京太郎「ああ? この俺が? 覗き?」 京太郎「随分と低く見られたもんですな?」 っていうか、人の肩で好き放題寝息立てといてよう言うわ。 京太郎「俺がそんなさもしい真似をするとでも思ってるんですか?」 憧「言い切ったわね。信用していいの?」 京太郎「おう、覗きなんて卑怯な手段は使わない」 京太郎「正面から堂々と一緒に入る!」バーン!! ――――― ――― ― 京太郎「ちくしょう! 冗談なのに! 解けちくしょう!」 ビッタンバッタン!! 憧のヤロー両手両足を縄で縛った上にその上からさらに布団でグルグル巻きの簀巻きにしやがった。 仮にそこは大譲歩するとして廊下に放置するのやめてもらえませんかね? 玄「ふぇぇぇぇ」ビエーン 京太郎「玄さん、俺のために泣いてくれるんですか?」 玄「ごめんね。京太郎君、私に力が無いばっかりにこんなことに」グスン そう言いながら玄さんは無造作に放り出されていた俺の頭部を自らの膝に乗せてくれた。 後頭部に感じるこの柔らかさと温かさ。 そしてこのアングルから見える双丘のなんとすばらなことか。 京太郎「玄さん、行ってください」 玄「ふぇ?」 京太郎「俺はここまでみたいです。しかし同じ志を持つ者として玄さんには先に進んでもらいたいんです」 玄「で、でも……」 京太郎「泣いても、後悔しても、それでも前に進めってあんたはあの準決勝でそう決めたなんじゃなかったのか!?」 玄「それは……」 京太郎「じゃあ行けよ! 行って思いを遂げろ! 俺の心はいつでも一緒にいるから」ニコ 玄「っ……」ゴシゴシ 玄「わかりましたのだ!」ガバ 決意を宿した瞳を湛え、玄さんは勢いよく立ち上がる。同時に俺の頭部が廊下の床に激突、鈍い音を上げる。 いって…… 玄「松実玄、行ってまいります!」ビシッ 京太郎「あの、でももしどうしてもって言うならここで俺の話し相手になってくれてもいいですよ?」 京太郎「俺なんも出来ないですけど、しりとりくらいなら、」 玄「待っててね! おもちパラダーイス!!」ドヒューン! 京太郎「出来ま………………はえぇ……」 しばし一考。 京太郎「縄解いてもらえばよかったな」ビタンビタン 温泉 淡「それワシャワシャ!」アワアワ 優希「あはははくすぐったいじぇ淡ちゃん!」ワシャワシャ 晴絵「ああ~五臓六腑に染み渡るわ~」 憧「ハルエ年寄りくさぁ」 晴絵「はっ、あんたらもね二十を過ぎればこうなんのよ。せいぜい覚悟しておくことね」 憧「うわ、嫌だな」 晴絵「若い若い若さ漲るパワー最高っ」 和「気持ちいですね」バイーン 照「」テルーン 尭深「はい」バイーン 照「あの、お願いだから2人とも私を挟んで座らないで」ザバザバ 和「行ってしまいましたね。どうしたんでしょか」 尭深「さぁ?」ハテナ まこ「京太郎には悪いことしたかもな。なにもあそこまでせんでも」 久「うーん…………面白いから許す!」 まこ「相変わらず辛辣じゃな」 みんなが風呂に行ってからそれなりに時間が経った。 京太郎「うーん……」ゴロゴロ 身動き出来ないのはいいが退屈なのは簡便してもらいたいな。 京太郎「うーん……」ゴロゴロゴロ プ~ン…… 京太郎「この音は……」 蚊「やぁ」 ちくしょう! なんか来やがった! やめろ、やめて来ないで! プス あ…… 眉間を刺された。 どうする! どうする!? 京太郎「だぁー!」ドゴッ 手が使えない俺は咄嗟に壁にヘッドバットを叩き込んだ。 プ~ン 蚊は血を吸うだけ吸うと、何事も無かったかのように去って行った。後には痒みと痛みと簀巻き俺だけが取り残された。 このやり様の無い、言葉では言い表せない虚しさと悲しさ。 そしてなにより眉間が痛い痒い痛い痒い。 今、この両手が自由なら眉間を掻き毟ってしまいたい。 だが出来ない!! 目の前にあるのは床と壁。 ふと、その壁がとても魅力的見えた。 この痒みを抱えた額を擦り付ければどれだけ気持ちいいだろうか。 いかんとてもいい案に思えてきた。 けどそうれはどうだ? 人としてのなには大事な尊厳的なものが瓦解するんではなかろうか。 しかし背に腹はかえられない。俺は人間を捨てる! ゴリゴリ、ズリズリ ああ、俺、今すごく気持ちいい。 ちょっと気持ちよがり過ぎな気もしなくも無いが。 カラーン 京太郎「え?」 咲「京、ちゃん……」 京太郎「咲?」 乾いた音が響き、そちらに目を向けるとそこには風呂上りの咲が立っていた。 音源はどうやら手に持っていた風呂桶を落っことしたためらしい。え? 普通備え付けのがあるだろ。まさか自前? 咲「京ちゃん!」ダッ 咲「ごめん、ごめんね。辛かったんだね? 苦しかったんだね?」 なに言ってんだこいつ。 咲は一生懸命、俺に巻かれたプーロ……違う。ロープを解いてくれる。 京太郎「え、なに? …………ああ」 なるほど、客観的に見て今俺は簀巻きのままデコを壁に押し付けててなにはやっている状態だったのか。 …………………我ながら頭おかしい。 咲「大丈夫? 頭」 言葉だけ聞くと心配されてるのかバカにされてるのか判断に困るな。 なぜかまったく意図していなかった幼馴染の同情を買うことに成功してしまった。 今思い出しても恥ずかしい。死にたい。 俺と咲はマブだ。 ここに集まってるメンバーの中でもっとも付き合いが長い古馴染みだ。 お互いの結構恥ずかしい失敗談なんかももちろ知ってる。 だからこそ逆に見られた無かった。 これからしばらくの間、あの雨に濡れた捨てられた仔犬を見るような憐憫の眼差しで見つめられるのかと思うと、 悔しさと悲しさで枕を濡らさずにはいられなかった。 京太郎「う~ん……」ゴロゴロ 京太郎「う~ん…………」ゴロゴロ なんとなく寝付けずに自室(仮)を右往左往。 右往左往っていうか狭い上に寝転がっているので言うほど動けないんですがね。 興奮して眠れないとか、しかも前日でもなく当日とは。小学生とも言えない謎の感性。 コンコン 京太郎「ん?」 小さく響いたノックの音。こんな時間に? トイレに立った咲が道に迷ってたまたま通りかかったから泣き付きに来たか? 俺はのそのそ起き上がりずれた寝巻きを正しつつ戸を開ける。 京太郎「はいはいどちら様?」 和「こんばんわ♪ 須賀君」 そこにいたのはチームメイトの和だった。 意外な人物に思わず目を丸くする。 京太郎「和? どうしたんだこんな時間に」 和「ふふふ」トン 京太郎「え?」 俺の疑問に答えず、軽く胸を押される。 それほど強い力でも無いのに抗えない何かに気圧されるように、俺は一歩、自室(仮)に後退る。 一歩引いた事でその分、和が一歩踏み込む。 踏み込んだ勢いのまま和はゆるゆると俺の身体に両腕をまわしてきた。 京太郎「の、和……?」 行き成りの事で事態が飲み込めない。 それと抱き締められる事で押し付けられるあれこれが、なんというか、その……すごく柔らかいです。 和「やっと、やっと……この時が来ました」ギュゥ 京太郎「は? いや、あの……」 和「須賀君、いえ京太郎さん……」 下の名前で言い直しながら潤んだ瞳で見上げてくる。 ゴク 正直、堪りません。 和「ずっとこうしたかったんです」ギュウ そういっていっそう身体を強く押し付けてくる和。 おいおいおい、これってもしかしてそういうことなんですかね? 京太郎「それってその……和は俺のこと?」 和「はい。ずっとお慕いしてました」 遂に来ちゃったかぁ~俺の時代が。 京太郎「あの、いやでもほら。ここ合宿場で他にみんなとかいるし」 和「京太郎さんは、私のこと嫌いですか?」 京太郎「もちろん好きだよ。好きか嫌いかって言われりゃもちろん好きだけど、でもたぶん和の言う好きとはたぶん違うって言うか」 たぶん俺の好きは麻雀に、そしてそれ以外にも真剣に向き合う憧れ的なもので。 それに俺には咲が…………あれ? 俺なんで咲に義理立てしてるんだっけ? よく考えりゃ咲とか別にどっちでもよかった。俺は「ちょっと!?」っとむくれる幼馴染の顔を遠投で遠くに追いやる。 和「…………ん」 これは…… 目を閉じ、そっと唇を上に向けている。つまりそういう事で良いんですよな? ってか、今更だけど憧れてた女の子が夜自分の部屋に逆夜這いをかけに来るなんて、 こんな男心をくすぐる様な俺好みな展開は強引過ぎるって言うかまるで夢見たいな……え? 夢!? 和「ピピピピピピピピピ……」 あ、夢だこれ。 ――――― ――― ― pipipipipipipi ムクリ ゆっくりと上体を起こし、鳴り止まぬ目覚まし、っというかケータイのアラームに手を伸ばす。 頭を掻きながらあたりを見回すと、まぁ当然だが自室(仮)の布団の上だった。 カーテン越しに差し込む薄白んだ明かりからするともう朝らしい。いつの間にか寝てたようだ。 立ち上げってカーテンを開き、窓を開け放つ。 京太郎「夢ならもっといろいろサービスしてくれよぉぉぉぉぉ!!!!!!」 京太郎「っていう夢を見たんですけど、どう思います?」 菫「そのいかがわしい夢の話を何故私にする?」 京太郎「誰でもいいからブチ撒けたかったんです!」 菫「バカか君は」 一刀のもとに斬って捨てられた。 確かに自分でもちょっと頭悪いかなって思わなくもないけど。 淡「むぅ……」グデーン それとさっきから俺の背中に乗っかってくるのが1人。 京太郎「なんなのさっきからあなたは?」 淡「な~んで私じゃなくてノドカが夢に出てくるの!? 私の夢を見ろ!」 京太郎「はぁ? お前、俺が夢を自在にコントロール出来る系の能力者かなにかと勘違いしてないか?」 京太郎「もしそうならもっとこう、……さぁ」チラ ついつい視線がおも、渋谷先輩の方へと引き寄せられてしまう。 尭深「ポッ(棒)」 淡「なんか見詰め合ってるー! タカミーも満更じゃない感じだしてるー!」アワーン! 尭深「お茶美味しい」ズズ 淡「とにかくキョータローは今晩は私の夢を見ること!」 京太郎「前から思ってたけどお前なんでそんな偉そうなの? どこの立場の人間だお前は」 淡「そうだ! 枕の下に写真入れるとその人の夢が見れるっていうよね」 京太郎「ああ、まぁ言うな。思いっきり眉唾だけど」 淡「写真、写真を撮ろう!」 京太郎「言うけどカメラなんて無いぞ?」 淡「んーと、んーと……そだ! ケータイで撮ろっと」グイグイ 京太郎「……」 ノータッチ。 淡「さっさと屈め! このジャイアントバーバリアン一族!」グイグイ どこの部族だ。 腕に抱きついて引っ張ってくる淡に急かされ、俺は頭の位置がちょうど同じくらいの高さになるように腰を屈める。 淡「イェイ~ ピースピース♪」 京太郎「はいはいピース」 ピロリン 淡「やったー!ツーショット! 待ち受けにしよーっと。見て見てテルー!」タタタ 枕云々の話はいいんだろうか? 敢えて突っ込もうとは思わないが。 京太郎「淡はバカだなぁ」 まぁそういうとこ嫌いじゃないけどね。 照「京ちゃん京ちゃん」ツンツン 突然背中を突かれる。 京太郎「? 照さん?」 照「私も、写真」フリフリ どうやら淡のツーショットが羨ましいらしく、自分も自分もと言った具合にケータイを振ってみせる。羨ましいか? 京太郎「ん、わかりました。使い方わかりますか?」 照「む、京ちゃんは失礼。お姉ちゃんはけーたいでんわくらい使えます」 照さんは昔からこのお姉ちゃんアピールを俺に対してよくしてくる。 照「えっと、えっと……」アセアセ 京太郎「やりましょうか?」 照「う、うん……///」 ケータイの操作がわからなくて四苦八苦してる照さん萌。 違うそうじゃない、照さんからケータイを受け取り慣れた手付きで操作する。 今時ガラケーかよと思わなくも無いが照さんらしいといえばらしいのでなんとなく微笑ましい。 照「ごめんね。私こういうのぜんぜんダメで……」シュン 京太郎「……」ナデナデ 照「き、京ちゃん!?」 京太郎「はっ!? すいませんつい」 しょげてる照さんがなんと言うか庇護欲を誘うのでつい反射的に頭を撫でてしまった。 咲とか穏乃とかにもついやってしまうのだが、憧なんか言わせれば気安くそういうことをするのダメらしい。よくわからん。 照「もっと撫でていいよ……」 京太郎「え?」 照「頭……」 京太郎「あ、ああ! 頭ね」 ナデナデ 照「///」テルテル 京太郎「……」 うむ、なんともすばらな手触り。 しかし、この先端の……なんだこれ? この鋭い部分はなんなんだろうな。 咲にもあるんだよな、宮永の血統なのだろうか? そういえば以前、薬局に寄ったとき咲が『超強靭ワックス!!戦闘民族専用』とかいうのを買っているところを目撃してしまった。 結果の程は推して知るべし。 照「京ちゃん、そろそろ」 京太郎「おっとそうでした」 脱線してしまった。当初の目的を思い出し照さんと肩を並べる形で身を寄せる。 なんだろう。なんか照れる。 京太郎「いいですか? 撮りますよ」 照「う、うん///」 ピロリン 京太郎「淡みたいに待ち受けにしますか?」 照「うん。お願い」 京太郎「了解ッス」カチカチ 京太郎「はい、これでオッケー」 ケータイを照さんに返し出来栄えを確認してもらう。 照「ありがとう。京ちゃん」 柔らかくはにかむ照さん。可愛い。 京太郎「どういたしまして、お姉ちゃん」 急須に茶葉を入れる。ケトルから湯のみにお湯を注ぎ冷めるのを待つ。 その間に、鶴口ポットで沸騰させておいたお湯を、ネルドリップでむらしを行いながら外から円を描くようにサーバーに注ぐ。 注湯の茶色の濃さを見つつ、適度なところで手を止める。コーヒーはこれで良し。 冷ましておいた湯を急須に注ぎ、再び湯のみへ絞るように注ぎきる。 マグカップを5つに湯のみを1つ、ミルクの容器、砂糖の容器、それからもう一つをお盆に載せお嬢様方が待つ席へ向かう。 まずは、 京太郎「どうぞ、渋谷先輩。今日は深蒸し煎茶にしてみました」 尭深「ありがとう。須賀君」ニコ 白糸台屈指のお茶マイスターである渋谷先輩に本人愛用の湯のみを目の前に置く。 唯一のお茶なので最初に渡しただけで、ゆっときますけど俺の好みとかは関係ないですからね? 京太郎「亦野先輩はブラックでしたよね」 誠子「ありがとう。うん、良い香りだ」 亦野先輩はコーヒーをブラックで飲む。この年代の女子学生にはなかなか珍しい好みだと思うが、 本人によると「夜釣りなんかのときに眠気覚ましに飲んでたらブラックじゃないと飲めなくなった」らしい。 相変わらずワイルドな人だ。 照「京ちゃん京ちゃん」 淡「キョータローキョータロー」 京太郎「はいはい、今行きますよ」 二大甘党の前にそれぞれマグカップを置く。 京太郎「照さん、砂糖の数は?」 照「3つ!」テルテル 京太郎「はいはい」 苦笑しつつ、角砂糖を3つ投入しミルクをたっぷり注ぐ。 京太郎「どうぞ」コトッ 照「ありがと、京ちゃん」 京太郎「淡は……」 淡「苦……!?」 聞く前からすでに飲んでいた。そんでもって苦さに顔をしかめていた。 京太郎「お前は……ホント、バカだなぁ」 淡のカップに砂糖とミルクを足しつつ用意しておいた茶菓子を前においてやる。 淡「あむあむ、あんでコーヒーってこんな苦いの?」ポリポリ 京太郎「だから紅茶にするか? って聞いたんだろうが……ほら」スッ 淡「ん……ズズ ……あわーい」ニパァ 京太郎「はいはい、甘い甘い」 最後に弘世先輩の前にカップを持っていく。 京太郎「お待たせしました。先輩」 菫「いや、ありがとう。いつもすまないな」 京太郎「いいですよぉ。好きでやってんですから」 京太郎「先輩はミルクと砂糖は?」 菫「そうだな……」チラ 僅かに亦野先輩の方に視線を送る。 実は弘世先輩も照さん達程ではないがなかなかの甘党である。だが、後輩がブラックで飲んでる手前あまりそれを見せたくないらしい。 もうみんな知ってますよ? とは言ってはいけない雰囲気。一見クールに見えて結構可愛い人だよね。 京太郎「じゃあこれはどうですか?」 俺はお盆に残されていた最後の一つを弘世先輩の前に差し出す。 菫「なんだこれは?」 京太郎「塩です」 菫「なんだって?」 塩。塩化ナトリウム。NaCl。舐めるとしょっぱい。白い粒。 菫「なぜ塩なんだ?」 京太郎「それはコーヒーに入れるためですよ」 淡「塩ってコーヒーに入れるものなの?」 横から淡が口を挟んでくる。 言葉にはしないが他の3人も興味深げにこちらも伺っている。 京太郎「弘世先輩はコーヒーに塩を入れて飲んだことはありますか?」 菫「いや無いが」 淡「コーヒーに塩なんて、ただでさえ苦いのにその上しょっぱくなっちゃったらますます美味しくないと思うな」 照「……」コクコク 京太郎「そうかな? 世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってある」 京太郎「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになる」 俺が今言ったセリフとまったく同じことを昔ある人に言われたことがある。 ― ――― ――――― 京太郎「コーヒー入りましたよ、部長。インスタントですけど」コト 久「ありがと」 短くお礼を言いつつ、部長は俺の手からマグカップを受け取る。 久「ん……」ズズ 久「これはブラック?」 京太郎「はいそうですけど。部長ってブラック派じゃありませんでしたっけ?」 以前にふと見かけた飲み差しのカップはそうだったと思うのだが。 久「ふふ、私は塩派よ」 京太郎「は? 塩?」 なに言ってんだこの人? 前々から変な人だとは思ってたけどまさかここまで極まってたとは…… 久「意外かしら? けど世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってあるわ」 久「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになるわね」 京太郎「まぁ……」 そうでしょうけども。 久「ところでコーヒーにミルクを入れるとコーヒー牛乳になるけど、紅茶にミルクを入れると紅茶牛乳じゃなくてミルクティーになるわよね」 久「このミルクティーを作るとき紅茶とミルク、どちらを先に入れるかというここ何百年もの間、未解決な命題があるの」 久「これについて須賀君はどう思う?」 京太郎「いや、どうって言われても……っていうかまたテレビかなんかの雑学ですか?」 久「話のネタにはいいでしょう?」 ~数日後~ 京太郎「部員集まりませんね」 久「まぁそんな簡単に集まったら苦労しないわね」 京太郎「2年の先輩の、えぇっとなんて人でしたっけ? その人を連れ戻すって話は……」 久「染谷まこ、ね。そうねぇ須賀君もやっとルールを覚えてきた頃だしそろそろ突撃しようかしら」 京太郎「は? 突撃?」 久「まこの実家の麻雀喫茶にね」 京太郎「その先輩のご実家喫茶店なんですか?」 久「そそ、それもあって部活離れしてたってとこかな」 京太郎「はぁ……」ポカーン 久「よし! じゃあ行きましょうか」 京太郎「え? もしや今から?」 久「もちろん! 思い立ったら吉日って言うでしょ?」 京太郎「この場合は行き当たりばったりの方が合ってるような」 久「いいから来る!」 京太郎「わかりました! わっかりましたよもう!」 久「っと、その前に……」ズズ、コクン 久「ん、良い塩加減。やっぱり須賀君の入れるコーヒーが1番美味しいわね♪」ニコ ――――― ――― ― 京太郎「っと、つまりゆで卵に塩をかけて食べるように、コーヒーに塩を入れて飲んだら意外と美味しいかも」 京太郎「って俺はそう言いたい訳ですよ」 俺の話をふんふむと聞いていた一同。 俺が話し終えると、そこで口火を切るのも白糸台チーム虎姫賑やかし担当の淡・大星。 淡「ん~、けど私、ゆで卵にはマヨネーズなんだけど」 しばし一考。 京太郎「なるほどマヨネーズか……」 マヨネーズ、コーヒーにマヨネーズか。 マヨネーズinコーヒーを想像しながら自分の分に口をつけるとなんと言えない味が広がる。 どうしようか迷った末、苦々しい表情をしながらなんとか飲み込む。 菫「塩のコーヒーか……」 呟きながら、塩の小瓶から一匙掬い自分のコーヒーへ。 俺の長話の所為で少し温くなったコーヒーをかき混ぜ、一口啜る。 菫「ふむ……」 京太郎「どうですか?」 菫「あまり美味しくないな」 部長、どうやらここでは塩は非常識に分類されるようです。 京太郎「……」ペラッ 午後の昼下り。俺は1人でソファーに腰を沈めながら読書に耽る。 こう見えても俺はそこそこ本を読む。っというのもまぁ単純に身近に重度の読書家がいてそいつがあれこれと熱心に勧めてくるので、 いつの間にかそういう習慣が身についただけで、別に瀟洒を気取ってるとか知的さを振り撒いて女の子にモテたいとかそういうことじゃ…… いや、すんません。ちょっとだけ期待してました。 京太郎「…………」ペラッ ガチャ 淡「……」キョロキョロ 淡「あ! キョ、っ……」 扉が開き顔を覗かせたのは、ここではもう見慣れたメンバーの1人。 一瞬だけ顔を輝かせ俺の名前を呼び掛けるが、こちらが本を読んでいたことに気付くと慌てて口を噤む。 淡「……」タタタ ボフ 俺が座っていたソファー、その右横に勢いよく腰を下ろす淡。 俺は特に無い言及せず読書を続ける。 ちなみの俺は学校の授業や、こういった読書の時に俺はメガネをかけている。 オススメというだけありつい内容に引き込まれて夜中に暗がりで熱中して読みふけっていたら 最近少し視力が下がってきてしまったからだ。 晴れてメガネデビューを果たした俺がそれについて部内でからかわれた事もあったのだがそれについては今は割愛。 淡「キョータローってメガネ掛けてたっけ?」 京太郎「ああ、ちょい前くらいから」 知っての通り普段は掛けてないから未だにこうやって驚かれたりすることもままある。 京太郎「頭良さそうだろ?」 淡「うん! 知性があるように見える」 京太郎「……」 お前もっと言葉を選べよ…… 内心で呆れつつ再び本に視線を戻す。 淡もそれ以上なにも言わず、裸足のつま先にスリッパを引っ掛け楽しそうに脚をパタつかせているだけだった。 淡「~♪」 淡は特になにかをするでもなにかを話すでもなくただ俺の隣に座っているだけ。 それにしてはいやに機嫌が良さそうだ。 俺が読んでいる本は文庫本サイズ。 それを左手で持ち替え、空いた右手でメガネのフレームを押し上げつつ隣に座る淡の頭に手を伸ばす。 京太郎「……」ナデナデ 淡「! にゅふふ~♪」 頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細めながら、満足気に声を漏らす。 淡「ねぇねぇ、それなに読んでるの?」 けどやっぱりというか堪え性が無いため質問を投げかけてくる。 京太郎「官能小説」 ズサササ! 思いっきり距離を取られた。 京太郎「いや、あの冗談ですよ?」 さすがにながらでいられないので落としていた視線を上げ淡に顔を向ける。 淡「な、なんだ冗談か~」 淡「もうもう! キョータローのジョーダンは質が悪いよ!」プンスコプン 京太郎「そうむくれるなよ。大体お前こそなんだその反応。いつもならここからもう一言二言遊ぶだろ?」 淡「それはまぁ……そうだけど」 まだ少し警戒の色を残しながらおずおずと元の位置に戻ってくる。 淡「それでなに読んでたの?」 京太郎「フランス書院」 淡「なにそれ?」 京太郎「いややっぱ今の無し。普通のミステリー小説だよ、ほれ」 ページを閉じてしまわないように気を配りながら淡の方に向ける。 淡「ふ~ん、あ! これ知ってるこないだテルーが読んでた奴だ」 京太郎「へぇ照さんがね」 ってことは照さんから咲に、そんで俺にといった感じだろうか? 読み切ったら是非語り合いたいな。 淡「なんか実は、真犯人の共犯者が主人公の弟だったとかって驚いてた!」 京太郎「え……」 淡「それで、えっとえっとなんだっけ……キョータロー?」 京太郎「まだ、そこまで読んでない……」 淡「え、あ!? あわわわわわわ……ごご、ごめん!」 京太郎「いや、いいけど……」 俺は本を閉じ、ソファーの肘掛けにぐったりとうな垂れる。栞を差し込む気力も無い。 京太郎「冷水ぶっ掛けられた……」ガックシ 淡「もーごめんって! キョータローってばー!」アワアワ! 京太郎「うえぇ、さっぶ……」ガタガタ 湿った肩を自分で抱きながら、全身に纏わりつく寒さをなんとか誤魔化そうとする。 京太郎「ちくしょうついてな、ふぁ……っくしゅん!!」 あー、ついてない。まさか外の水道が老朽化していて捻った瞬間爆発しようなどと誰が予測出来ようか。 濡れた前髪が顔面に張り付いてなんとも不愉快だ。 着替えを片手に暖簾を潜り、浴場へ続く脱衣所への戸を開ける。 ガラララ 穏乃「うん?」 京太郎「…………え?」 そこにいたのは生まれたままの姿の高鴨穏乃だった。 京太郎「す、スッポンポンのポンポコポーン……」 穏乃「おっす京太郎。京太郎もお風呂?」タタタ 京太郎「前を隠せぇぇぇぇーーーっ!!」 俺は絶叫しながら手から着替えの袋が落ちるのも気にせず、両手で顔を覆いながら穏乃に背を向ける。 京太郎「すすすす、すまん! すぐ出るから」 穏乃「えー京太郎お風呂入りに来たんじゃないの? なら一緒に入ろうよ」 出来るかボケェ!! 穏乃「ねー聞いてる?」グイグイ 京太郎「ちょ、おおい!? なに引っ付いてきてるの!?」 穏乃「って、京太郎ビショビショじゃん! 早く温まらないと風邪引くよ!」 そういって入り口付近で二の足を踏んでいた俺をズルズル引き摺っていく。 なにこのパワー!? 京太郎「ちょ! やめて、俺今あの、あれ! すごい、極限状態だから!」 穏乃「なにゴチャゴチャいってるの! ほら早く!」 京太郎「大体、穏乃! お前俺に一瞬とは言え裸見られてんのにそれについてはなんかないの!?」 穏乃「ん~?」 穏乃の視線が自分を見下ろし、それからゆっくりと正面に戻ってくる。 穏乃「わああああああああああああああああ!?!?!??!!!////////////」 パタパタパタパタ 突然の足音。 シズ~ドウカシタノ~ 戸口の向こうから聞こえたこの声は、……憧!? やばい、この状況。バレればあの、えぇっと……とにかくとんでもないことになるよ!? 穏乃「な、なんでもな~い! ちょっと滑って驚いただけー!」 京太郎「!?」 キヲツケナサイヨ~ 穏乃「わかった~!」 パタパタパタ…… 足音が遠ざかっていく。 シーン…… 残ったのは静謐。 京太郎「じゃ、じゃあ俺出直すからまた後で……」 穏乃「ダメだよ! 風邪引くって」 京太郎「だけどお前なぁ」 穏乃「私は大丈夫、平気……だから///」 京太郎「はぁ……わかったよ」ポン 俺はなるべく穏乃の裸体を見ないようにしつつ頭に手を載せる。 穏乃「あ……」 京太郎「そんかわり、お前は先浴室いっとけぶっちゃけ今の穏乃のが風邪引きそうだ」 穏乃「あ、うん!」パァァ 勢いよく頷くと穏乃は勢いよく駆けていく。 途中でホントに足を滑らせかけ「どえぇぇぇ!?」などと女の子が口にするにはいささか奇特な声を漏らしながら、 浴場へ繋がる戸口へ消えていった。 京太郎「あいつ、俺がこのままバッくれるとか考えないのかな?」 カポーン 鹿脅しに似た幻聴が聞こえる。 京太郎「…………」ボケェー 穏乃「…………///」ポー 俺と穏乃は近すぎずさりとて遠すぎず、微妙な距離を保って肩を並べて湯船に浸かっていた。 あのまま逃走も考えたがそれはそれで後からなに言われるかわからないので大人しく穏乃の意向に従うことにした。 京太郎「…………悪かったな」 穏乃「なにが?」 京太郎「不可抗力とは言えその、なんだ……裸見ちゃって」ポリポリ 穏乃「あ、ああ! うんまぁ、私も悪かったし。別に」 京太郎「そうか? そう言ってくれると助かる」 穏乃「うん。それに恥ずかしかったけど、京太郎になら別に嫌じゃないって言うかブクブクブク……」 京太郎「は?」 穏乃「なんでもない! なんでも///」 京太郎「いや、今……」 穏乃「私逆上せたみたい! 先に上がるね? それじゃ!」 バシャ、タタタタ 京太郎「ちょ、おおい。だから走るなって! ……聞いちゃいねぇ」 一人残された俺は、何の気なしに天を仰ぐ。 京太郎「あー……」 両手で湯船を掬い顔に思いっきり叩きつける。 去っていく穏乃の顔が赤く見えてのは果たして本当に逆上せたからだったのか。 そして俺自身のこの顔の熱さも。 俺の疑問はその答えを得る事無く、熱い水面に落ちて溶けた。 玄「京太郎くん」 京太郎「玄さん?」 玄関で上履きから外履きに履き替えているところへ後ろから声をかけられた。 振り返ると白いワンピースにつば広の帽子を被った玄さんが立っていた。 玄「お出かけ?」 京太郎「はい、少し。玄さんもですか?」 玄「うん。少しお散歩」 京太郎「あ、じゃあそこまで一緒に行きますか?」 玄「お邪魔じゃないかな?」 京太郎「まさか。こちらこそ、お供させていただいてよろしいですか?」 玄「ふふ。うん、よろしくお願いします」 京太郎「あれ? 玄さん、髪……」 後ろに立たれていたときには気付かなかったけど並んで立つことでその事に気付いた。 玄「あ、うん。今日は熱かったから結んでみたんだ。へ、変じゃないかな?」 無茶苦茶可愛いです。この滾る感情を打ち明けたかったがまぁここは紳士・須賀としてね。その名に恥じぬ振る舞いをしようか。 京太郎「無茶苦茶可愛いです!! うなじがチラチラ見えてすごく興奮します!」 あ…… 玄「かわっ!?」 川? 玄「そ、そっかぁ~えへへ、そっか///」テレテレ よし! よし!! なんかわからないけど上手く誤魔化せた。 京太郎「そういえば聞くの忘れてたんですけどいいですか?」 玄「なにかな?」 並んで歩いていた玄さんにスッと一歩歩み寄る。 京太郎「おもちの方はいかがでしたか?」ヒソ 玄「! ふふふさすが我が同志。やはり気になしますか?」ヒソ 京太郎「そりゃあ」 玄「それで誰のおもちが聞きたいのですかな?」 どこか得意気な玄さん。 京太郎「ふむ。いろいろ聞きたいですがじゃあここは渋谷先輩で」 玄「ふんふむ。渋谷さんですか、大きさではやや和ちゃんに負けるけど張り、艶、そして柔らかさも申し分なく」 京太郎「柔らかさ!? 玄さん、あなたまさか……」 玄「触らせていただきました///」ポッ 京太郎「なん……だと……」 玄「ご本人に似てなんともやんごとなき手触りで」 京太郎「羨ましい!?」グギギ 玄(血涙……) 玄「やっぱり触ってみたいのかな? 男の子だし」 京太郎「そりゃ、いや……でも俺、学者タイプだし」 今度こそ紳士・須賀でいきたい。そう願って今を生きる。 京太郎「というわけで、宇宙飛行士タイプの玄さん。その辺りのいろいろはすべてお任せします!」ペッコリン 玄「おまかせあれ!」 そういって胸を張る玄さん。 京太郎「……」 うむ。すばら。 京太郎「それでじゃあ和は……」 玄「和ちゃんは、ガードが固くて……」 京太郎「ダメだったんですね」 玄「うん。タオルできっちり巻いてて、湯船に浸かるときもそれはもう神業の如く脱着も一瞬で」 京太郎「そうですか……」グヌヌ さすが和としか言いようがない。 京太郎「あ、じゃあ弘世先輩は……」 玄「弘世さん、か……」 玄さんが憂いを秘めた遠い眼をしてる。 玄「レギュレーション変更とはかくも恐ろしい」 京太郎「?」 それはまるで要領を得ない説明だった。 京太郎「しかし宥さんも含めてすばらなおもともちな方々揃ってなんともすばらですね! 玄さん」 後、玄さんも。とは口が裂けても言えない。 玄「ん、うん。そうだね」 玄(京太郎くんとおもちの話をするのはすごく楽しいけど、なんだろうおもちの辺りがもちもちする)モヤモヤ 京太郎「どかしました?」 玄「ううん。……京太郎くんはこの後どうするの?」 京太郎「俺ですか? そうですね、このまま街の方まで行ってついでに夕飯の買出しでもしようかなって」 玄「じゃあ荷物持ちとかいた方が良いよね! 私も一緒に行くよ!」 京太郎「そうですか? じゃあお願いします」ペッコリン 玄「こういうのもデートって言うのかな?」ボソ 京太郎「ふぁい? なんか言いました?」 玄「んーん。なんにも」 玄(もしそうなら) ギュウ 京太郎「ちょ!? くくく玄さん!?」 いきなり玄さんが俺の腕に自身腕を絡めてきた。そしてこの肘に当たる柔らかいものは…… 紳士が……! 俺の紳士が……!! 京太郎「な、なんでもないです……」 玄「ふふ、そっか」 玄(久し振りに会えたんだもん。ちょっとくらい大胆になっても良いよね?) 【おまけ】 ドドドドドドドド、バーン!! 京太郎「え? なに? なに事!?」 凄まじいラッシュの後、盛大に戸が開け放たれる。 穏乃「やっほー! 京太郎! 遊びに行こう!」 京太郎「は!? し、穏乃!?」 まるでパパスの様に現れたのは阿知賀女子の大将、高鴨穏乃。ぬおおおお。 突然だが状況を整理しよう。 現在ここは俺の自室(仮)、時間は早朝。そして今さっき起きたばかりの俺はまさに着替えの真っ最中。 しかも今日に限って自分でもなぜかわからないが下から脱ぎだしたので、 上は寝巻き用のTシャツで下は現在パンツ一枚という最悪の絵面でお送りしております。 京太郎「きゃあああああああああああああ!! いやあああああああああああああ!!」 穏乃「あ、ごめん。着替え中だった? って、うわ……京太郎の部屋狭いね」 あれ!? 意外と冷静…… 穏乃「じゃあ終わるまで待ってるね」 京太郎「あの、ちょっと……」 穏乃「ん?」 京太郎「お前、俺の渾身のボケをスルーするのやめてもらえません?」 穏乃「とりあえずズボンはいたら?」 京太郎「大体なんださっきのノック……ノック?」 京太郎「ゴエモンインパクトの殴りこみかと思ったぞ」 穏乃「だってこんないい天気なんだよ! 元気よくいかないと勿体無いよ!」 ガラッ 俺の横を通り過ぎ、閉められていた窓ガラスを盛大に開け放つ。 穏乃「」 ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………カキーン どこかで七色石が割れる音がした。 穏乃「え!? なにやだっ、怖いっ!?」ゴフ 穏乃「え? 京太郎こんな極限状態みたいな部屋に泊まってるの?」 京太郎「ああ、まぁうん。とりあえず窓から離れとけ」 ガラララ 穏乃「う、うん……後そろそろズボンはいた方がいいよ?」 京太郎「しかしお前、さっきのは無いんじゃないの?」 穏乃「なにが?」 京太郎「仮にも女の子が同年代の男子の着替えをうっかり覗いてしまった」 京太郎「ともすれば恥じらいの一つも見せて然るべきでは無かろうか?」 穏乃「ふ~ん……」 京太郎「こいつ、もしや自分ちに全裸の男とかいても『ふ~ん』で済ますタイプか……?」 穏乃「そんなこと無いよ。誰でもじゃなくて、京太郎だしまぁいっかなって」 京太郎「お、ふっふ~ん。そんな意味深なこといわれるとお兄さんちょっと穿った捉え方をしちゃいますよ」 穏乃「ん? よくわかんないけどズボンはかないの?」 京太郎「だいたいお前さぁ見ろよこの状況。このシャツの丈がもうちょっと長かったらアレだよ?お前とペアルックみたいになっちゃうよ?」 穏乃「ホントだ! 京太郎ジャージとか持ってないの? ペアルックで闊歩しようよ!」 京太郎「バカかお前は! 穏乃でもかなりギリギリのラインなのに俺がそんな格好してたら通行人腰抜かすわ! そんで補導されるわ!」 穏乃「じゃあズボンはけよ!」 京太郎「はいはい。今はきますよ、ちぇっ」 穏乃「なんでなんか私が悪いみたいな空気出してるの?」 京太郎「いやお前は悪いだろ。穏やかなこの朝のこの、……そういえばお前の名前にも「穏」って字が入ってるな」 それでこの性格か。穏やかさの欠片もないな。 京太郎「遊びに行くのはいいが、とりあえず朝飯食ってからな。お前なに食いたいよ?」 穏乃「う~ん……目玉焼き!」 京太郎「おう! 準備してくるから穏乃はみんなを起こしてきてくれ」 穏乃「わかった」タタタタ 元気よく返事をするとそのまま部屋をとび出していった。今のあいつは朝飯のことで頭がいっぱいなのだろう。 京太郎「扱いやすいのは良い事だ」 今日も騒がしい1日になりそうな予感はするが。